三菱モーターズ、昨年度は「エクスパンダー」を1万1384台販売

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、7人乗りのクロスオーバーMPV(多目的車)「エクスパンダー」の2023年度(2023年4月ー2024年3月)の販売台数が1万1,384台となり、非国民車MPV部門で1位を維持したと発表した。

マレーシア市場で2020年から販売されている「エクスパンダー」はパハン州ペカンで生産される現地組立(CKD)モデルで、保険なし価格で10万980リンギからとなっている。

一方、ピックアップトラック「トライトン」の販売台数は8,636台で、ダブルキャブ・ピックアップトラック部門で2位を維持した。MMMは今年1月に「トライトン」の上位モデル「ATプレミアム」の限定版を発売している。
(ポールタン、5月2日)

マイクロソフト、今後4年でマレーシアに22億米ドルを投資へ

【クアラルンプール】 米ソフトウェア大手のマイクロソフトは、マレーシアのクラウドと人工知能(AI)インフラに今後4年間で22億米ドル(約105億リンギ)を投資する。マレーシアを訪問中のサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が2日、発表した。

マイクロソフトの32年間のマレーシア投資の中でも最高額となる。同社は2021年にも5年間で41億2,000万リンギを投資し、超大規模データセンターを建設し、クラウドサービスを提供すると発表していた。サイバーセキュリティ強化に向け、 マレーシア政府との連携を強化し、「国家AIセンター・オブ・エクセレンス」を設立する。

アンワル・イブラヒム首相は発表を受け、マレーシアはマイクロソフトの投資を歓迎するとし、今回の投資では、システムやインフラを構築するのみではなく、30万人がAIスキルの習得機会を得られ、サイバーセキュリティの強化やシステム開発者コミュニティの成長にもつながるとした。

マイクロソフトは東南アジアへの投資を強化しており、タイでは初となる地域データセンターを開設し、インドネシアではAIとクラウド設備に対する17億米ドル相当の投資を行うということも発表している。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月2日、マイクロソフト発表資料)

日本産食品輸出支援プラットフォーム、マレーシアに設置

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本産農林水産物・食品の輸出に取り組む輸出事業者を包括的・専門的・継続的に支援する「農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」がマレーシアに設置され、2日、関係者らをクアラルンプール(KL)の大使公邸に招いて立ち上げ式が開催された。

同プラットフォームは農林水産省、在外公館、日本貿易振興機構(ジェトロ)海外事務所、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が共同で開設しているもので、マレーシアは9カ国・地域目。イスラム圏では初めてとなる。まずは6月をめどにポータル・サイトを立ち上げる。

▽事業者や地方公共団体からの様々な相談対応および現地発の情報発信▽オールジャパンでのプロモーション活動への支援▽新たな商流の開拓▽現地事業者との連携の強化――が主な活動で、▽ローカルスタッフによる長期的な取り組みや人脈構築の実施(継続性の確保)▽専門人材の登用促進や人材育成の強化(専門性の確保)▽関係部局が共同して輸出拡大に向けた調査を実施(連携の確保)▽地域の実態に即した活動を積極的に実施(地域の主体性の確保)――を図る。

今後の活動についてジェトロKL事務所の高野光一所長は、▽高所得者層だけでなく中間層にもアプローチ。市場調査やハラル(イスラムの戒律に則った)を含む規制などの調査を行う▽商流拡大をめざし、地方・東マレーシアにも範囲を広げる。高級食材を扱う日系以外の飲食店・バイヤーへのアプローチを強化する▽マレーシアの関係者の日本への招聘。生産現場を視察してもらう――といった3点を中心に行っていく考えを表明。また在マレーシア日本大使館と連携して、関係者を集めて不定期に会合を開いて情報交換を行う考えを示した。

同プラットフォームはこれまでに▽米国(ロサンゼルス、ニューヨーク、ヒューストン)▽タイ(バンコク)▽シンガポール▽欧州連合(パリ)▽ベトナム(ホーチミン)▽香港▽中国(上海、北京、広州、成都)▽台湾(台北)ーーの8カ国・地域に設立されている。

