花王、蚊よけクリーム「モスブロックセラム」をマレーシアで発売

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 花王(本社・東京都中央区)は13日、独自技術を盛り込んだ蚊よけクリーム「ビオレガード・モスブロックセラム」を7月からマレーシアで発売すると発表した。

「ビオレガード・モスブロックセラム」は、独自のアンチ・ランディングテクノロジーを搭載した蚊よけクリーム。蚊の脚の構造に着目し、肌の表面を蚊がとどまりにくいように整えることで、蚊に刺されることを防ぐ技術を応用した。ボディローションのような軽いつけ心地で肌にうすく伸ばすことができ、べたつかず快適な使い心地だという。

香りはフレッシュラベンダーとスウィートブロッサムの2種類で、蚊よけ効果は8時間持続する。容量は100グラムで、価格は24.90リンギとなっている。

花王は、デング熱の発生が年々深刻となっているマレーシアでデング熱被害の削減に向けた「GUARD OUR FUTURE」プロジェクトを開始する。セランゴール州及び武田薬品のマレーシア法人と協同で蚊から「未来のいのちを守る」取り組みを行っていく。

リンギ相場安定のため一段の措置を模索=中銀副総裁

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のアドナン・ザイラニ副総裁は12日、BNM主催のシンポジウムで、リンギ相場の安定を図るため、現在行っている以上の対策がないかを探っていると明らかにした。

アドナン氏は「相場が経済の基礎的条件を反映するよう、われわれの期待どおりのリンギ相場になることが重要だ」と語った。リンギが今年2月、26年ぶりの安値に落ち込んで以降、政策決定者はリンギを支えるため協調的措置を講じており、最近は相場が安定している。BNMは外貨収入のある企業に、国内送金とリンギへの両替を働き掛けている。両替を通じリンギ需要を増やし、リンギの価値上昇につなげる。

アドナン氏はまた、燃料補助合理化による補助の一部削減が物価、経済成長に与える影響について、金融政策面からの対処が必要かはこれからの検討課題だとした。

輸出収入の60-70%はリンギで保持されているが、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のアブドル・ワヒド会長は「ほかの国と比べると低水準だ。多くの輸出業者は依然、外貨での保持を好む」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月13日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月12日)

プロトンが新EVブランド「e.MAS」発表、5車種を発売へ

【スバンジャヤ】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは12日、同社の新たな電気自動車(EV)ブランド名「e.MAS」とロゴを発表。同新ブランド名で、EV5車種を発売予定であることを明らかにした。

新ブランド名は「Electrifying Malaysia(マレーシアの電化)」の略で、EVを表す「e」と、マレーシアの略語である「MAS」を組み合わせたものだという。

5車種はいずれもグローバル・モジュラー・アーキテクチャ(GMA)プラットフォームを使用したもので、プロトン販社、プロトン・エダルのロスラン・アブドラ最高経営責任者(CEO)は、新ブランドの最初のEVモデルは2025年までに発売される予定だと言明。「発売時期はまだ決まっていないが、最初のモデルは2025年初頭かそれより早くなるかもしれない」と述べた。

その上でロスラン氏は、 「プロトンEVに対する一般消費者需要に基づいて、今後EVをさらに発売するかどうか決定する」と言明。「現在市場に出回っているEV車のほとんどが10万リンギ以上の価格であることに留意している」とし、「e.MAS」ブランドは適切な価格設定にすると述べた。
(ポールタン、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、6月12日)

燃料価格上昇で観光バス会社が悲鳴、政府が支援策を検討

【プトラジャヤ】 ディーゼル補助金合理化がスタートしたことにより6月10日から大幅に値上がりした燃料価格に観光バス会社が悲鳴を上げており、ファーミ・ファジル通信相は業界に対して何らかの支援策を検討する考えを示した。

ファーミ氏は、燃料価格高騰に対する観光バス事業者の懸念を政府は認識していると言明。「補助金廃止発表は観光バス事業者がある取り決めをしていた時期に行われたため、政府はこのグループを支援できる仕組みを新たに検討するつもりだ」と述べた。

