スバン空港のジェット機暫定発着枠、6社が獲得か

【クアラルンプール】 セランゴール州のスルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)のナロージェット機乗り入れは8月に開始される見通しだ。乗り入れ開始日は明らかにされていない。マレーシア航空委員会(MAVCOM)によると、航空6社がすでに暫定発着枠を獲得した模様だ。

暫定的な発着枠はマレーシア国家発着枠調整局(NSCM)によって、すでにエアアジア、バティックエア、ファイアフライ、SKSエアウェイズの4社に授与された。エアアジア、バティックエア、ファイアフライの3社は8月中に就航する予定。エアアジアの親会社であるエアアジア・アビエーション・グループ(AAG)のボー・リンガム最高経営責任者(CEO)は、8月30日からコタキナバルとクチンへ1日2便飛ばすと述べていた。エアアジアはエアバス「A320」型機、ファイアフライとバティックエアはボーイング「737」型機で運航するとみられる。

残り2社は外国の航空会社だが、詳細は明らかにされていない。うち1社はシンガポール航空子会社のスクートの可能性が高い。スクートのレスリー・トゥンCEOは今年5月、シンガポール間で最新のエンブラエル「E190-E2」型機を運航したい意向を示していた。

業界筋によると、スバン空港ではナロージェット機向けに最大で15の発着枠が割り当てられる見通しだ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月12日)

中国スマート、EVの「スマート#3」を正式投入

【クアラルンプール】 中国スマート・オートモービルは、電気自動車(EV)「スマート#3」をマレーシア市場に正式投入した。

先に投入されたコンパクトスポーツ多目的車(SUV)の「スマート#1」と同様、国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)販売子会社プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(プロネット)が販売を担当する。
バリエーションは、「プロ」(保険なし価格17万5,000リンギ)、「プレミアム」(同21万5,000リンギ)、「ブラバス」(同25万5,000リンギ)の3車種で、「スマート#1」よりも各6,000リンギ高くなっている。

「プロ」と「プレミアム」は、最高出力272馬力(PS)、最大トルク343ニュートンメートル(Nm)を発揮し、時速0-100キロメートル(km/h)加速時間は5.8秒。「ブラバス」ではそれぞれ428PS、543Nm、3.7秒となる。航続距離はWLTP基準で「プロ」が325km、「プレミアム」が455km、「ブラバス」が415km。3車種とも最高時速は時速258キロメートル(km)。車体カラーは「プロ」は全2色、「プレミアム」は全6色。「ブラバス」ではルーフとボディで異なる色を選択でき、その組み合わせは全12色になるという。

保証期間は、バッテリーが8年間または走行距離20万km(EVコンポーネントは15万km)、車両は走行距離無制限の4年間となっている。
(ポールタン、ジグホイールズ、7月10日)

【イスラム金融の基礎知識】第548回:インドネシア最大のイスラム銀行、ハラル・イベントを開催

第548回:インドネシア最大のイスラム銀行、ハラル・イベントを開催

Q: インドネシアのイスラム銀行が主催するハラル・イベントとは?

A: 6月20日から23日にかけて、ジャカルタ・コンベンション・センターでハラル産業の国際見本市が開催された。主催したのは、2021年に三つの国営イスラム銀行が合併して誕生した、同国最大のイスラム銀行であるバンク・シャリア・インドネシア(BSI)だ。

「BSI国際エキスポ2024」と題した国際見本市は、食品などハラル産業の企業ブース出展やファッションショー、研究者や実務家、政治家らのディスカッションなどから構成されており、マレーシアのMIHASと似通ったイベントだ。

開会式に登壇した国営企業省のカルティカ・ウィルジョアトモジョ副大臣(合併に携わったマンディリ銀行の元社長でもある)は、スピーチの中でBSIが合併後様々な成果を上げていることを強調した。例えば、同社の時価総額が79億米ドルとなり、世界のイスラム銀行トップ10入りしたと明らかにした。また国内の上位5行のうち、イスラム銀行はBSIのみであるとした。2023年の経営状況は、総資産が353兆ルピア、純利益は5.7兆ルピアであった。

