【クアラルンプール】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によると、マレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)製品輸出額が2023年の540億リンギから、2025年には650億リンギに拡大する見通しだ。

英字紙「ザ・サン」のインタビューに対しMATRADEのアブ・バカル・ユソフ輸出促進担当副最高責任者(CEO)は、「世界のハラル製品市場規模は2030年までに5兆米ドル(23.3兆リンギ)に達すると予想されている。昨年のハラル市場規模は3兆米ドルだった。マレーシアがこの成長機会を生かす余地は大いにある」と言明。 「イスラム開発局(JAKIM)のハラル認証が国際ビジネス界で高く評価されているため、マレーシアは有利な立場にある」と述べた。

またアブ・バカル氏は、マレーシアが世界のハラル市場で強みを持つのは、イノベーション、研究開発の取り組み、国際パートナーとの連携によるものだと指摘。「現在、MATRADEは国内消費者だけでなく世界市場にも対応する、高付加価値食品・飲料(F&B)業界に重点を置いている」と述べ、高付加価値のF&B製品は従来の製品に比べて大幅に変化しており、先進技術を採用し、綿密な研究や品質管理も行われていると述べた。

マレーシアのハラル製品輸出の成功例にはドリアンやツバメの巣などがあり、中国が主要な消費者市場として台頭している。 マレーシアにはハラル認証を受けた企業が約1万社あり、食品・飲料部門が多くを占めている。

またマレーシアのハラル製品輸出は、中東、欧州、アジアの国々からの需要が高まっている、医薬品や化粧品などの分野でも伸びており、ハラル加工食品の輸出額は昨年300億リンギだったが、非食品も240億リンギに上ったという。
(ザ・サン、7月16日)