技術革新指数の順位引き上げを推進、独自の指数を作成へ

【クアラルンプール】 政府はグローバル・イノベーション・インデックス(GII)の順位引き上げを目指し国全体での取り組みに着手する。チャン・リーカン科学技術革新相が12日、マレーシア商業化サミットで発表した。

チャン氏は省としてマレーシア独自のイノベーション・インデックスの開発に取り掛かっていると明らかにした。戦略策定を支援するツールとし、GII順位の上昇につなげる。行政部門、産業界、学術界にイノベーションを促す。世界知的所有権機関が2023年末に発行したGIIでマレーシアは36位だった。GIIでは132の経済圏のイノベーションエコシステムを調査し、ランキングを作成している。1位から5位は、スイス、スウェーデン、米国、英国、シンガポール。

アンワル・イブラヒム首相は「順位はマレーシアの潜在性を反映していない。あらゆる方法を講じ順位を上げるとの決意、努力が必要だ」と言明。さらにスタートアップのためのビジネスエコシステムでマレーシアはまだ多くの機会をとらえていないとし、科学技術革新省に国内だけでなく、国外でのネットワーク構築も促した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月13日、ベルナマ通信、8月12日)

サバ州の電力供給業者、25年1月から同州の適格証明のみ有効

【コタキナバル】 サバ州エネルギー委員会(ECoS)は12日、ECoSが管轄する電力供給や太陽光発電などの事業登録について、2025年1月からECoSが発行する適格証明書のみを有効とすると発表した。

同措置は「2024年電力供給法(EBE)」および「2024年電力供給規則(PPBE)」に沿ったもので、同規則では2024年1月3日以降、ECoSがマレーシア・エネルギー委員会から電力供給活動の規制権限を引き継ぐことになっている。

エネルギー委員会(EC)または持続可能エネルギー開発庁(SEDA)発行の適格証明書を保有している場合でも、ECoSから認定を取得する必要がある。

「EBE2024」と「PPBE2024」の研修コースを受講し試験に合格すれば、認定を取得できる。現在、16の認定トレーニングセンターで受講が可能となっている。

これにより、急速に設置が進められている電気自動車(EV)充電施設の運営事業者(CPO)も、サバ州内ではECoSが発行する適格証明書を取得する必要がある。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、モタオート、8月12日)

【人生の知恵・仕事の知恵】Assign task with appropriate message

Assign task with appropriate message

★謝る

先日の某日系企業社とのオンライン研修で、欧米企業から転職してきたシンガポール人男性の受講者が、顧客に謝ることについて、「間違いをうっかり認めてしまえば、のちに不利益を被る可能性もありますので、謝ることは慎重にします」と意見を述べました。

それに対して筆者からは、こうコメントをしました。
「もちろん、むやみに謝る必要性はありませんが、誰が何に対してという点を明確にして謝ることで、不利益を被ることはないと思いますよ。謝る云々よりも、顧客を満足させることを第一義に考えるべきです」

 

★使命を知る

以前、シンガポールの日本語ラジオで「松下幸之助に学ぶ 人生の知恵 仕事の知恵」という番組を持っていた時、リスナーの質問にこたえるコーナーがありました。

ある時、以下の質問が寄せられました。

「現在、カスタマーサービスセンターに勤めています。いつも謝ってばかりで面白くありません。上司にそう話すと、「謝って給料をもらえるのだから楽な仕事だよ」と言われました」

そこで、筆者はこう答えました。

「あなたの仕事は謝ることではありませんよ。あなたの仕事は、より良い商品やサービスを実現すための顧客サービスの仕事です。従って、あなたの仕事は聴くことですよ」

 

★イメージできる期待を伝える

松下幸之助は、月刊誌PHPについて、2冊買いたくなる雑誌を作りなさいといつも指導していました。
つまり、「1冊は自分のため、もう1冊は誰かに読んでもらうため」ということです。
上司の仕事の一つは、部下にどのような仕事を望むかを適切に伝えることです。

 

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

フォレストシティのジョホール経済特区への統合、州政府が提案

【イスカンダル・プテリ】 ジョホール州政府は、ジョホール州沖で開発中の人工島プロジェクト「フォレスト・シティ」を、ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)に組み入れることを提案している。

同州投資・貿易・消費者問題委員会のリー・ティンハン委員長は声明で、提案は内部で議論されているもので、今後さらなる検討に向け、JS-SEZ作業委員会に提出される予定だと述べた。

フォレスト・シティは中国の一帯一路構想のもとで提案されたプロジェクトで、ジョホール海峡を埋め立て造成した4つの人工島(面積は合計30平方キロ)でコンドミニアム、学校、オフィスビル、ショッピングモールなどを総合的に開発するもの。経営難にある中国の不動産開発大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)と、ジョホール州政府と州のスルタンを後ろ盾とするエスプラネード・ダンガ88の合弁事業だが、先行きが不透明であることから2023年8月にアンワル・イブラヒム首相が投資誘致に向け、金融特区を設けると発表していた。

リー委員長は、フォレスト・シティはシンガポールに近接しているため利便性が高いとし、JS-SEZに統合されることで、JS-SEZへの優遇措置を同様に受けられるよう提案していくと述べた。

JS-SEZは、9月にマレーシアとシンガポールの間で正式に協定が締結される見込みとなっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、8月12日)

物流サービス用車両の刷新を奨励する政策を検討=運輸相

【レンバウ】 アンソニー・ローク運輸相は12日、運輸省が物流企業の車両の刷新を奨励する政策を検討していると明らかにした。

ローク運輸相は、民間部門、特に物流・運送会社が新しいトラックに投資しやすくなるよう、包括的な政策を導入する予定だとし、どのような政策が最善であるのかを検討していると言明。環境に優しく持続可能な車両の普及に向け、自動車業界が電気バスや電気トラックの組み立てを行うことを奨励する政策が必要だとした。

ローク運輸相は、道路を走っている多くの旧型車が交通安全に重大なリスクをもたらし、維持費や燃費も高くつくため、新型車両への入れ替えを促進する新たな政策やインセンティブを導入すると述べた。自動車製造業者が新型バス・トラックの組み立て事業に参入することを期待するとしている。
(エッジ、ベルナマ通信、8月12日)

MMAGの航空貨物部門、全日空と貨物相互輸送契約を締結

【クアラルンプール】 総合物流会社のMMAGホールディングス傘下で航空貨物輸送に携わるMジェッツ・エアは、全日本空輸(本社・東京都港区)との間で二国間貨物インターライン(相互運送)契約を締結した。

MMAGが12日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、両社は指定路線で互いの貨物を輸送する。契約は10日付けですでに発効しており、いずれかの当事者により解除されるまで継続する。両社の提携により、東南アジア、中国、日本などのアジア地域間の接続が強化され、主要市場における貨物の流れがよりスムーズかつ効率的になることが期待できる。互いの強みやネットワークを活かし、貨物業務の最適化、プロセスの合理化、全体的な効率性の向上を目指すという。

Mジェッツは航空機4機を運航しており、魚介類などの生鮮食品の輸送を行っている。7月にキャピタルAの物流部門テレポート・エブリウェア、8月には中国南方航空との間でインターライン契約を締結するなど、運送網を積極的に拡大している。航空機2機を追加導入する予定で、さらに4機を追加調達する計画もあるという。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、8月12日)