JAG、三菱マテリアルと家電リサイクル事業の可能性を検討へ

【クアラルンプール】 廃棄物管理のJAGは、家電リサイクル事業の可能性の検討に向け、三菱マテリアル(MMC、本社・東京都千代田区)との間で覚書(MoU)を締結した。両社は同事業の設立、資金調達、運営に関する実現可能性調査を実施する。

2025年3月までに実現可能性調査を完了し、2025年9月の商業化を目指す。ただし、2025年9月までに公布される予定の「リサイクル法」の進捗状況により変更される可能性もあるという。

共同事業が成功すれば、JAGは廃棄物の供給源をより広範囲に探索できるようになり、収益源の多様化や資源利用効率の向上が可能となる。長期的にはグループの収益性と財務安定性の向上にも貢献する。MMCにとっても、マレーシアでの事業基盤を拡大できるメリットがあるという。

JAGのン・ミャオギア専務取締役は、2023年のリサイクル率は35.38%で、家庭からの電子廃棄物のリサイクル率は25%に満たないと説明。毎年多くの電子廃棄物が埋め立て地に廃棄されており、2021年時点で2,459トンが蓄積されているとし、このような廃棄物問題の解決にJAGの専門知識が活用できると述べた。
(ビジネス・トゥデー、7月10日)

制御機器のアズビル、UTM・MJIITとの協力覚書を締結

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 制御・計測機器メーカーのアズビル(本社・東京都千代田区)は10日、マレーシア工科大学(UTM)、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)との間で、産学連携を含めた包括的な協働関係強化について覚書(MoU)を締結したと発表した。

5月28日にUTMのクアラルンプールキャンパスにて開催された、MJIIT主催の「マレーシア日本・産業&イノベーション・エキスポ(MJIIX)」の中で、本覚書締結の調印式を実施した。

アズビルは2019年にMJIIT卒業生を採用し、2023年からは同校からのインターンシップ生を受け入れている。また、経済産業省が主導する、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域内の脱炭素化を実現するための官民イニシアチブ「CEFIA」の中でUTM、MJIITと協働し、同校学生への省エネ教育と省エネ調査ツールの開発を行い、2024年2月にはCEFIA活動の一環として産業界向け省エネセミナーを実施した。今後も脱炭素化技術をはじめ、計測・制御技術に基づく共同研究や開発などを進めていく。

台湾HWCコーヒー、東海岸1号店をパハン州で11月開設へ

【クアラルンプール】 台湾発コーヒーチェーン「HWCコーヒー(黒沃珈琲)」は、11月にもマレーシア半島東海岸で初となる店舗をパハン州クアンタンのショッピングセンター「イーストコースト・モール」にオープンする計画だ。

マレーシアはHWCにとり初の海外市場であり、2022年に進出。現在では全国で約70店舗を展開しており、ブルネイにも進出している。パナマに自社農園を構え、加工工程でも厳格な品質管理を行っているのが特徴。

HWCコーヒー・マレーシアのゼンダ・ン最高経営責任者(CEO)は、東海岸に店舗を拡大し、より多くの人に高品質なハラル(イスラムの戒律に則った)認証コーヒーを楽しんでほしいと言明。今後も東海岸への展開を進め、同地の活気あるコーヒー文化に貢献できることを楽しみにしていると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、7月9日)

デジタル保険免許は5社に制限せず、来年1月から申請受理

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は9日、デジタル保険・イスラム式デジタル保険の免許を5社に制限せず、要件を満たした事業者すべてに交付すると発表した。25年1月2日から26年12月31日まで免許申請を受け付ける。

BNMは既にデジタル保険・イスラム式デジタル保険業者(DITO)に関する免許・監督の枠組みを策定しており、保険業界に包括性、競争、効率向上をもたらすものとしてDITOの参入を後押しする。DITOに対し創業から3-7年間の観察期間を設け、事業運営が健全か、事業体として存続できるかを判断する。創業当初期間の払込資本は本来の額より低く設定する。