観光バスが対象を絞った補助金制度の対象から外れたことにより、業界ではコストが15―30%上昇すると懸念している。すでに取り決めた旅行代理店との料金を簡単に見直すことができないため、損失を被る必要があるという。

約150社が加盟する半島部観光バス運行協会のスティーブン・チョン会長は、運営コストが最大30%上昇するとした上で、6月11日に観光芸術文化省に善処を求める陳情書を提出したことを明らかにした。

マレーシア観光連盟のタン・コックリャン会長は、半島部における観光サービスのコストが27%上昇すると予想した上で、「ツアーオペレーターは以前に旅行代理店と約束した料金を遵守することになるが、そうなれば我々の側が損失を被ることになる」と述べた。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、6月13日)

ガソリン補助金合理化、ディーゼルの影響みて実施=第2財相

【クアラルンプール】 ディーゼルに続いて予定されているレギュラーガソリン「RON95」の補助金合理化について、アミル・ハムザ第2財務相は、先に実施したディーゼル補助金合理化による影響が落ち着いた後になるとの見通しを示した。

アミル氏は実施後の影響を見る必要性から、現在は対象を絞ったディーゼル油補助金制度の完全実施に注力していると言明。「影響が収まれば次に為すべきことが分かる」と述べ、「RON95」の合理化はディーゼル油合理化プロセスが完了した後になるとの見方を示したが、具体的な実施日程には触れなかった。

「RON95」の補助金合理化については、先にメイバンク・インベストメント・バンクが、2024年度予算に基づき41億リンギの補助金歳出削減を達成したいのであれば、「RON95」の合理化を7月から開始する場合は補助金なしの小売価格を15.6%、金額にして1リットル当たり32セン、10月から開始する場合は31.7%、65セン、それぞれ引き上げる必要があると報告している。現在の補助金付き価格は2.05リンギ。

またアミル氏は、ディーゼル補助金合理化の影響について、公共交通機関の事業者が補助金価格でディーゼル燃料を購入できると強調。高速バス、スクールバス、救急車、物流輸送会社が含まれるとし、「彼らも補助金価格で燃料を購入しているため、価格への影響は限定的だ」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月13日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、6月12日)

AIデータセンター建設に特別優遇措置、デジタル転換を加速

【クアラルンプール】 政府は11日の国家投資委員会(NIC)会合で、AI(人工知能)データセンターの建設に対し特別優遇措置を提供することを決めた。投資貿易産業省傘下のマレーシア投資開発庁(MIDA)が優遇措置の枠組みを決定する。NIC議長であるアンワル・イブラヒム首相、テンク・ザフルル投資貿易産業相がX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。

2021年から23年までのデータセンターおよびクラウド関連投資(認可ベース)は、1,147億リンギで、データエンジニア、サイバーセキュリティアナリストなど2,325人のハイテク領域の雇用機会が創出された。

特別優遇措置では現在の優遇措置に加え、電力や水消費の少ない機器の使用、データセンターに対する再生可能エネルギー(RE)の提供などの便宜を図る。
アンワル首相は投稿で「AIデータセンターへの投資誘致に政府全体で取り組むことを強調した」とした。投資はデジタル化の加速という政府目標の達成に役立ち、高所得経済への移行にも貢献するという。

AIデータセンターは、生成AIの開発や、そのほかのAI関連事業に活用される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、6月11日)

米MKSインスツルメンツ、ペナンに半導体製造工場を建設へ

【クアラルンプール】 半導体製造装置メーカーの米MKSインスツルメンツは11日、ペナン州にウエハー製造装置工場を設立すると発表した。2025年初頭に起工し、3期に分け建設を行う。

MKSは半導体製造、エレクトロニクス、パッケージング、特殊産業用に基盤技術ソリューションを提供している。

同社のジョン・T・C・リー社長兼最高経営責任者(CEO)は声明で、顧客企業やサプライヤーが集積しており、強固な技術インフラを有するペナンは半導体エコシステムの本拠地だとし、半導体製造装置分野におけるリーダーとしての地位強化を目指すMKSは、マレーシアでの事業拡大を重視していると述べた。

