【クアラルンプール】 会計検査院は4日、2024年版の監査報告書を発表。首都圏大量高速輸送(MRT)システムを管理するマス・ラピッド・トランジット・コーポレーション(MRTコープ)について、2017年に開業したMRT1号線(カジャン線)の最終決算を完了させていないなど管理体制に問題があると指摘した。
MRTコープは、プロジェクト実施パートナーシップ契約に基づき6カ月ごとに見直すことになっていたパートナーへの返済費用を、2013年から2020年まで監査していなかったという。このためパートナーは直接費と諸経費として過剰な金額をMRTコープから受け取ることになり、それが何年も発覚しなかった。過払いは2020年から2023年にかけて実施された監査により特定され、その後返還されたという。
■利用者数、運行頻度などはMRT1、2共に目標下回る■
同報告書はまた、MRT1号線と2号線(プトラジャヤ線)の1日あたりの利用者数と列車の運行本数、ピーク時の運行頻度に関して、当初の目標を達成できなかったと指摘した。
MRT1の場合、全面開業の2017年から2023年まで、1日あたりの平均利用者数の目標達成率は10.8%から37.4%にとどまった。37.4%は2019年に達成されたもので、2021年はわずか10.8%にとどまった。2023年の利用者数は18万2,196人で、目標としていた52万人の35%にとどまった。またピーク時の運行頻度については、2023年に5分間隔で運行している列車はわずか32本だった。
2022年に開業したMRT2については、開業1年目の目標の10万4,000人に対して実際は2万842人で、達成率は20%。2023年の目標は19万6,000人だったが、実際の1日あたりの平均乗車率は8万9,409人で、達成率は45.6%にとどまった。ピーク時の運行頻度は、2022年の4分間隔から2023年には5分間隔にダウンした。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、7月4日)