ランカウイ島でリニアモーター式軽便鉄道計画、韓国企業と覚書

【アロースター】 ケダ州営企業のペルモダラン・ケダ(PKB)は29日、ランカウイ島におけるリニアモーター(超電導磁気浮上)方式の軽便鉄道(LRT)開発に向けた事業化調査に関し、韓国のロイヤル・エコ・トレイン・デベロップメント(RETD)と覚書を交わした。

RETDとRETDのマレーシア側パートナーであるキュープレックスは技術面の課題、地理、現地経済への影響を調査する。調査は3-6カ月を要するという。
PKBのモハマド・アザド最高経営責任者(CEO)は「輸送インフラに革命を起こし、ランカウイ島の潜在性を100%開放する」と述べた。

RETDのイ・チャンウーCEOによれば、同社が扱うリニアモーターカーはランカウイの自然環境と調和するよう設計され、環境への影響が少なく、鉄道周辺の自然を本来の姿のまま維持することができるという。

リニアモーターカー計画に対し、国民信任党(Amanah)のマーフズ・オマル党首補は水不足問題を挙げ、ムハンマド・サヌシ州首相は5つの浄水場の改善と自動車レース・サーキットの完成を優先すべきと批判。狭いランカウイ島に鉄道は不要とした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月1日、エッジ、4月29日)

エアアジアカンボジア、航空運送事業許可を受領

【プノンペン】 格安航空会社エアアジアは1日、7社目となる航空会社、エアアジア・カンボジア(フライトコード=KT)が4月30日にカンボジア国家民間航空事務局(SSCA)より航空運送事業許可(AOC)を受領したことを明らかにした。当初の予定通り5月2日に運航を開始する。

当初はエアバス「A320」型機2機で、デイリーでプノンペン、シェムリアップ、シアヌークビルの3都市を結ぶ。スケジュールは「KT102」がプノンペン発7時40分、シェムリアップ着8時30分。「KT212」がシェムリアップ発9時15分、シアヌークビル着10時15分。「KT213」がシアヌークビル発10時50分、シェムリアップ着11時50分。「KT103」がシェムリアップ発12時35分、プノンペン着13時30分。「KT104」がプノンペン発15時50分、シェムリアップ着16時40分。「KT214」がシェムリアップ発17時15分、シアヌークビル着18時15分。「KT215」がシアヌークビル発18時50分、シェムリアップ着19時50分。「KT105」がシェムリアップ発20時35分、プノンペン着21時35分。

エアアジア・カンボジアは、需要と市場動向を慎重に評価した後、第3四半期にも国際線の乗り入れ先を発表する予定。エアアジア・アビエーション・グループ(AAAGL)のボー・リンガム最高経営責任者(CEO)は、3月のエアアジア・カンボジア運行開始発表の際に、向こう5年で機材数を60機に拡大する考えを示していた。
(ザ・サン、5月2日、ビジネス・トゥデー、5月1日、エアアジア発表資料)

マリーブラウン、カンボジアとウズベキスタンに進出へ

【ジョホールバル】 ハラル(イスラムの戒律に則った)認証取得ファストフード・チェーンのマリーブラウンは、年内にカンボジアとウズベキスタンに進出すると明らかにした。

マリーブラウンは2023年5月にオーストラリアのメルボルンに新店舗をオープン。シンガポール、モルディブ、スウェーデン、インドなどにも展開しており、国内外で500店舗を運営している。

デビッド・リュー最高財務責任者(CFO)は、カンボジアとウズベキスタンへの店舗拡大は、国際市場におけるマリーブラウンの認知度向上を反映したもので、国内でもジョホール州、クアラルンプール、トレンガヌ州、パハン州、セランゴール州の5カ所に新店舗を開店するなど、国内外の両方での展開を進めていくと述べた。社会貢献にも取り組んでおり、ラマダン(断食月)には全国店舗で2万食の粥やチキンバーガーを配布し、孤児や下から40%を占める低所得者層(B40)層にも寄付金を届けたとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、5月1日)

ラピッドレール、全駅でデビットおよびクレカ決済が可能に

【クアラルンプール】 首都圏クランバレーで軽便鉄道(LRT)と大量高速輸送(MRT)、クアラルンプール(KL)モノレールを運行しているラピッド・レールは4月30日、運行路線のすべての駅でデビットカードとクレジットカードが使えるようになったと発表した。これまでは乗車券購入には現金とQRコード決済のみが使用可能だった。