ペナン州のチョウ・コンヨウ首相は、ペナン州は産業エコシステムが発達しており、次世代技術や成長戦略における産業界のニーズをサポートする能力を備えていると強調。MKSのペナンにおける半導体製造装置生産は、「より多くの高価値の雇用機会を創出し、世界の半導体バリューチェーンを向上させる」という州の目標にも合致していると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、6月11日)

UMWトヨタ、5月の販売台数は前月比15%増の8422台に

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、2024年5月の新車販売台数(トヨタとレクサスの合計)が8,422台となったと発表した。「ヤリス」の限定車発売と「ヴィオス」の好調な販売が寄与した。

前月の7,345台からは15%増、前年同月の8,004台からも5%の増加となった。1―5月の累計販売台数は3万9,211台となった。

UMWトヨタは先ごろ、教育省と連携して第23回「トヨタ・エコ・ユース(TEY)」プログラムを開始した。同プログラムは環境問題について若者を教育し、持続可能なソリューション開発への参加を促すことに重点を置いたもので、2001年の開始以来、521校から30万人以上の学生が参加している。

UMWトヨタはまた、マレーシア国立がん協会(NCSM)支援のためのチャリティーラン・イベント「トヨタ・スタート・ユア・インポッシブル・アウトラン2024」を6月23日にクアラルンプール(KL)のムルデカ広場で開催する。
(ジグホイールズ、ビジネス・トゥデー、6月11日)

セブン銀行、セランゴール州にATM1号機を設置か

【クアラルンプール】 セブン銀行はマレーシア初のATMを10ー12月にセランゴール州内に設置する模様だ。英字紙「ザ・サン」が関係筋の話として報じた。
セブン銀行は5月30日付で4社共同出資により、マレーシア現地法人を設立している。海外グループ会社を構えるのは、米国、インドネシア、フィリピンに次いで4カ国目となる。

セブン銀行は声明で、「マレーシアの2023年国内総生産(GDP)成長率は3.7%で、若い世代の割合が高く、人口ボーナス期は2050年まで続くと予想されており、現金流通量も年々増加していることから、マレーシアを有望なアジア市場のひとつと位置づけている」と述べた。マレーシアでは、日常的に現金で支払う人の割合が7割を超えており、ATMを利用した平均引き出し回数も日本や他のアジア諸国に比べて多いという。また、ATMの設置総数は約1万5,000台だが、人口100万人あたりのATM設置台数は446台に過ぎず、ATM事業の成長が期待できるとしている。

セブン銀行は、セブンイレブンの店内に紙幣還流型ATMを設置することを目指しており、順次ATMを設置していく方針だ。
(ザ・サン電子版、6月10日)

武田薬品、マレーシア初のデング熱ワクチンを発売

【クアラルンプール】 武田薬品工業の現地法人である武田マレーシアは11日、デング熱ワクチン「キューデンガ(QDENGA)」の国内販売を開始した。デング熱ワクチンとしてはマレーシア初となる。

4種すべてのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的としたもので、4歳以上が接種可能。3カ月間隔で2回の接種が必要となる。私立病院やクリニックで接種可能となっており、価格は医療機関が決定する。保健省と協力の上、公的医療部門へのワクチン提供も検討しているという。

「QDENGA」は欧州連合(EU)、英国、ブラジル、アルゼンチン、インドネシア、タイ、ベトナムなど30カ国以上で承認されている。臨床試験では、ワクチン接種12カ月後の時点で、症候性症例の80.2%を予防し、4年半後時点では、入院の84.1%、症候性症例の61.2%を予防した。

マレーシアの昨年のデング熱感染者数は前年比86.3%増と急増しており、今年第1四半期の感染者数は4万1,565人、死者は28人に達している。
(ザ・スター電子版、6月11日)