資格試験の英ピアソンVUE、KLにテストセンターを開設

【クアラルンプール】 コンピュータ受験(CBT)資格試験運営の英ピアソンVUEは、クアラルンプール(KL)に試験実施施設(テストセンター)であるピアソン・プロフェッショナル・センター(PPC)を開設したと発表した。

PPCはアジア公認銀行協会(AICB)施設内に設置された。ID管理やIDチェック(手のひら静脈認証技術を含む)、署名パッド、施設全体への監視カメラ設置、目視と監視カメラを両用しての試験監督、受験者用ロッカーなどのセキュリティ対策が施されている。ピアソンVUEは2002年以来、世界180カ国以上、テストセンター5,600カ所で資格試験を実施している。

ピアソンVUEのクレイグ・マクファーレン豪州・東南アジア担当副社長は、マレーシアでは多くの産業分野で急速な専門化が進んでいるとし、ピアソンVUEは現地の認証機関に信頼性の高い試験を提供していくと述べた。
(ザ・サン電子版、5月7日)

デジタル銀行のGXバンク、チューリッヒと共同で保険商品開発へ

【クアラルンプール】 配車サービス大手のグラブが主導するデジタル銀行GXバンクは、スイス系保険会社チューリッヒ・マレーシア(チューリッヒ損害保険マレーシアとチューリッヒ生命保険マレーシアの2社)との間で、10年間の独占的提携契約を締結したと発表した。

GXバンクはテクノロジーやデータに基づく洞察から顧客の悩みを特定し、チューリッヒ・マレーシアと協力の上、シンプルで使いやすく、手頃な価格のデジタル保険商品を共同開発する。第1号となるデジタル保険商品は今年第3四半期に導入する予定で、サイバー犯罪による不正取引や電子詐欺メッセージによる取引から個人を保護することを目指す。

英プライスウォーターハウスクーパースの2023年の調査によると、マレーシアの無保険人口の84%は18ー34歳で、成人の58%が生命保険やタカフル(イスラム保険)に加入していない。また、マレーシアではサイバー犯罪が増加しており、オンライン詐欺の被害件数は2019年から2023年までの5年間で倍増し、2023年1ー11月の被害額は推定約13億リンギとなっているという。
(ソヤチンチャウ、5月7日、チューリッヒ・マレーシア発表資料)

首相が腐敗防止戦略発表、公務員の汚職防止に力点

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は7日、「国家腐敗防止計画」(NACP、対象期間2019-2023年)に替わる「国家腐敗防止戦略」(NACS、同2024-2028年)を発表した。行政サービス、政府系企業における統治、清廉の向上・改善に力点を置く。

アンワル氏は「権力を持つ者、公務員、法執行当局者が、弱肉強食のおきてを信奉し、富を不法に蓄積し、物事を処理する権利があると思っているとしたら、国は救われず、国民の運命は危険にさらされる」と述べた。アンワル氏はさらに、国民の多数は汚職を嫌っているが、汚職にかかわっている者が影響力のある者、高位にある者のため、権力乱用を正当化する者が少数ながらいることも否定できないとした。

腐敗防止戦略は、教育、公的説明責任、国民の声、執行、報奨金、の5戦略が柱。学校では汚職に関する教育を施し、一般大衆向けにも啓発活動を行う。国民の声を重視するのは、国民の意見を政府施策に生かせる可能性があるためだ。法執行に当たっては勇敢な行動を執行官に求める。報奨金戦略は、汚職防止に協力した、あるいは功のあった執行官、公務員、一般人は報われてしかるべきとの考えに基づく。
(ザ・スター、5月8日、エッジ、5月7日)

化粧品製造のNIL、マレーシアとタイでヘアケア製品発売へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 医薬品・化粧品製造のNIL(エヌアイエル、本社・東京都千代田区)は7日、同社のヘアケアブランド「SUNA」のオフィシャルストアを立ち上げ、マレーシアとタイで販売開始すると発表した。

エニーマインド・グループ(本社・東京都港区) の「グローバルECソリューション」の提供を受ける。同時にエニーマインドとの間で「SUNA」の両国での独占販売契約も締結した。

NILは有機合成の研究者集団が集結して2015年に設立した研究開発型スタートアップ企業。「SUNA」は、日本においては楽天市場などのECモールを活用して販売しているが、海外市場の販路を開拓するために、越境ECの活用を検討してきた。昨年の秋頃より、エニーマインドが所有するECモールの店舗を活用した越境販売サービスを用いて、タイやマレーシア、シンガポールにてテスト販売を行ったところ、タイでは2023年11月の売上本数が前月の6倍にも上るなど、好調な結果を得られた。こうした結果を踏まえ、5月よりマレーシアとタイでブランドオフィシャルストアを立ち上げ、本格的に越境EC展開を開始することとなったという。

KL中心部で街路樹倒れ1人死亡、2人負傷、モノレールも一時不通

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 クアラルンプール(KL)市中心部のジャラン・スルタン・イスマイルで7日午後2時過ぎ、10メートル以上ある街路樹の大木が突然倒れ、通行中の17台の自動車が下敷きになる事故があった。

ダン・ワンギ警察によると、下敷きになった自動車を運転していた男性(47)が死亡、別の配車サービスの車を運転していた男性(26)と乗客だったスウェーデン人女性(72)も負傷し、KL病院に搬送された。

現場はコンコルド・ホテル付近の交通量の多い道路で、街路樹は直前の暴風雨の影響を受けて倒れたものとみられる。通行不能となったジャラン・スルタン・イスマイルは、8日午後1時過ぎになってようやく再開した。

街路樹は近くの歩道の屋根を倒壊させた上で路上の高架を走るKLモノレールの軌道にも倒れかかり、ハン・トゥア駅とメダン・トゥアンク駅間が不通となっていたが、8日午後5時に運行を再開した。

ザリハ・ムスタファ首相府相(連邦直轄地担当)によると、倒れた街路樹は樹齢50年を超えており、2年ごとに樹木医による検査が行われていた。