デジタル保険はインターネットで申し込み手続きが完了できる保険で、BNMは消費者のニーズをより良く満たす革新的ビジネスモデル・商品をDITOに期待している。また既存の保険・イスラム保険業者の客層から外れている、デジタルに詳しい層の保険加入を促す役目を期待している。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月10日、エッジ、7月9日)

マレーシア独自の持続可能なパーム油認証最新版、25年に導入

【上海】 マレーシア持続可能なパーム油(MSPO)認証制度の最新版が、2025年に導入される予定だ。農産物輸出促進のため中国を訪問したチャン・フーンヒン副農園・一次産業相に同行したモハマド・イドリスMSPO最高責任者が明らかにした。

マレーシア政府は2014年にMSPO制度を導入した。それまでは持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)が、パーム油の持続可能性を確認するための唯一の認証制度だったが、マレーシアは独自のMSPOを設定。インドネシアも独自の制度を設けている。

MSPOはRSPO認証を取得することが困難な中小事業者への支援を目的としたもので、RSPO認証取得が任意なのに対し、MSPOでは小規模農家を含めアブラヤシ農園を運営するすべての事業者に取得を義務付けている。今回の見直しでは、温室効果ガス排出、保全価値の高さ、社会的影響の評価の3分野で制度の内容を改めた。

5月末時点でアブラヤシが栽培されている562万ヘクタールの農園のうち86%に当たる484万ヘクタールが認証を取得している。当局は、アブラヤシ栽培面積の95%が年内にMSPOの認証を取得することを目標にしている。
(エッジ、7月9日)

来年度予算案、引き続き経済成長と底上げに焦点=アンワル首相

【プトラジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は、9日に開催された2025年度予算に関する協議セッションの中で、国民所得の増加や国家経済の再構築などを目指した経済マスタープラン「マダニ経済」枠組みで設定された目標の達成に焦点を当てる必要があると言明した。

アンワル首相は、政権樹立後3回目となる予算案策定に向け、「成長の天井引き上げ」および「底上げ」の取り組み、すなわちより高い成長を目指した経済再編や、国民生活の向上や質の高い包括的な収入機会を創出する取り組みが必要だと言明。「来年度予算はこの基盤の上に構築され、達成に向けた継続的な改革の推進を目指していく」と述べた。

「成長の天井引き上げ」に向けた改革については、財政責任法の改正やガバナンス改善のための会計検査院への権限付与など、いくつかの改革がすでに実施されていると指摘。「創造性、競争力、デジタル化、人工知能(AI)の活用、公務員改革は重要だ。新しい目標を達成するために古い方法に頼ることはできない」と述べた。電気・電子などの高付加価値産業や、パーム油などの伝統的な産業に重点を置くと同時に、デジタル化や自動化も推進していくとし、エネルギー転換やAIなどの高成長分野も対象となると述べた。

一方で、都市部の貧困層や農村部の人々を取り残さないよう、「底上げ」も主な課題になると言明。生活費の高騰は多くのマレーシア人にとって依然として大きな懸念事項であるとした上で、「カルテルや独占を排除し、利益が国民に還元されるよう、漏洩を防ぐ新たな方法を考える必要がある」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月10日、マレー・メイル、7月9日)

呉学園、日馬両国の学生による作品展をスバンジャヤで開催

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 呉学園(本社・東京都渋谷区)は9日、同社が運営する日本デザイナー学院マレーシア校が、4度目の作品展「ジャパン・モーメント4―日本のクリエーターによる作品展」を開催すると発表した。

姉妹校である専門学校日本デザイナー学院(東京)、日本写真芸術専門学校(東京)、専門学校日本デザイナー学院九州校(福岡)との共同開催。卒業生を中心としたプロクリエイターだけでなく、各校の学生作品も展示する。8月13日―20日まで、セランゴール州スバン・ジャヤのサンウェイ・ジオ・アベニューでの常設展示となり、入場料は無料。第一線で活躍するイラストレーターやマンガ家、フォトグラファーの作品をB0サイズ(1030mm×1456mm)という特大サイズの高精細プリントで見られるのが特徴となっている。

