【リマ】 ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水利転換相は16日、日本がマレーシアのエネルギー部門、特にグリーン水素部門への投資に関心を示し続けているという見解を明らかにした。

15―16日にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)会議に参加したファディラ副首相は、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、日本の4カ国との協議後の記者会見で、昨年12月に住友商事、エネオスの2社がサラワク経済開発公社(SEDC)との間で、日本市場を対象としたグリーン水素の大規模生産に向けた共同開発契約を締結するなど、日本はすでにグリーン水素分野でサラワク州に投資を行っていると強調。今回の協議でも両国の協力関係について議論が行われたが、詳細については持ち帰って政府レベルで検討するとした。

ファディラ副首相はまた、エネルギー移行に関する各国の戦略や、エネルギー安全保障、ベトナムのハラル(イスラムの戒律に則った)認証の開発、シンガポールによる中小企業能力開発および投資、2025年にマレーシアで開催予定の「第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」閣僚会議への協力などについても協議を行ったと説明。エネルギー担当大臣会合では、国家送電網を第三者企業が利用できる「第三者利用制度(TPA)」についての議論もあったとし、マレーシアでは22日に業界関係者との対話を行い、フィードバックを得た上で、9月にTPAの詳細を発表する予定だとした。

(ザ・サン電子版、ベルナマ通信、8月16日)