プトラジャヤのART、試験運転を7月末まで実施

【プトラジャヤ】 プトラジャヤ・コーポレーション(PPJ)は、運輸省と協力し、7月31日までプトラジャヤで自動高速輸送システム(ART)の試験運転を実施すると発表した。試運転中は無料で乗車できるが、停留所で提供されるQRコードをスキャンする必要がある。

プトラジャヤARTは中国中車(CRRC)の技術を導入した自動運転の無軌道トラムで、試験結果が良好であれば年内に商業運転を開始する計画だ。
PPJのエンジニアリング・メンテナンス部(交通・公共交通課)のエンジニア、ムハンマド・マスリザル・サード氏によると、トラムの試験運行が行われているのは2つのルートで、ルート1は月曜日から金曜日まで、ルート2は土曜日と日曜日に運行される。乗車定員は307人。

ルート1はMRTプトラジャヤ・セントラル駅と各政府機関が入居する第2、3、4区を、ルート2はMRTプトラジャヤ・セントラル駅とIOIシティ・モールを結ぶ。
ARTサービスの詳細については、PPJの公式ウェブサイト(https://www.ppj.gov.my/)およびソーシャルメディアで確認できる。
(マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、5月22日)

対象を絞った補助金、まずディーゼル油を対象に実施へ=首相

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相は21日夜にテレビ演説を行い、対象を絞った補助金制度について、まずはディーゼル油を対象にマレー半島部に絞って実施すると発表した。すべての利用者を対象としていたこれまでの補助金制度を見直すことにより、年間40億リンギの補助金が節約される見通しだ。

ディーゼル・エンジン車が普及しているサバ・サラワク州は市民生活への影響が大きいため対象外とする。実施時期については、関係省庁から後日発表されると述べるにとどまった。アンワル首相は、水道や電気代に対象を絞った補助金を導入した際と同様に大部分の国民には影響はないとの見方を強調した。

新制度の対象となる半島部では、モノやサービス価格の急激な上昇を抑えるため、商用ディーゼル車を使用する業者向けに補助金を支給する。補助金が支給されるセクターはディーゼル補助金管理制度(SKDS)に基づくバスやタクシーなどの10種類の公共交通車両と23種類の貨物輸送車両、漁業者が含まれる。また小規模農家、コメ農家、小規模販売業者など自家用ディーゼル車の所有者には現金支援を行う。

アンワル首相は、新たな補助金制度では商売、農業、鉱業、畜産業、漁業などでディーゼルを使用する必要がある下から40%の低所得者層(B40)および40%の中間所得者層(M40)を対象としており、20%を占める高所得者(T20)や380万人いるとされる外国人には付与しないと述べた。

リンギが円に対し値上がり、15年6月以来の高水準に

【クアラルンプール】21日の為替市場ではリンギが円に対し値上がりし、取引開始早々、100円に対し2.99リンギ台と3リンギを割り込んだ。2015年6月以来の対円リンギ高となった。

午前9時台の相場は100円に対し2.9984/3.0012リンギだった。その後、3.001/3.0022リンギで取引された。

イスラム銀行バンク・ムアマラット・マレーシアのモハマド・アフザニザム主任エコノミストは、マレーシアと日本の金利差が大きいことが強いリンギの理由と指摘した。

日本の1-3月期の国内総生産(速報値)は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.5%減、年率換算で2.0%減と縮小しており、金利引き上げの可能性は限定されているため、リンギ高は続く可能性があるという。

UOBケイ・ヒアン・ウエルス・アドバイザーズのセデク・ジャンタン氏は20日の声明で、日本銀行が国債買い入れを減額したことを指摘。「2.0%のインフレターゲットが達成できたと日銀が確信できるか次第だが、7月末までに金利を0.1%引き上げるとの憶測が流れている」と述べていた。

円は長期にわたり下落を続けており、日本は輸入物価の上昇で消費が減退している。
(ザ・スター、5月22日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、5月21日)

福山通運、現地子会社の新倉庫がシャアラムで完成

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 福山通運(本社・広島県福山市)は、マレーシア子会社のE.H.ウタラ・ホールディングスが19日、セランゴール州シャアラムで建設していた新倉庫の竣工式を行ったと発表した。同社は2023年2月に起工式を実施していた。

声明によると、建設地はスバン工業団地内で、地上2階建て鉄筋コンクリートおよび鉄骨造、敷地面積1万5,523平方メートル、延床面積1万6,190平方メートルとなっている。

福山通運は、新倉庫の立地がマレーシア国内最大規模となるポートクランおよび首都クアラルンプールへのアクセスに優れ、物流拠点として需要の高い地区にあると強調。今後、東南アジア地域でのネットワークを更に強化するとともに、多様化する顧客ニーズに対応するためよりきめ細やかな物流サービスを提供していくとしている。

アンワル首相が訪日、岸田首相と会談

【東京】 アンワル・イブラヒム首相が22日夜から3日間の日程で日本を訪問した。昨年12月に次ぐ2回目の訪問となる。

モハマド・ハッサン外務相、テンク・ザフルル投資貿易産業相、スティーブン・シム人的資源相も同行した。

アンワル首相は、23日、第29回日経フォーラム「アジアの未来」で基調講演を行い、日本の岸田文雄首相と二国間会談を行った。会談では、ハイテク、エネルギー移行、環境協力、防衛・安全保障、能力開発、高等教育に関するマレーシアと日本の関係強化に向けた取り組みを確認。産業界トップとの会談も実施した。
(マレー・メイル、エッジ、5月22日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月21日)