車載電子部品製造のベータメック、三信の買収を完了

【クアラルンプール】 自動車向け電子部品製造サービス(EMS)のベータメックは6月28日、三信電気(本社・東京都港区)の現地法人で、チューナーやカーステレオの製造に携わる三信エレクトロニクス(マレーシア)の買収を完了したと発表した。買収額は1,340万リンギ。

ベータメックは、三信エレクトロニクス(マレーシア)の完全子会社化によりベータメックの顧客基盤が大幅に拡大し、市場での存在感がさらに強固なものとなるとしている。

ベータメックのムハンマド・ファウジ専務取締役は、三信の専門知識や市場での存在感を統合することで、顧客基盤の多様化と製品ラインナップ拡大が可能になるとし、今回の買収は「自動車エレクトロニクス業界をリードし、革新する」というベータメックの戦略的ビジョンに沿ったもので、業界の進化を推進するものだと述べた。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、6月28日)

サバ州独自のMM2Hがスタート、1日に申請受付開始

【コタキナバル=アジアインフォネット】 サバ州独自の外国人の長期滞在を奨励するサバ-マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムが正式にスタートし、申請受付が7月1日に開始された。

サバ州独自の「サバMM2H」の参加条件は、マレーシアと外交関係のある国・地域に籍をもつ30歳以上で、60万リンギ相当の高層住宅を購入し、定期預金15万リンギ以上と月収1万リンギ以上の所得条件を満たす必要がある。購入物件は購入後5年間転売できない。また物件の又貸しは認められない。「サバMM2H」参加者の購入条件を満たす高層住宅は約3,000戸に上るが、サバ州政府は18カ月程度で売り切れると見込んでいる。

また家族連れの場合の所得条件は、定期預金は30万リンギ以上で月収は1万5,000リンギ以上。参加者はマレーシアでの労働は禁じられている。申請処理と承認には約8―10週間かかる見通し。有効期間は10年だが、5年後に規定を満たしているかをチェックした上で残りの5年分を発給する。最低でも年間30日はサバ州に滞在する必要がある。

問題となっている認可権限については、連邦政府・観光芸術文化省(MOTAC)が先ごろMM2H申請代行業者のライセンスを全国的に取り消す通達を出したことから、サバMM2Hでは州政府の指名者に移行する。

MOTACが突然、申請代行業者のライセンスを全国的に取り消す通達を出したため、すでに連邦政府から「サバMM2H」の承認を受けていたサバ州は困惑。当初6月1日に予定していた申請受付開始を延期していた。

伝説のすた丼屋、KLパブリカに1号店を7月5日オープン

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 外食チェーン経営のアントワークスは、7月5日にクアラルンプール(KL)のショッピングモール「パブリカ・ショッピング・ギャラリー」内に「伝説のすた丼屋」マレーシア1号店をオープンすると発表した。営業時間は午前11時半―午後10時。

「伝説のすた丼屋」は、日本の飲食事業者の海外進出を支援する「お試し出店サービス」を通じてKLの「ロット10」にある「ジェーズ・ゲート」内に10月6日から6カ月間の期間限定で試験営業を行っていた。

「お試し出店サービス」はヴィダ・コーポレーション(本社・東京都渋谷区)、ラバブルマーケティンググループ(本社・東京都港区)、プログレッソ ディレクション(本社・東京都中央区)が協業で開始したもので、「伝説のすた丼屋」が初プロジェクト。

マレーシア初となる十割そば「元年堂」、9月上旬にオープンへ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 シード(本社・静岡県三島市)は1日、マレーシア法人、カルチャー・リンク・マレーシアと共同で、「日本文化を輸出する」をコンセプトにマレーシア初となる十割そば「元年堂」直営店を出店するほか、海外進出支援事業を実施すると発表した。

カルチャー・リンクはシードを親会社として2024年4月1日に設立され、6月12日にシードを含む計4社の出資を受け増資した。静岡県内に2店舗運営する「元年堂」の十割そばは、香り、歯切れ、モチモチとした触感が特徴。十割そばのほか、天ぷら・日本酒などの日本食も提供する。2024年9月上旬にクアラルンプールのモントキアラ地区への出店を予定している。

また「元年堂」店舗入り口では、日本文化・コンテンツに関する企画展を毎月開催する。企画展のプロデュースは、日本出版販売の子会社が行う。「折り紙」「お茶」「日本酒」など、日本の企業や自治体、団体の商品、コンテンツ、サービスにスポットライトを当て、そのストーリーと魅力を紹介・体験できる場を創出する。

経産省が先進的CCS事業9案件を選定、3件はマレーシア案件

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は28日、経済産業省事業の一環として、2030年までの事業開始を目指す二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)事業9案件を、令和6(2024)年度「先進的CCS事業」として選定。9件中3件がマレーシアにおけるCCS事業となった。

3件のうち1件目は「マレー半島沖北部CCS事業」で、京浜・京葉地区の幅広い産業を対象に、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の協力のもと、マレー半島北東沖の減退油ガス田における貯留を想定した海外CCSバリューチェーン構築の事業性を検証する。日本側参加企業は、三菱商事、ENEOS、JX石油開発、JFEスチール、コスモ石油、日本触媒。

2件目は「サラワク沖CCS事業」で、瀬戸内地域のコンビナート連携による排出CO2の出荷拠点への集約に加え、コンビナート外の回収CO2も内航輸送で同拠点に集約し、サラワク沖の海域枯渇ガス田に外航輸送・貯留する事業をペトロナスと共同で推進する。日本側参加企業は、石油資源開発、日揮ホールディングス、川崎汽船、JFEスチール、三菱瓦斯化学、三菱ケミカル、中国電力、日本ガスライン。

3件目は「マレー半島沖南部CCS事業」で、西日本広域の拡張性が高く多産業に跨る排出源からCO2を大規模回収し、ペトロナスおよび仏トタルエナジーズと共に、マレー半島東海岸沖の海域減退油ガス田、帯水層で開発する貯留ハブに越境輸送・貯留する事業を推進する。日本側参加企業は、三井物産、中国電力、関西電力、コスモ石油、電源開発、九州電力、レゾナック、UBE三菱セメント。

経済産業省およびJOGMECは本事業を通じ、2030年までにCO2の年間貯留量600―1,200万トンの確保を目指しており、選定案件について事業の進捗に応じたステージゲートを設け、毎年度末に事業の継続を判断していくとしている。