【クアラルンプール】 米国の大手電気自動車(EV)メーカー、テスラが、マレーシアを含む東南アジアにおけるEV組立工場建設を断念した模様だ。タイの日刊紙「ザ・ネーション」が同国政府筋の情報として報じた。

テスラの東南アジアのEV工場建設予定地としては、タイ、マレーシア、インドネシアが有力視されていたが、テスラはこれを断念。現在、充電施設についてのみ設置検討を進めており、新たな工場計画は全世界で停止しているという。
政府筋によると、マレーシア、インドネシア、中国、アメリカ、ドイツ以外の地域での工場建設計画はないため、工場建設中止の決定はアジアおよびそれ以外の地域からの投資撤退の一環だとしている。また昨年、テスラの東南アジア進出を主導した幹部チームはその後解散したとみられるという。

アンワル・イブラヒム首相は昨年7月、テスラおよび創始者のイーロン・マスク氏のハイテクベンチャー企業、スペースXからマレーシアへの大規模投資を発表し、これにより数万人規模の高付加価値雇用が創出されると述べていた。

テスラは2023年10月にマレーシア本社とサービスセンターをセランゴール州サイバージャヤに開設している。同州のアミルディン・シャリ首相は、テスラの投資が多くの国際的なバッテリー技術関連企業に対して同州への投資を促すことになるとの期待を示していた。
(デイリー・エクスプレス、フリー・マレーシア・トゥデー、8月7日)