【クアラルンプール】 8月1日から年商1億リンギを超える大企業4,000社を対象に導入が義務化される電子インボイス第1期について、内国歳入庁(IRB)のアブ・タリク最高責任者(CEO)は、納税者に正当な理由があればケースバイケースで違反にも柔軟に対応するとし、「罰則を恐れる必要はない」と述べた。

電子インボイスの義務化に当たっては、要件を満たさない場合、1回当たり200―2万リンギの罰金、または6カ月以下の禁固刑、もしくはその両方が科せられる可能性があるため、財界から懸念の声が出ていた。

アブ・タリク氏は、「電子インボイス導入第1期では納税者側にミスが発生する可能性はあるが、これらのミスが必ずしも罰金につながるわけではない」と指摘。「事業者が問題に直面している場合、我々のチームに相談するよう勧める」 とした上で、「法律上、(罰則の)規定はあるが、正当な理由があれば、裁量権を行使してケースバイケースで検討していく」と述べた。

8月の電子インボイス開始に先駆け、5,000社を超える企業や事業体がIRBのポータルサイト「Myインボイス(MyInvois)」へのアクセスを申請。また、4月10日―6月30日に無料の電子インボイス対応会計ソフトウェアをテストするため、システムにアクセスした件数は2,050万件に上ったという。

売上高が2,500万リンギ以上、1億リンギ未満の企業は2025年1月1日までに電子インボイスを導入しなければならない。また年間売上高が15万リンギ未満の中小零細企業(MSME)を除くすべての企業は、来年7月1日までに電子インボイスを提出する必要がある。
(ザ・スター、7月17日)