第1四半期の国内観光客数、前年比19%増加=統計局

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は12日、2024年第1四半期の国内観光に関する調査を発表。国内観光客数は5,860万人となり、前年同期(4,930万人)から19.0%増、前期(5,500万人)から6.5%増となった。

観光客の支出額は241億リンギで、前年同期(192億リンギ)から25.3%の大幅増加、前期(238億リンギ)からも1.2%の増加となった。

観光関連産業の指標は、テーマパークが前年同期比で20.6%アップ、前期比では7.8%のマイナスとなった。宿泊施設は前年同期比12.2%。前期比1.1%と共にプラスとなった。

5つ星のホテルは前年同期比3.3%、前期比0.2%それぞれアップ。4つ星は前年同期比プラス0.2%、前期比ではマイナス0.1%。3つ星は前年同期比20.7%増、前期比はマイナス0.3%となった。

国内空港到着者数は前年同期から2.4%、前期から2.6%共にマイナスとなった。燃料販売は、前年同期比2.8%、前期比1.1%共に上昇した。

対シンガポールドルのリンギ相場、さらに上昇の可能性

【クアラルンプール】 マレーシア通貨リンギの相場がここ数カ月、シンガポール(S)ドルに対し値上がりしており、年末までには1Sドル=3.43/3.45リンギまで上昇すると著名エコノミストが予想している。

バンク・ムアマラット・マレーシアの主任エコノミストであるモハマド・アフザニザム氏は、リンギ需要増大の要因として、外国直接投資(FDI)のマレーシアへの流入、特にジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)への流入を挙げた。

アフザニザム氏は「著名企業が同特区などへ投資し、マレーシア資産への関心が高まっている」と述べた。現在、相場は1Sドル=3.4868リンギ前後で推移している。

ただリンギ上昇が持続するかは外部要因、特に米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に左右されるという。

米労働市場の重要指標である非農業部門の賃金は伸びに加速が見られており、FRBが早期に利下げするとの観測が後退した。利下げ延期は世界の外為市場に影響を及ぼすという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月12日、エッジ、マレーシアン・リザーブ、6月11日)

景気後退にあると考えるマレーシア国民が68%=イプソス調査

【クアラルンプール】 成人の68%はマレーシアが景気後退にあると考えていることが、市場調査・世論調査のイプソスの調査で分かった。

イプソスは3月下旬から4月上旬にかけマレーシアで18歳かそれ以上の成人500人余りから意見を聞き取り、ほかに33カ国で75歳以上の2万4,801人をオンラインで調査した。マレーシア人の3人に1人は、国内インフレ危機はほかの国より深刻だと回答。何とか家計をやりくりしているとの回答は半数に達した。

調査報告は「経済状態に関する国民の受け止め方と経済統計が一致していない。国民に正確な情報が伝えられ家計についての懸念を和らげることが重要だ」とした。

国内経済は昨年通年で3.7%成長し、今年第1四半期は4.2%の成長だった。消費者物価上昇率は昨年が2.5%で、今年は2-4月までの3カ月間、1.8%の低水準を維持している。

不自由なく生活できている、との回答はマレーシアが26%だったのに対し、インドネシアは39%、シンガポールは45%だった。自国が景気後退にあるとの回答も、タイは66%、インドネシアは50%、シンガポールは32%で、マレーシアの68%が東南アジアでは最高だった。
(エッジ、マレー・メイル、6月13日)

建設業界、資材運搬車両へのディーゼル補助金適用を要請

【クアラルンプール】 今月開始されたディーゼル補助金の合理化について、建設業界が補助金対象を建築資材の運搬車両にも拡大するよう訴えている。

40社が加盟するマレーシア建設請負業者協会(MBAM)とマレーシア・ブミプトラ建設請負業者協会(PKBM)は、対象を絞った補助金制度の実施が昨年末に発表されていたことを認めた上で、建設業界を支える物流業者への影響を緩和するための明確な説明が必要だと強調。連邦政府に対し、ディーゼル補助金の対象となる輸送手段のリストに、建築資材やクレーンを輸送する車両を含めるよう訴えた。

MBAMとPKBMによると、採石製品や生コンクリートなどの建設資材のコストが上昇し、建設契約の大半が固定価格の一括払いであるため業界に影響を及ぼしているという。

その上でMBAMとPKMBは、建設資材やクレーンの運搬車両にも割引価格で燃料を購入できるフリートカード(営業車用法人カード)を発行するよう要請。これにより建設業者、特に小規模建設業者における将来の建設コストの管理が可能になり、燃料補助金合理化との間のバランスをとることができるようになると指摘した。

ディーゼル価格は対象を絞った補助金制度の実施に合わせて、今月10日付けで1リットル当たり2.15リンギから3.35リンギに引き上げられたが、これを受けてコンクリート生産者が早速値上げに踏み切ったという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月13日)

ダイハツ系プロドゥア、半島東海岸で部品ハブ設立を計画

【クアラルンプール】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は、建設が進められている東海岸鉄道線(ECRL)を活用し、半島東海岸にスペアパーツの地域ハブを設立する計画だ。

ザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、13日に開催された国家投資セミナーの「ECRL@セランゴール―経済的利益と機会」と題したパネルセッションに出席。ハブの開設場所はパハン州クアンタンになる可能性が高いが、東海岸の他の場所も検討中だとした上で、「新車のハブというだけでなくスペアパーツや中古車のハブとしても、東海岸の顧客にとって有益なものになるだろう」と述べた。

またザイナルCEOは、周辺に鉄鋼製品の流通拠点や鉄鋼完成品の製造拠点が設立される可能性があるセランゴール州プンチャック・アラム駅に言及。同駅の鉄鋼ハブは、自動車産業で必要とされるスタンピングおよび射出成形プロセスのサブセットである工具、金型、ダイなどの自動車関連の鉄鋼ベースの事業活動に対する海外からの投資を誘致するのに役立つ可能性があるとし、トラック輸送から鉄道輸送への移行が可能になれば大幅なコスト削減が見込まれると述べた。

プロドゥアは10日、ECRL建設の推進母体であるマレーシア・レール・リンク(MRL)との間で、自動車・自動車部品の輸送に関する覚書(MoU)を締結した。自動車・自動車部品の輸送の可能性を検討するという。

ECRLは、クランタン州コタバル―セランゴール州ゴンバック統合ターミナル間は2026年12月までに建設が完了し、2027年1月から運用が開始される予定。ゴンバック―ポートクラン間は2027年12月までに完成する予定で、2028年1月以降に全面開通する見込みだ。
(ザ・スター、6月14日)