日本デザイナー学院マレーシア校は、呉学園が2022年に開校したマレーシア初の日本のカレッジ。日本・マレーシア両国のアートを融合させ、新しい文化・芸術の芽を育てることを目指している。

JICA、日本製下水道維持管理ロボットをマレーシアへ譲渡

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国際協力機構(JICA)マレーシア事務所は、マレーシアの下水道運営維持管理公社、インダ・ウォーター・コンソーシアム(IWK)に水道維持管理ロボットなどを譲与すると発表。10日に引き渡し式を開催すると明らかにした。

マレーシアの更なる効率的・効果的な下水道の維持管理に貢献するのが目的。今回譲渡するのは水道維持管理ロボット「スーパーミニモグプラス」2台、「HFC150フレキシブルカッター」2台と、ジェネレーター2台、エアコンプレッサー2台、トローリー2台。

「スーパーミニモグプラス」は北菱(本社・石川県小松市)の製品で、低価格で高性能な下水道本管用穿孔メンテナンスロボット。「HFC150フレキシブルカッター」は同じく北菱の製品で、外部からの削孔と内部の異物除去の二刀流として利用可能な製品。

木材のオーロ、事業多角化で中国「ヘイティー」店舗を全国展開へ

【クアラルンプール】 木材のオーロ・ホールディングスは、飲食(F&B)部門への多角化に向け、中国の紅茶チェーン「ヘイティー(喜茶)」との間で、複数フランチャイズ契約を締結した。

契約に基づき、全国でヘイティー店舗を運営する。2023年12月にはクアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」のショッピングモール「エクスチェンジTRX」に1号店をオープンし、ミッドバレー・メガモール、サンウェイ・ピラミッド、ワンウタマといった首都圏の主要ショッピングモールにも店舗をオープンしている。今後もKLのサンウェイ・ベロシティ・モール、パハン州のゲンティン・ハイランド・プレミアム・アウトレット、ペナン州のガーニー・プラザなどで店舗をオープンする計画だ。

タン・ワイチュアン専務取締役は、F&B業界の見通しは有望であり、また1号店の好調がF&B事業の可能性を示していると言明。事業拡大により、売上高の大幅増と市場での存在感強化を実現できると述べた。市場調査によると、マレーシアのF&B産業は、可処分所得の増加と観光業の復活を追い風に、2024年には7.9%の成長が見込まれており、同社がF&B部門で市場シェアを獲得するのに絶好のタイミングだとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、7月8日、ザ・スター電子版、ビジネス・トゥデー、7月5日)

プロトンの「e.MAS」のディーラー数、合計18カ所に

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)販売子会社、プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(プロネット)は、6月12日に立ち上げた自社電気自動車(EV)ブランド「e.MAS」のディーラー数が現時点で合計18カ所になったと明らかにした。

「e.MAS」ディーラーはマレーシア半島部が17カ所、東マレーシアが1カ所。州・地域別ではクアラルンプール(KL)に3カ所、セランゴール州に4カ所、ジョホール州に2カ所、ペラ州に3カ所、ペナン州に2カ所、ケダ、クランタン、パハン、サバの各州にそれぞれ1カ所ずつとなっている。

ディーラーには販売のみの1Sセンターからサービス、部品交換も行う3Sセンターまであり、プロネットでは2025年までに30カ所への拡大を目指している。

プロネットはまた、ディーラーネットワークに参加する新しいパートナーも募集しており、特にケダ州アロースター、トレンガヌ州クアラトレンガヌ、セランゴール州、KL、ネグリ・センビラン州セレンバン、マラッカ州、ジョホール州ジョホールバル、バトゥパハ、ムアル、サラワク州クチン、シブ、ビントゥル、ミリ、サバ州サンダカン、タワウにおけるディーラー募集を呼び掛けている。
(ザ・スター、7月6日、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、7月5日)