【クアラルンプール=アジアインフォネット】 アンワル・イブラヒム首相は21日夜にテレビ演説を行い、対象を絞った補助金制度について、まずはディーゼル油を対象にマレー半島部に絞って実施すると発表した。すべての利用者を対象としていたこれまでの補助金制度を見直すことにより、年間40億リンギの補助金が節約される見通しだ。
ディーゼル・エンジン車が普及しているサバ・サラワク州は市民生活への影響が大きいため対象外とする。実施時期については、関係省庁から後日発表されると述べるにとどまった。アンワル首相は、水道や電気代に対象を絞った補助金を導入した際と同様に大部分の国民には影響はないとの見方を強調した。
新制度の対象となる半島部では、モノやサービス価格の急激な上昇を抑えるため、商用ディーゼル車を使用する業者向けに補助金を支給する。補助金が支給されるセクターはディーゼル補助金管理制度(SKDS)に基づくバスやタクシーなどの10種類の公共交通車両と23種類の貨物輸送車両、漁業者が含まれる。また小規模農家、コメ農家、小規模販売業者など自家用ディーゼル車の所有者には現金支援を行う。
アンワル首相は、新たな補助金制度では商売、農業、鉱業、畜産業、漁業などでディーゼルを使用する必要がある下から40%の低所得者層(B40)および40%の中間所得者層(M40)を対象としており、20%を占める高所得者(T20)や380万人いるとされる外国人には付与しないと述べた。