アミタ、サンウェイ大学でごみ分別回収の実証実験を実施へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 資源リサイクルのアミタグループ(本社・京都府京都市)は、1日付けで海外統括会社アミタ・サーキュラーデザイン(ACD)が、ごみ分別回収の実証実験に向けてサンウェイ大学と基本合意書を締結したと発表した。

アミタの「めぐるステーション(MEGURU STATION)」(互助共助コミュニティ型資源回収ステーション)を大学内に設置し、約7カ月間の実証実験を行う。同ステーションの海外設置は初となる。実証を通じて、マレーシアにおける一般廃棄物の分別回収のポテンシャル調査と、利用者の行動変容に関する知見の蓄積に取り組む。

アミタグループは、2017年よりマレーシア国内で、現地製造業から排出される指定廃棄物の100%再資源化事業を行っている。指定廃棄物の資源循環ニーズは増加傾向にある一方、一般廃棄物については、分別回収に対する個人の意識差が大きく、リサイクル率の向上に課題を抱えているという。

アミタグループは今後、「めぐるステーション」を活用した資源循環システムの構築を図るとともに、海外での社会デザイン事業の展開を目指すとしている。

サバ海域では基準値超える放射性物質は検出されず=UMS

【コタキナバル】 マレーシア・サバ大学(UMS)ボルネオ海洋研究所のファイハンナ・チン・アブドラ所長は、サバ州海域で基準を超えた放射性物質は検出されていないと指摘。福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出後も同州海域は安全だとして心配しないよう州民に呼びかけた。

10日に行われた「核の安全な使用」と題するイベントの開幕式に出席したファイハンナ氏は、国内海域の放射能レベルを監視するために、同州セパンガルのUMS桟橋にはガンマ線スペクトル水監視ステーション(GSWMS)が設置され、昨年、UMSと科学技術革新省が放射能レベルを監視したが、基準を超える放射性物質は検出されなかったと言明。水産業の拠点であるサバ州にとってこれは喜ばしいことだと述べた。

ファイハンナ氏はまた、福島原発処理水の最初の放出は事故から11年経った2023年だったが、放射線レベルは極めて低く、安全基準値の50分の1以下だったと指摘。「排水が太平洋に放出されると、すべて海水に混じるが、福島からサバ州に届くまでには、かなりの時間が必要になるだろう」と述べた。

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、マレーシア保健省は先ごろ、高リスクとされた日本食品に対する検査レベルについて、放水開始前の水準である「レベル3(モニタリング検査)」に戻した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月11日)

レギュラーガソリン補助合理化、実施は早くで第4四半期の見通し

【クアラルンプール】 政府は10日、補助金なしのディーゼル油(軽油)価格を1リットル3.35リンギに設定し即日施行したが、国民の関心が集まっているのは消費者への影響がもっと大きいレギュラーガソリン(RON95)の補助合理化に伴う価格設定だ。

金融大手CIMBの調査部門は、政府はRON95価格の調整を10月11日の来年度予算案の上程に合わせ行うとの見通しを示した。

軽油補助の対象となる個人(国民)および小規模農家からの補助金申請が今後増えるため、財務省は当面その処理に忙殺されることと、軽油補助合理化が消費者物価指数(CPI)にどの程度影響を与えるかを見極める必要があるためだという。

RON95補助の合理化で小売価格が10%引き上げられれば、CPIを0.5ポイント(軽油の場合は0.002ポイント)押し上げると推測される。RON95補助合理化が家計の購買力に与える影響が軽油より大きいことから、政府は慎重に事を運ぶと考えられるという。

シンガポール系UOB銀行の調査部門は、ガソリン補助合理化の時期は、軽油補助合理化がもたらす影響と、ガソリン補助受給資格を判断するデータベースプラットフォームの準備状況に左右されるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月11日)

 

マーケティングのラバブル、マレーシア法人を設立

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マーケティングを手掛けるラバブルマーケティンググループ(LMG、本社・東京都港区)は10日、マレーシア法人ラバブルマーケティンググループ・アジアを1日付けで設立したと発表した。

LMGは東南アジアにおけるマーケティング施策を積極的に行っており、マレーシアではヴィダ、プログレッソの2社と協業で2023年8月に日本の飲食店のマレーシア進出を支援する「お試し出店サービス」を開始。同10月には同サービスの展開促進に向け、合弁会社「テイスト・フード・ジャパン」を設立している。またタイの広告代理店DTK ADを連結子会社化し、タイを中心に東南アジア地域6カ国においてSNSマーケティング事業を展開している。

LMGはマーケティング活動推進において東南アジア全域に対しての包括的な拠点が必要と判断し、マレーシア法人を設立することを決定したという。今後もさらなる事業の拡大を目指す。

プロドゥア、ECRLを活用した自動車輸送に向け覚書締結

【クアラルンプール】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は10日、東海岸鉄道線(ECRL)建設の推進母体であるマレーシア・レール・リンク(MRL)との間で、自動車・自動車部品の輸送に関する覚書(MoU)を締結した。

ECRLを利用した、マレーシア半島西海岸―東海岸間の自動車・自動車部品の輸送の可能性を検討する。鉄道を利用した貨物輸送は、トラックによる輸送よりも効率的で環境にも優しいという。MRLはクアンタン港を運営するクアンタン・ポート・コンソーシアムとの間でもMoUを締結した。

プロドゥアのザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、セランゴール州セレンダ工場から東海岸、サバ州、サラワク州への自動車本体輸送にECRLを活用すると述べた。部品については、ほとんどが日本から海上輸送されるが、ECRLが東海岸と西海岸を結ぶことで、クラン港よりも日本に近い東海岸のクアンタン港を利用できるようになり、海上輸送の距離を縮められるとした。

ECRLは、クランタン州コタバルとセランゴール州クラン港を結ぶ全長665キロメートル(km)の路線。コタバルからクアラルンプール・ゴンバク統合輸送ターミナルまでの区間は2026年12月までに完成し、2017年1月に運行を開始する。ゴンバク統合輸送ターミナルからクラン港までの区間は2027年12月までに完成し、2028年1月に運行開始する予定だ。
(ポールタン、ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、6月10日)