QRコードによる入国審査を6月より開始、陸路国境2カ所で

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は27日、6月1日から、シンガポールとの陸路国境にあたるジョホール州バングナン・スルタン・イスカンダル(BSI)およびスルタン・アブ・バカル・コンプレックス(KSAB)での入国審査において、パスポートの代わりにQRコードを利用できるようになると正式に発表した。

同氏によると、QRコード入国審査は3段階に分け導入する。第1段階ではバスとオートバイを利用するマレーシア国民に対象を限定し、3カ月間実施する。第2段階では自家用車利用者、第3段階ではシンガポール人や他外国人に対象を拡大する。

バス利用の場合、ピーク時のBSIでの待ち時間は現状120分だが、15分に短縮でき、KSABでも90分から15分への短縮となる。オートバイの場合はBSIで40分から30分に、KSABでは45分から30分に短縮できる見込みだ。QRコードは、「マイセジャテラ(MySejahtera)」、「マイトリップ(MyTrip)」、「マイデジタルID(MyDigital ID)」アプリから利用できる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、5月27日)

UMWトヨタ、新型レクサス「LM」を発表

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは27日、レクサス・ブランドの新型MPV(多目的車)「LM」をマレーシア市場に投入すると発表した。

「LM350h」は、2.5リッターのダイナミックフォース自然吸気ガソリンエンジンとフロントマウントの電気モーターを搭載し、ガソリンエンジンでは最高出力190馬力(PS)、最大トルク239ニュートンメートル(Nm)を発揮。電気モーターは182PS、270Nmを発揮する。総出力は250PSで、最高時速は190キロメートル(km)。保険なし価格は122万8,000リンギ。

「LM500h」は、2.4リッターのT24A-FTSターボエンジンとデュアルモーターを搭載し、ターボエンジンでは最高出力275PS、最大トルク460Nmを発揮。デュアルモーターのフロントモーターは87PS、292Nm、リアモーターは103PS、169Nmを発揮し、総出力は371PSで、最高時速は185km。保険なし価格は146万8,000リンギ。

ボディカラーは全4色。2019年に発売された初代「LM」は東アジア市場のみの販売だったが、第2世代となる新型「LM」は欧州市場を含め、グローバル展開されている。
(ポールタン、ジグホイールズ、モタオート、5月27日)

コクヨ、東南アジア初の直営店をスターリングモールで開設

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 コクヨ(本社・大阪府大阪市)は25日、東南アジア初となるコクヨ文具の直営店「キャンパス スタイル ザ・スターリング店」をセランゴール州ペタリンジャヤにあるショッピングモール「スターリング・モール」にオープンした。コクヨ直営店としては東南アジア初となる。

売場面積は91平方メートルで、営業時間は午前10時から午後10時。初日は女性を中心に200組を超える顧客が来訪し、イラストが描かれたノートなどを買い求めたという。

コクヨは、1997年のマレーシア現地法人立ち上げ以来、主にオフィス空間構築事業、家具の製造・販売を行ってきた。その後、2022年の調査や2023年に2回開催したポップアップストアを経て、新店舗の開設によりステーショナリー事業を本格的にスタートさせた。

SNSなどを通じた自己表現ニーズの高まりにより付加価値文具市場が拡大するなか、コクヨのステーショナリー事業は、顧客接点の強化によって市場を捉え、日本国内のみならず、グローバルへの領域拡張を進めている。特に、近年はアジア圏の経済成長の影響を受け学生の勉強熱が高まっていることを受け、2022年と2024年に上海に直営店をオープンした。

サイバーダインのサイボーグ50セット、リハビリ施設に導入へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ロボットスーツ製造販売のサイバーダイン(本社・茨城県つくば市)は27日、サイバニクス技術のマレーシア展開に向け、マレーシア政府関係者との会談を23日に同社本社で開催したと発表した。
マレーシアからは、アンワル・イブラヒム首相の訪日に同行したスティーブン・シム人的資源相や社会保障機構(PERKESO、SOCSO)のモハメド・アズマン・アジズ最高責任者(CEO)などが参加した。
会談では、シム大臣から、2024年末に運用開始予定の「PERKESO国立神経ロボット・サイバニクス・リハビリテーションセンター」における、装着型サイボーグ「HAL」50セット(65台)を含むサイバニクス製品の大型導入意向が表明された。単一施設へのHAL導入数としては世界最大となる。
サイバーダインは本会談の結果を受け、PERKESOとの間で、サイバニクス製品の導入に向けた協議を引き続き進めていく。
サイバーダインは、2018年にPERKESOが東南アジアで初めてHALを導入した後、マレーシア政府およびPERKESOと連携を強化し、サイバニクス治療の普及を推進してきた。現在、マレーシア国内12施設で114台のHALが稼働している。

NTTデータ、決済サービスのGHLシステムズを買収へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 NTTデータ(本社・東京都江東区)は27日、ペイメント事業拡大を目的に、マレーシアの決済サービスプロバイダーであるGHLシステムズの株式58.7%を買収すると発表した。今後、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)を通じて残余株の公開買付を提案していく。

GHLの買収により、東南アジア諸国連合(ASEAN)でのペイメント事業基盤を拡大する計画。GHLは1994年に設立されたマレーシアを代表する決済サービスプロバイダーで、マレーシアをはじめ、フィリピン、タイなどのASEAN地域で48万台以上の決済端末を設置し、各種決済サービスを提供している。

GHLを子会社化するとともに、NTTデータがペイメント分野で保有するサービスやノウハウを組み合わせることで、両社が事業展開する各国での消費者の利便性を高める。マレーシア国内では、Eコマースへの決済サービスで強みを持つ既存子会社のiPay88マレーシアとともに、加盟店店頭、Eコマースにおけるオムニチャネルへの対応を強化していく。

