福山通運、現地子会社の新倉庫がシャアラムで完成

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 福山通運(本社・広島県福山市)は、マレーシア子会社のE.H.ウタラ・ホールディングスが19日、セランゴール州シャアラムで建設していた新倉庫の竣工式を行ったと発表した。同社は2023年2月に起工式を実施していた。

声明によると、建設地はスバン工業団地内で、地上2階建て鉄筋コンクリートおよび鉄骨造、敷地面積1万5,523平方メートル、延床面積1万6,190平方メートルとなっている。

福山通運は、新倉庫の立地がマレーシア国内最大規模となるポートクランおよび首都クアラルンプールへのアクセスに優れ、物流拠点として需要の高い地区にあると強調。今後、東南アジア地域でのネットワークを更に強化するとともに、多様化する顧客ニーズに対応するためよりきめ細やかな物流サービスを提供していくとしている。

アンワル首相が訪日、岸田首相と会談

【東京】 アンワル・イブラヒム首相が22日夜から3日間の日程で日本を訪問した。昨年12月に次ぐ2回目の訪問となる。

モハマド・ハッサン外務相、テンク・ザフルル投資貿易産業相、スティーブン・シム人的資源相も同行した。

アンワル首相は、23日、第29回日経フォーラム「アジアの未来」で基調講演を行い、日本の岸田文雄首相と二国間会談を行った。会談では、ハイテク、エネルギー移行、環境協力、防衛・安全保障、能力開発、高等教育に関するマレーシアと日本の関係強化に向けた取り組みを確認。産業界トップとの会談も実施した。
(マレー・メイル、エッジ、5月22日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、5月21日)

首相の中央アジア3カ国訪問、24億リンギ相当の潜在的輸出確保

【クアラルンプール】 投資貿易産業省(MITI)は、5月15ー19日に行われたアンワル・イブラヒム首相の初のキルギス、カザフスタン、ウズベキスタンの中央アジア3カ国公式訪問により、24億リンギ相当のモノとサービスに関する潜在的な輸出を確保できたと発表した。

アンワル首相と共に3カ国を訪問したテンク・ザフルル投資貿易産業相によると、潜在的な輸出セクターは、電気・電子(E&E)、パーム油・パーム油製品、日用消費財(FMCG)、エネルギー・産業ソリューション、食品・飲料(F&B)、家具、 ハラル(イスラムの戒律に則った)製品・サービス、石油・ガス(O&G)、建材および建設、専門サービス、宝飾品などで、カザフスタンとウズベキスタンにおける個別の円卓会議で産業界の代表が確約した。

カザフスタンの首都アスタナでは同国のオルジャス・ベクテノフ首相とアンワル首相が共同議長を務め、鉱業、O&G、エネルギー、建設、FMCG、観光などの分野を代表するカザフスタン企業12社の著名なビジネスリーダー26人とマレーシア代表団による円卓会議が開催された。

ウズベキスタンのサマルカンドでは、同国のジャムシド・ホジャエフ副首相とアンワル首相が共同議長を務め、製薬、建設、不動産、O&G、小売、流通、金融サービスなどのウズベキスタンの大手企業やマレーシア企業の代表200人以上が参加するハイレベル・ビジネス・フォーラムが開催された。

このほかアンワル首相は、マレーシアの団体とカザフスタンおよびウズベキスタンの団体との間で8件の覚書(MoU)締結式に立ち会った。覚書の1つは、マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)とウズベキスタン商工会議所(CCIU)の間で交わされたもので、貿易促進、訓練・教育、研究開発に関する協力に向けたもの。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月21日)

通年の経済成長率、エコノミストは従来予想を維持

【クアラルンプール】 第1四半期のマレーシア国内総生産(GDP)成長率は前年同期比4.2%となり、ブルームバーグが意見を聞いたエコノミストの予想中央値(3.9%)を上回ったが、大方のエコノミストは通年の成長率予想(3.5-4.7%)を維持した。

シンガポール系UOB(大華銀行)は4.6%との通年予想を維持。成長要因として、世界的な半導体景気循環の改善、観光業の活況、インフラ事業など予算措置の実行を挙げた。不透明要素として補助金削減計画、地政学上のリスクがあるという。

