マレーシアのEVシェアは年内に2%に達する可能性=EON

【ベントン】 DRBハイコム子会社の自動車販売会社エダラン・オトモビル・ナショナル(EON)は、電気自動車(EV)の新型モデルの投入を受け、マレーシアの新車市場におけるEVのシェアが年末までに2%に達する可能性があるとの見通しを示した。

EONのアクバル・ダニエル最高経営責任者(CEO)は、2024年6月時点で国内の自動車市場におけるEVのシェアがすでに約1.5%に達していると指摘。今年は新たなブランドの登場やプロトンのEVブランド「e.MAS」の初モデル発表など国産モデルの投入により、シェアが2%に上昇すると予想していると述べた。

アクバルCEOは、「国内EV市場の成長は、顧客の認知度の向上とEVへの移行意欲によるもの」と指摘。長距離ドライブ用充電施設が整備されていることも成長要因になっているとし、「EVに乗るためにわざわざ首都圏に移住する必要がなくなっている」と述べた。

マレーシア自動車連盟(MAA)によると、会員企業の上半期のEV販売台数は前年同期比112%増の6,617台で、新車販売台数(39万269台)に占めるEVシェアは16.95%だった。

(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、8月15日)

香港エクスプレス航空、11月に香港―ペナン線を就航へ

【香港】 格安航空会社の香港エクスプレス航空は、香港―ペナン線を新規開設すると発表した。11月21日にデイリー運航を開始する。

香港エクスプレス航空にとり初のマレーシア路線となる。往路の「UO748」便は香港発午後8時10分、ペナン着深夜0時10分。復路の「UO749」便はペナン発深夜0時45分、香港着午前4時40分。

同社は積極的に路線を拡大しており、今年はクラーク(フィリピン)、北京、バンコク(ドンムアン国際空港)などにも就航している。

香港エクスプレス航空のジャネット・マオ最高経営責任者(CEO)は、香港からペナンへの新規路線の開設は、マレーシア市場への参入のみでなく、同社の「香港とアジア各地域を結ぶ」戦略展開の節目ともなると述べた。今後もアジア全域で路線を拡大していくとしている。
(トラベル・デイリー・ニュース、8月15日、LARA、8月14日)

ブリキ板でダンピング調査開始、日本など4カ国製が対象

【クアラルンプール】 マレーシア投資貿易産業省(MITI)は15日、国内メーカーからの苦情を受けて日本、中国、インド、韓国からの輸入ブリキ板のダンピング調査を開始したと発表した。

缶詰製品などに使われるブリキ板を製造するプルサハアン・サドゥル・ティマー・マレーシア(プルスティマ)から7月15日に出されていた訴えを受けたもので、プルスティマは4カ国のブリキ板が本国で売られている価格より不当に安い価格で国内販売されていたと主張している。

調査対象となるのは幅600ミリメートル以上の鉄または非合金鋼の平板製品で、スズで被覆、メッキ、またはコーティングされたもの。MITIは調査開始日から120日以内に予備判定を下すとし、予備判定でダンピングが認められた場合、国内産業へのさらなる損害を防ぐために必要な税率で暫定的に反ダンピング関税を課すとしている。

MITIはまた、4カ国の対象商品の輸入業者、輸出業者、生産者、業界団体、および政府などの関係者に質問票と関連文書を配布するとし、関係者が9月13日までに必要な情報を提供しない場合、入手可能な事実に基づいて予備判定を下すとしている。

(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、8月15日)

