【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水利転換相は、「ロンドン気候行動週間」イベントのハイレベル対話セッションで講演し、「2035年までに既存の石炭火力発電所を50%削減し、2044年までに完全廃止を目指す、新たな段階的廃止計画を策定した」と述べた。
マレーシア政府は昨年7月に「国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)」を発表し、2050年までに再生可能エネルギー(RE)による発電率を70%に増やし、2045年までに石炭火力発電所を全廃する目標を掲げており、今回のファディラ氏の発言は目標達成を1年前倒しにする格好となる。
NETRによると、2020年時点で国内の一次エネルギー供給量(TPES)の26.4%を石炭が、42.4%を天然ガスが占めており、再生可能エネルギーは3.9%だった。NETRのエネルギー移行計画では、天然ガスが石炭に代わるエネルギー源と見込まれており、2050年までにTPESの半分以上を占めることになっている。
ファディラ氏は「マレーシアは、世界の排出量のわずか0.8%を占めるにすぎないにもかかわらず、2050年までにネットゼロ排出を達成することを約束している。しかし、気候変動の緩和に向けた我々の取り組みが極めて重要な役割を担っていることを認識し、国内排出量のほぼ半分を占める石炭火力発電からの移行を意識的に進めている」と述べた。
(エッジ、6月25日)