政府系金融機関のMIDFは4.7%の成長予想を維持した。内需拡大はこの先も続くとみている。リスク要素として地政学・貿易上の緊張、米中経済の成長鈍化を挙げた。

市場・経済調査の英系キャピタル・エコノミクスはやや悲観的で3.5%の成長を予想。ほかの調査会社と異なり、GDPの60%を占める個人消費が減少するとみており、予定されている食品・燃料補助金の削減で下半期の物価は急上昇する可能性が高いとしている。求人数が減少傾向にあることも不安要因として挙げた。
(エッジ、5月17日)

プロトンが新EV名前当てクイズを開始、来年発売に向け

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、電気自動車(EV)販売子会社のプロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(プロネット)を通じ、同社が新しく発売するEVブランド名を当てるクイズを開始した。

6月5日まで開催され、賞金総額は8,000リンギ。応募は1人1回のみ。

プロトンは2025年にEVを発売開始する予定で、中国・吉利汽車との共同開発を発表していた。今回のクイズによると、新EVは、吉利汽車の「ギャラクシー」シリーズのような新しいサブブランドで発売され、販売はプロネットが担当する模様。クイズに用いられている画像は吉利汽車のコンパクトEV「ギャラクシーE5」のもので、「E5」がプロトンの新EVのベースとなると予想されている。

「E5」は今年3月に発表されたCセグメント・スポーツ車(SUV)で、プロトンの「X70」より一回り大きく、全長4,615ミリメートル(mm)、全幅1,901mm、全高1,670mm。シングルモーターを搭載し、最高出力は218馬力(PS)、最高時速175キロメートル(km)。
(マレー・メイル、ソヤチンチャウ、ポールタン、テックネイブ、ジグホイールズ、5月20日)

キャピタルA子会社、カンボジアで航空機整備の免許取得

【クアラルンプール】 格安航空業務などを展開するキャピタルAのエンジニアリング部門子会社、アジア・デジタル・エンジニアリング(ADE)はカンボジア民間航空庁から整備機関としての認証を受けたと発表した。航空機整備・補修サービスに携わる。

認証を受けたのはADEと現地企業シビライ・アジアとの合弁会社ADEカンボジア。プノンペン国際空港を拠点に業務を行う。ADEがマレーシア以外で事業免許を得たのは初めて。5月初旬に運航を開始したエアアジア・カンボジアやほかの航空会社の機体の整備に当たる。エアアジア・カンボジアもエアアジアとシビライ・アジアの合弁事業。

ADEのマヘシュ・クマル最高経営責任者(CEO)は、将来的にカンボジアのほかの空港でも保守・修理サービスを提供すると意欲を表明した。
(エッジ、5月20日)

クラリオンマレーシア、5G対応高度製造ラインを試験稼働

【クアラルンプール】 カーオーディオのクラリオン・マレーシアは、通信のYTLコミュニケーションズおよび電子機器受託製造(EMS)のシナジェンツとの協業により、国内初の第5世代移動通信(5G)対応高度製造ラインの試験稼働に成功したと発表した。

YTLの接続サービス「イエス」の大容量かつ超低遅延な5Gプライベート・ネットワーク(企業専用5G網)、仏ダッソー・システムズの次世代統合基幹業務システム(ERP)や製品ライフサイクル管理システム(PLM)を導入し、生産効率と品質の両方を向上させた。シナジェンツは、インテリジェント・スキャナー、スマート・ラック、X線自動カウンター、自律移動ロボットなどの5G対応製造ソリューションを提供。工場・倉庫の資材管理から最終製品の組立・配送まで自動化することで、人的ミスを最小限に抑えながら処理時間を70%短縮した。

YTLが米インテル、台湾QCTと共同で開発した「イエス5Gプライベート・ネットワーク」は、高速な接続を提供するだけでなく、世界標準に準拠した堅牢なセキュリティの実現に向け、インテルの最新CPU「ジーオン(Xeon)スケーラブル・プロセッサー」を採用し、トラフィックを専用5G網内で完結させているという。
(ソヤチンチャウ、デジタル・ニュース・アジア、5月20日)

ベルジャヤ、KLの高級高層住宅「タイムズスクエア2」を発表

【クアラルンプール】 コングロマリットのベルジャヤ・グループの不動産開発部門ベルジャヤ・アセットは28日、クアラルンプールの「ベルジャヤ・タイムズ・スクエア」に隣接する高級サービス・アパート「タイムズ・スクエア2」を開発すると発表した。