【従業員の勤労意欲を高めるために】第881回:高齢化社会との向き合い方(8)ICTの普及はリスクを伴う

第881回:高齢化社会との向き合い方(8)ICTの普及はリスクを伴う

前回は、ICTの普及が高齢者の孤立を防ぐ可能性があるというお話でした。しかし、良い話ばかりではないようです。Parti(2023)が米国で行ったアンケート調査に基づく研究の結果は、ICTの普及により、高齢者が犯罪に巻き込まれるリスクが高まる可能性があることを示しています。具体的には、ICTの使用時間が長く、ICTのスキルに自信のある高齢者ほど、オンライン詐欺に巻き込まれるリスクが高いことが示されました。詐欺に遭うくらいなので、この「自信」は、技術に裏づけられたものではなく、「過信」に過ぎないものです。そのため、既に退職した高齢者よりも、ICTを使用する機会の多い、現役で仕事をしている高齢者のほうが詐欺に遭い易い傾向がありました。また、被害に遭った経験のある高齢者は、被害の後もクレジットカードの凍結などの対策を講じない傾向にありました。

さらに、被害があったことを親しい家族などに報告しない人も少なくありませんでした。被害にあったことを周囲に打ち明けない理由についてアンケート調査の結果は明らかにしていませんが、論文の著者は、不注意を責められることを恐れて打ち明けられない高齢者が少なくない可能性を論じています。被害を打ち明けられないことは、それだけ周囲が気づいてあげられないことを意味し、将来のより大きな被害を招く原因にもなります。

このように、高齢者へのICTの普及は、便利さや幸福感をもたらすという良い側面がある一方、被害に巻き込まれ易くなるという悪い側面があります。従って、高齢者がICTを習得する際には、彼らが誤った利用をしないように適切な指導を行ったり、利用において生じる悩みを気軽に打ち明けたりできるように、家族や職場の上司などの周りの人間と信頼関係を構築することが必要です。

Parti, K. (2023). What is a capable guardian to older fraud victims? Comparison of younger and older victims’ characteristics of online fraud utilizing routine activity theory. Frontiers in Psychology, 14, 1118741. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2023.1118741

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

フェデラルオート、「JAECOO」ショールームをKLに開設

【クアラルンプール】 自動車製造のMBMリソーシズ子会社のフェデラル・オート・グループは、中国の自動車メーカー、奇瑞汽車(チェリー自動車)傘下ブランドの「JAECOO」のショールームをクアラルンプール(KL)に開設した。同社は1960年代よりボルボやフォルクスワーゲンの販売を行っている。

ショールームは、ショッピングモール「ミッドバレー・メガモール」近くのMBMRタワーに位置し、運営はフェデラル・オート・グループの子会社であるFAシノ・プレミアムが担当する。

フェデラル・オートは、来年にはKLのセガンバット地区に「JAECOO」の4S(販売、サービス、部品交換、板金塗装)センターもオープンする予定だという。

「JAECOO」は今年5月に国内ディーラー30社と契約し、販売・アフターサービス店合計35店舗を運営すると発表。6月には国内初となる3S(販売、サービス、部品交換)センターをセランゴール州シャアラムのグレンマリーに開設していた。
(ポールタン、8月15日)

プロトンが2025年版「X70」を発表、販売目標は月間2千台

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは15日、Cセグメント・スポーツ車(SUV)「X70」の2025年版を発表した。搭載エンジンは排気量1.5リッターTGDiガソリンエンジンのみとなり、デザインが変更されたほか、スマホを車載機器と接続する「アンドロイドオート」と「アップルカープレイ」(AACP)が初めて標準搭載された。

バリアントは「エグゼクティブAWD」と「1.8TGDiプレミアム」が廃止され、▽スタンダード▽エグゼクティブ▽プレミアム▽プレミアムX――の4種のみとなった。

保険なし価格はそれぞれ9万8,800リンギ、11万800リンギ、12万3,800リンギ、12万6,800リンギ。5年間の走行距離無制限保証、月間1ギガバイト(GB)の5年間データパッケージ、6回分の無償修理サービスが付属する。また先着購入者3,000人を対象に最大2万3,500リンギ相当の特典を無料で提供する。

ロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)は、「X70」がこれまで月間1,000―2,000台売れているため、機能強化と競争力ある価格設定により同程度以上の売上を目標に掲げると言明。マレーシア以外にも10カ国以上に輸出する計画だと述べた。
(ザ・スター電子版、ポールタン、ジグホイールズ、ベルナマ通信、8月15日)