【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は28日、投資貿易産業省(MITI)が主導する「国家半導体戦略(NSS)」の詳細を発表。NSS第1期に250億リンギを割り当て、5,000億リンギの投資を誘致することを目指すと明らかにした。
アンワル首相は同日開幕した、半導体産業の国際展示会「セミコン東南アジア2024」の基調講演で、NSS第1期では、集積回路(IC)設計、先端パッケージング、製造装置を中心とした国内直接投資(DDI)と、ウェハ・ファブ(ウェハを集積回路にする施設)、製造装置を中心とした外国直接投資(FDI)の誘致を目指すと言明。第1期ではさらに設計と先端パッケージングで、売上高10ー47億リンギの現地企業を少なくとも10社、売上高10億リンギの半導体関連企業を100社設立し、賃上げを実現したいと述べた。
研究・開発(R&D)面では、世界トップクラスの大学や企業のR&Dセンターを擁する、半導体の世界的R&D拠点となることを目指す。NSS運用に250億リンギの財政支援を行い、高スキルエンジニア6万人も育成する。
NSS第1期では基盤構築を目的とし、現状では多くの人手が必要となっている、半導体製造後工程アウトソーシング(OSAT)の近代化を支援する。第2期では先端技術への移行を目指し、最先端のロジックとメモリーチップの設計、製造、テストを支援する。第3期では、世界トップクラスのマレーシア半導体設計、先端パッケージング、製造装置企業の発展を支援すると同時に、米アップルや中国ファーウェイ(華為技術)、同レノボなどの先端チップのバイヤーを誘致し、マレーシアでの先端製造を追求する。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、5月28日)