配車サービスのインドライブ、登録ドライバー数の倍増を予想

【クアラルンプール】 ロシア発祥で米カリフォルニアに本社を構える配車サービスのインドライブは、マレーシア市場で大幅な成長を見込んでおり、現在の1万人の登録ドライバー数も、年内に2倍の2万人に増加すると予想している。

インドライブは、クアラルンプール、ペナン、ジョホールバル、クチン、ミリ、シブ、ビントゥル、コタキナバルなどの国内主要都市でサービスを提供している。
マーク・ローラン社長兼副最高経営責任者(CEO)は国営「ベルナマ通信」の取材に対し、インドライブの配車アプリは昨年マレーシアで4番目に多くダウンロードされた配車アプリだとし、世界では2番目に多くダウンロードされた配車アプリとなったと述べた。独自の料金入札システムに対する関心が高まっているため、今後の成長も期待できるとしている。

配車サービスに加え、宅配や都市間輸送サービスも収益の柱となることも見込んでおり、インドライブアプリ内で修理や家電製品の設置、清掃、ペット関連サービス、トレーニング、情報技術(IT)サービスなどについても依頼できるという。

ローラン社長はまた、市場動向や顧客からの反応を分析した上でサービス内容を拡大していくとし、関係者全員にとって公平な価格を提供できる入札モデルを他サービスにも展開すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、7月1日)

マレーシア、世界の人気観光地ランキングで14位に

【クアラルンプール】 マレーシアは、2024年版「世界の人気観光地ランキング」で14位にランクアップした。前年は15位だった。

世界観光機関(WTO)が収集した国際線到着者数データをもとに米データパンダスが公開したランキングによると、マレーシアを訪れた観光客数は2,610万人で、前年の2,014万人から大幅に増加した。

東南アジアでは、タイが3,980万人で8位となった。ベトナムは21位(1,800万人)、インドネシアは27位(1,550万人)、シンガポールは28位(1,510万人)だった。

1位はフランスで、観光客数は8,940万人。次いで、スペイン(8,370万人)、米国(7,930万人)が続いた。日本は3,230万人で11位だった。
(ザ・スター電子版、ワールドオブバズ、7月2日、データパンダス発表資料)

東南アジアの中央銀行、決済システム連結の第4フェーズに着手へ

【クアラルンプール】 マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの中央銀行4行は、各国の即時決済システムを連携させ、国境を越えた即時決済を可能にする「プロジェクト・ネクサス」の第3フェーズを完了した。マレーシア中央銀行(BNM)が1日、発表した。

プロジェクト・ネクサスは国際決済銀行(BIS)が推進するプロジェクトで、G20が進める国境を越えた決済計画を補完するもの。続く第4フェーズでは各国の即時決済システムを実際に連結する作業に入る。またインド中央銀行がプロジェクトに加わる。インドネシア中央銀行は特別オブザーバーとして引き続き関与する。

BNMのアブドル・ラシード総裁は「世界でも屈指のクロスボーダー決済インフラを提供するもので、連携が参加国だけでなく、世界的な広がりを持つようになる」とした。

BISゼネラルマネジャーのアグスティン・カルステンス氏は「最初に連携する国だけで、ネクサスは17億人の市場をつなぐ潜在性がある。即時決済が低料金で容易にできるようになる」と述べた。

参加国の中銀や即時決済システムが出資して設立する予定のネクサス・スキーム機構が、決済システムの運用に当たる。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月2日、ベルナマ通信、7月1日)

【従業員の勤労意欲を高めるために】第878回:高齢化社会との向き合い方(5)高齢化した社会では高齢者が差別され難い?

第878回:高齢化社会との向き合い方(5)高齢化した社会では高齢者が差別され難い?