5Gネットワークのカバー率85%の目標を達成=デジタル省

【コタバル】 マレーシアで整備が進められている第5世代移動通信(5G)ネットワークが、人口集中地域におけるカバー率の目標である85%を達成した。クランタン州コタバルで行われたイベントに出席したデジタル省のロジ・モハマド事務次官が明らかにした。

ロジ氏は「コタバル・マイ・デジタル・ツアー」出席後に会見を行い、「5Gネットワークのカバー率は電話通信のために重要であるだけでなく、様々な業界でより大きな役割を果たす」と強調。「5Gは電話接続だけではなく、経済の触媒として機能する。5G通信があれば産業界は効率的なものになり、業界の成長を促進するのに役立つ」と述べた。

具体的には、ドローンを使用した農業における作物の監視や肥料の効果的な使用、公共交通機関においてはバスや鉄道、タクシー含むすべての交通システムの完全な統合が可能になるとし、医療分野では遠隔手術が可能になるとした。

同ツアーにはマレーシア・デジタル経済公社(MDEC)のサイド・イブラヒム・サイド・ノー会長とクランタン州地方自治体・住宅・保健・環境委員会の ヒルミ・アブドラ議長も出席した。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、5月25日)

イスラム式デジタル銀のイオンバンクが営業開始

【クアラルンプール】 イスラム金融式デジタル銀行のイオンバンク(マレーシア)が26日、サービスを開始した。マレーシア初のイスラム式デジタル銀行で、デジタル銀行ではGXバンクに次いで2行目。販促のため各種の優遇措置を提供している。

口座を開設できるのは18歳かそれ以上のマレーシア国民。口座開設には既存のほかの銀行に口座を開設している必要があり、20リンギ以上の口座間資金移動が完了するとイオンバンクの口座が利用可能になる。

申込者は希望の口座番号を指定できるが、最後の4桁は早い者勝ち。支払いに使うのはビザのデビットカード。カードが申込者に届くまで6-10営業日かかるため、イオンバンクはこの間も開設者が支払いを行えるよう、仮番号を提供する。デビットカードはQRコード「ドゥイットナウ」を利用した支払いが可能。

販促では年率3.8%の利益配分を行う。8月末までに口座開設した人に3,000イオンポイントをプレゼントする。200ポイントが1リンギ相当。

イオンバンクは預金保険制度のPIDMに加入しているため、預金は25万リンギまで保護される。
(ベルナマ通信、マレーシアン・リザーブ、5月26日、ソヤチンチャウ、5月23日)

KLやペタリンジャヤでまた街路樹が倒木、死傷者はなし

【クアラルンプール】 25日に首都圏で暴風雨が発生し、クアラルンプール(KL)やセランゴール州ペタリンジャヤの数カ所で街路樹が倒木した。KLでは5月7日、13日にも街路樹が倒れる事故が発生している。

セランゴール州消防救助局によると、SPRINT高速道路が倒木により塞がれたため、一部車線が封鎖され、一時2キロメートルの渋滞が発生した。駐車場で倒木の下敷きになった車もあったが、死傷者は報告されていないという。

クアラルンプール市政府(DBKL)は28本の木を「危険性が高い」と判断し伐採する予定で、セランゴール州ペタリンジャヤ市議会(MBPJ)も、市内の老木や危険性の高い木の検査を開始した。
(ザ・バイブス、5月26日、ザ・サン電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、5月25日)

首相訪日で14.5億リンギの投資、5.5億リンギの輸出を確保

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は24日、アンワル・イブラヒム首相の22ー24日の日本公式訪問により、14.5億リンギの潜在的投資、5.5億リンギの潜在的輸出を確保したと明らかにした。

ザフルル大臣は声明で、IHI、日清オイリオグループ、トクヤマ、住友商事、ENEOS、三菱商事、東京ガスなどの企業トップと会談を行ったとし、いくつかのプロジェクトは3年以内に実施され、マレーシアが半導体、再生可能エネルギー、グリーンテクノロジー産業において強力なエコシステムを構築するのに貢献すると述べた。

ザフルル大臣はまた、半導体、航空宇宙、化学・石油化学、デジタル経済、電気・電子、医薬品、グリーンテクノロジー、再生可能エネルギーなどの分野での日本からの投資を歓迎するとし、投資貿易産業省と傘下機関は、日本との互恵的なパートナー関係を促進するため、今後も協力を続けていくと述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、5月24日)

マ日国際工科院が28日に展覧会開催、連携オフィスも開所

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国際協力機構(JICA)マレーシア事務所は、マレーシア工科大学(UTM)マレーシア日本国際工科院(MJIIT)が28日、「マレーシア・日本産業イノベーション・エキスポ2024(MJIIX2024)」を開催すると発表した。

MJIIX2024は、産学官連携促進を目的としたイベントで、JICAおよびマレーシア日本人商工会議所(JACTIM)の共催で開催される。産業界からのナレッジシェアリングセッション、MJIIT研究室によるイノベーションコンペティション展示、ネットワーキングランチ、プレミアムレクチャーが行われるほか、参加企業の展示・就職フェアブース(日本関連企業・機関13社、マレーシア企業2社)も設置される。

またMJIIX2024のオープニングセレモニーの中で、「マレーシア・日本連携オフィス(MJL)」が正式開所する。MJLは、MJIITが2023年7月からJICAと取り組みを始め、教育研究においてマレーシアと日本、ASEAN(東南アジア諸国連合)の大学および産業界との連携拠点としての機能の確立を目指している。

JICAはMJIITにおいて2011年から円借款・技術協力プロジェクトを実施しており、2023年7月から2028 年7月までの第3フェーズの核として、このMJLを通じた大学および産業界との連携拡大を進めている。