デビットカードとクレジットカードを使用して乗車券の購入ができるほか、乗り放題パス「My50」や「MyCity」の新規購入や追加購入もできるようになる。またパサ・セニ駅の交通ハブとMRTコンレー駅にある、高齢者・学生向け割引カード登録カウンターでも使用できるという。

ラピッド・レールは声明の中で、利用者の利便性や購入プロセスの効率を高めることを目的としたものだと説明。決済プロセスがより安全かつスムーズになるため、現金を持ち歩いたりATM機を探したりする必要がなくなると説明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、5月2日、フリー・マレーシア・トゥデー、5月1日)

大阪製鉄が2製品でSIRIMエコラベルを取得、環境配慮で

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 大阪製鉄(本社・大阪市中央区)は4月26日、同社の等辺山形鋼、溝形鋼の2製品が、マレーシアの主要な試験、検査、認証機関である SIRIM QASインターナショナル認証のSIRIMエコ・ラベリング(SIRIMエコラベル)を取得したと発表した。

マレーシア国外の製鋼圧延一貫鉄鋼会社において、SIRIMエコラベルを取得したのは大阪製鉄が初となる。

SIRIMエコラベルは、マレーシアの国家公式のタイプI 環境ラベル(ISO14024 に基づく環境ラベル)であり、これを取得することにより、環境を優先する市場において、類似製品よりも競争上の優位性が与えられることになるという。登録されたグリーン製品及びサービスは、政府や民間のグリーン調達、グリーンインセンティブ(グリーン投資税控除やグリーン所得税免除を含む)および関連するグリーンテクノロジーイニシアチブに用いられている。

大阪製鉄は、二酸化炭素総排出量について、「2030年に対2013年比で 30%削減する」というターゲットと「2050年にカーボンニュートラルを目指す」というビジョンを掲げ、その実現に向け全社をあげて取り組んでいる。今後も鉄スクラップを鉄鋼製品にリサイクルする事業活動を通じ、環境負荷低減及び地球環境保全に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していく方針だ。

チャージシニ、プトラジャヤのコンドにEV充電施設を設置

【クアラルンプール】 電気自動車(EV)充電施設整備・運営のチャージシニは4月27日、プトラジャヤでは同社初となる住宅用EV充電施設をタマラ・レジデンスに開設したと発表した。

22キロワット(kW)を供給できる8基のサンギテック社のAC(交流)充電器を備えており、コンドミニアムのタワーAからタワーDまでの4カ所に充電器を2基ずつ設置。タワーBの充電器のみが住民専用で、その他3カ所は一般の利用も可能となっている。

チャージシニでは、充電完了後に車両を移動しない場合、5分ごとに1リンギ(1時間あたり12リンギ)の追加料金を課しているが(2基が両方とも使用されている場合)、一晩中EVを充電する場合、毎日午前12時から午前9時まではこの料金が免除される。このため、居住者が夜間にEVを充電するのに適しているという。充電料金は1キロワット時(kWh)あたり0.99リンギとなっている。
(ポールタン、4月29日、ソヤチンチャウ、4月28日、チャージシニ発表資料)

マレーシア航空委、5月からKLIAで待ち時間を測定へ

【セパン】 マレーシア航空委員会(MAVCOM)は、国内空港と航空会社のパフォーマンスを測定する空港サービス品質(QoS)フレームワークを導入すると発表した。5月から、クアラルンプール国際空港(KLIA)ターミナル1とターミナル2で、待ち時間などのサービス品質をチェックする。

MAVCOMのサリプディン・カシム会長は、空港QoSフレームワークは空港利用者の体験を向上させるためのもので、保安検査、入国審査、出国審査、乗り換え審査、税関審査などで測定を行うと述べた。また、MAVCOMのWebサイト上で航空会社の定時運航率(OTP)、フライトキャンセル、空港のサービス品質などを公開することで、透明性を確保し継続的な改善を目指すとした。乗客は情報に基づいた選択をすることができるようになり、航空会社や空港は一貫してサービス水準を向上させることができるという。

空港QoSフレームワークはKLIAでは2018年9月から、コタキナバル国際空港とランカウイ国際空港では2023年7月から導入されている。2024年第3四半期にクチン国際空港、ミリ国際空港、セナイ国際空港での導入を予定しており、他の国内空港にも2027年までに段階的に導入される予定だ。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、4月29日)