41階建てのタワーに629戸を開発する。488平方フィート(1ベッドルーム)から1,356平方フィート(3ベッドルーム)まで4つのレイアウトを用意する。販売価格は68万8,000ー265万リンギ。レベル7と41には、40mのインフィニティ・プール、サウナルーム、展望台、ハーブガーデン、バーベキューエリア、ドッグラン、多目的ホール、子どもの遊び場、ガーデンウォーク、屋外ジムなどの施設を備える。屋上専門レストランやドライブスルーを含む15の小売区画も併設する。ショッピングモール、サービス・アパート、屋内テーマパーク、ホテル、オフィスにより構成される既存複合施設「ベルジャヤ・タイムズスクエア」を補完するように設計されている。推定総開発価値(GDV)は6億2,500万リンギ。

ベルジャヤ・アセットの子会社ベルジャヤ・タイムズスクエア(BTS)のタン・ティーミン取締役は、「タイムズ・スクエア2」は2期に分け開発され、第1期の375戸の50%がすでに販売されたと述べた。第1期が完売し次第第2期の販売を開始する予定で、年内の完売を予想しているという。
(エッジ、マレー・メイル、5月18日)

クチンの自動交通システム3路線、27年末までに完全運行開始

【クチン】 サラワク経済開発公社(SEDC)の100%子会社サラワク・メトロは18日、クチン都市交通システム(KUTS)の中心となる自動高速輸送(ART)の3路線すべてが2027年末までに完全運行開始する予定だとフェイスブックへの投稿で明らかにした。

3路線は▽グリーンライン(ペンディン―ダマイ間30キロメートル=km)▽レッドライン(クチン・セントラル―ペンディン間、12.3km)▽ブルーライン(レンブス―ヒクマー・エクスチェンジ間、27.6km)――。

ブルーラインのパッケージ1(レンブス―ストゥトン間)の建設は2025年末までに完了する予定で、レッドラインの全区間は2026年末までに完了する予定だ。ブルーラインとレッドラインの乗換駅となるシンパン・ティガ地区にある駅の杭打ち工事も進められている。

これに先立つ13日、同州のリー・キムシン運輸相は、KUTS第1期は先月時点で20.65%完了していると言明。設備投資額は6億2,300万リンギに達しているとした。また最初の「ART H2」車両は今年第3四半期までに納入され、残りの37編成は段階的に納入される予定だと述べた。
(ボルネオポスト、5月18日)

【人生の知恵・仕事の知恵】 Whom do you want to choose?

Whom do you want to choose?

★5Sができない理由

以前、某社のマレーシア法人を5S研修の打ち合わせで尋ねた時のことです。面談した日本人の現地法人責任者の方が、「我が社でもっとも信頼できる人間です」とインド系の男性社員を紹介されました。

彼は弁舌爽やかに、いかに5Sを導入することがマレーシアで難しいかを話してくれました。

わかっているなら、やったらどうですか?と思わざるを得ませんでした。

★補佐役という誤解

現実的に言えば、多くの現地社員は、I come here to help Japanese と考えています。最終的には日本人が決断をして行動すると認識しています。

従って、日本人の「あいつは補佐役だ」という想いとは裏腹に、全ての決定事項に関わることを避けます。

当然、そのことは現場の現地社員の方が認識をしており、「あいつは日本人の顔色を伺っているだけだよ」と白けています。

そんな職場で一気通貫の運営などできるはずがありません。

★Mさんの思い出

その点、以前、シンガポールで某社の現地法人責任者をされていた現地社員のMさんは、リーダーとしても素晴らしく、また補佐役としても、優秀な方でした。

Mさんが現地法人責任者を就任させたのは、前任の日本人責任者Sさんでした。本社からは、「現地社員を責任者に任せたら、日本人の仕事がなくなるじゃないか」と反対がありました。

しかし、SさんはMさんの意思決定力をアピールして主張を譲りませんでした。本社はSさんの主張を受け入れ、Mさんは後任として就任しました。

Mさんは、その後、見事重責を果たされました。朝早くプラントを訪れ、現場を巡回して、メンバーの育成にも余念のない素晴らしい仕事ぶりでした。

Mさんは現場の叩き上げの方でした。上長にもはっきりと物申す人でしたので、Sさんという上長に出会わなければ、登用されていなかったかもしれません。

Mさんの件は、経営の現地化を考える上で、ヒントになります。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)