前回は、年齢の近い者同士の集まりが、異なる年齢層に対するステレオタイプの温床になり易いというお話でした。今回は、高齢化とエイジズム(年齢を理由とした差別)の関係についてです。

これまでに人口統計学的な手法で行われた研究が明らかにしたことは大別して2つあります。一つは、高齢化の「速度」が速いほどエイジズムが強まるというもので、もう一つは、高齢者の「割合」が高まるほどエイジズムが弱まるというものです(Hövermann and Messner, 2023)。これら一見すると相矛盾する結果は、負担感が急激に高まると高齢者への不満が大きくなるが、皆が高齢者ばかりの社会では怒りの矛先の向かうあてがなく、かえって不満が高まり難いことを意味します。日本は高齢化の速度も高齢者の割合も世界最高水準なので、両者が綱引きをすることでエイジズムは強くも弱くもなり難いのです。そのため、世界価値観調査(Inglehart et al., 2014)に収録された「Older people are a burden on society(お年寄りは社会のお荷物である。強く反対~強く賛成の4択から回答)」で測られる日本のエイジズムの大きさは、図に示すとおり55ヵ国中31位で、ちょうど真ん中あたりです。※調査の行われた2010~2014年当時の数字を元に筆者算出・作成。高齢化率(65歳以上の全人口に占める比率)および高齢化速度(直近10年間の高齢化率の変化)の算出には、国連および世銀のデータベースを用いた。

Hövermann, A., & Messner, S. F. (2023). Explaining when older persons are perceived as a burden: A cross-national analysis of ageism. International Journal of Comparative Sociology, 64(1), 3-21. https://doi.org/10.1177/00207152221102841

Inglehart, R., Haerpfer, C., Moreno, A., Welzel, C., Kizilova, K., Diez-Medrano, J., Lagos, M., Norris, P., Ponarin, E., & Puranen, B. et al. (eds.). (2014). World Values Survey: Round Six – Country-Pooled Datafile Version, Madrid: JD Systems Institute. https://www.worldvaluessurvey.org/WVSDocumentationWV6.jsp

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

DJI・ハッセルブラッドの1号店、スリアKLCCに開設

【クアラルンプール】 ドローンメーカー大手の中国DJIとその傘下のスウェーデン高級カメラブランド「ハッセルブラッド」は6月29日、マレーシア初となるDJI ・ハッセルブラッド店舗をクアラルンプール(KL)のショッピングモール「スリアKLCC」に正式オープンした。
新店舗では、カメラ、ジンバル(電動式スタビライザー)、ドローン、ワイヤレスマイク、ポータブル電源など、両ブランドの最新製品を体験できる。ハッセルブラッドコーナーでは、ビンテージデザインと現代的な性能を兼ね備えたミラーレスデジタルカメラ「907X 100C」、卓越した画質とダイナミックレンジを誇る「X2D 100C」、数量限定の「907X 50C 80周年記念エディション」などを取り揃える。
DJコーナーでは、高出力の小型手持ちジンバルカメラ「DJIオスモポケット3」や、先進ドローン「DJIアバター2」などを展示している。営業時間は午前10時―午後10時。
(ハリアン・メトロ、7月1日、ソヤチンチャウ、6月29日)

ホンダマレーシア、自動車保険の特典を拡充

【ペタリンジャヤ=アジアインフォネット】 ホンダ・マレーシアは1日、ホンダ車向けの自動車保険プラン「ホンダ・インシュランス・プラス(HiP)」の改良版を発表した。同日より提供を開始している。
新HiPは、走行距離無制限のレッカー移動サービス、最長15年間の100%保険金支払い、最長13年間の事故修理100%補償という3点が特長となっている。ホンダの正規ディーラーで新規申し込みや更新が可能。
吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は、2002年の導入以来、HiPはホンダ車のオーナーに包括的な保険サービスを提供してきたとし、今回改良されたHiPは、修理のみではなく、レッカー移動サービスや割引特典なども提供するもので、市場ニーズに応えるとともに、ホンダ車購入時に最大限の利益や安心が得られると述べた。保険金請求についても、効率的で手間がかからないような手続きにするとしている。

豊トラスティ証券、マレーシア子会社を解散・清算へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 豊トラスティ証券(本社・東京都中央区)は1日、マレーシアの連結子会社、ユタカ・ショウジ・マレーシアを解散し、清算すると発表した。同日の取締役会で決議した。
中期的な経営計画に基づいて、国内外を通じた経営資源の選択と集中を進めるためで、ユタカ・ショウジ・マレーシアを解散・清算し、商品先物その他金融商品取引事業基盤を整備し、経営効率を高め持続的成長を図っていくとしている。
ユタカ・ショウジ・マレーシアは2017年9月設立で、資本金は2,060万リンギ。商品デリバティブ取引業などを行っていた。2022年3月期からの3年間の経常収支はそれぞれ196万リンギ、90万リンギ、66万リンギの赤字を計上していた。