同副大臣は、BSIがインドネシア社会へ貢献していることも強調した。例えば2023年にBSIは2,220億ルピアのザカート(制度的喜捨)を提供したが、これは国内最大の拠出者であった。他方、サウジアラビアへの支店開設をすすめており、開業すればメッカ巡礼者に対してよりきめ細やかなサービスを提供できるとしている。また今回のようにハラル産業に属する企業を招いてのイベントを開催することで、インドネシアをハブとするハラル・バリュー・チェーンを世界に広げることができると、今回の見本市の意義を称賛した。

イベントの様子は、BSIの公式YouTubeチャンネルで閲覧することが可能だ。ファッションショーやトークショー、会場内の様子を確認することができる。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

シンガポール企業はジョホール経済特区に強い関心

【シンガポール】 シンガポール企業のほとんどが、ジョホール州で計画されているジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)への投資に関心のあることが、シンガポールビジネス連盟(SBF)が会員企業160社を対象に実施した調査から分かった。

調査結果は11日に開かれた合同投資フォーラムで発表された。回答企業の93%はジョホール州を魅力的な投資先とみており、半数は既に同州で活動している。加えて回答企業の多くは、熟練労働者不足、陸路でのヒト・モノの往来の混雑、税務上の困難を予想している。

調査を行ったJS-SEZシンガポールビジネス作業グループのテオ・ションセン議長は「互いの補完的強みを生かし、強力な経済体を構築するものだ」と期待を表明した。

ヒト・モノの往来の円滑化について作業グループは、QRコードを利用した出入国手続き、通関のデジタル化を提案した。税務・関税措置のすり合わせも必要だという。

両国は今年1月、JS-SEZ構築に関する覚書を交わしており、9月開催のマレーシア・シンガポール非公式首脳会議に先立ち契約を締結する意向だ。
(ビジネス・タイムズ、7月12日、チャンネル・ニュース・アジア、エッジ、7月11日)

三菱「エクスパンダー」、現地生産台数が4万台に到達

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、多目的車(MPV)「エクスパンダー」の国内生産台数が累計4万台を達成したと発表した。

「エクスパンダ―」はパハン州ペカンで製造されている現地組立(CKD)の7人乗りMPVモデルで、2020年にマレーシア・デビューした。排気量1.5リッターのMIVECエンジンを搭載し、最高出力105PS/6,000rpm、最大トルク141Nm/4,000rpmを発揮する。

MMMは「エクスパンダ―」生産4万台の達成に合わせキャンペーンを開催しており、4万台目の購入者に1万リンギ相当の旅行券をプレゼントする。また7月13―28日の午前10時―午後4時に全国のMMMディーラーがショールームイベントを開催。来場者は特別割引が受けられるという。

池田真也 最高経営責任者(CEO)は、「エクスパンダ―」が2023年通年および2024年上半期にマレーシアで最も売れた非国産MPVとなったことを挙げ、「顧客の信頼の証しであり、エクスパンダーがユーザーに楽しい体験をもたらし、エクスパンダーとともに『限界を超えた人生』を続けていただきたいと願っている」とコメントした。
(ポールタン、ジグホイール、7月11日)

マレーシア・ムスリム観光客誘致に向けたセミナーを開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ムスリム(イスラム教徒)向けレストラン検索アプリのハラルナビ(本社・東京都世田谷区)は、在日マレーシア大使館と共同で、「マレーシアムスリム観光客誘致オンラインセミナー」を開催すると発表した。

マレーシア人ムスリム観光客の誘致促進および日本とマレーシアの相互理解促進を目的としたもの。全国地方自治体、各種団体を対象としており、開催日時は、7月30日14:00―15:50(日本時間)で、Zoomによるオンラインセミナー形式で実施する。参加費は無料だが、事前にオンライン登録が必要。

セミナー内容は、▽マレーシアから日本へのインバウンド状況▽ マレーシアムスリムたちが捉える日本の観光について▽日本におけるムスリムフレンドリーの現状と課題・好事例の紹介▽ハラルナビが提供するソリューション▽質疑応答――となっており、在日マレーシア大使館の書記官も登壇する。https://pink054536.studio.site/から詳細確認および申し込みが可能。