仏アコーホテルズ、来年第1四半期にKLでホテル2軒開業

【クアラルンプール】 ホテル経営大手の仏アコーホテルズは、2025年第1四半期に「グランド・メルキュール」と「イビス・スタイルズ」の2軒をクアラルンプール(KL)の中心部ブキビンタンで開業する。先ごろ、ホテル運営のシンガポール系ワールドワイド・ホテルズ・グループと覚書を取り交わした。

マレーシアでは初となる「グランド・メルキュール」の客室数は325室で、24時間営業のレストラン、フィットネスセンター、プールのほか、多目的会議室・イベントスペースを備える。

手頃な料金の「イビス・スタイルズ」の客室数は168室で、24時間営業のレストランとバー、セルフサービスのコインランドリー、フィットネスセンターが設置される。

アコーホテルズは現在、プレミアム、ミッドレンジ、エコノミー(PM&E)セグメントにおいて、▽プルマン▽モーベンピック▽ノボテル▽イビス▽イビス・スタイルズ――の5ブランドにより、マレーシアで24軒のホテルを運営している。

(SMEマガジン・アジア、8月28日、ホテルマネジメント、8月22日)

マレーシア航空の連続トラブル、部品不具合と熟練社員不足が原因

【プトラジャヤ】 技術的な問題による緊急着陸や引き返しが複数回発生しているマレーシア航空(MAB)について、アンソニー・ローク運輸相は、機械部品の不具合と熟練スタッフの不足が原因との見方を示した。

ローク氏は、マレーシア民間航空局(CAAM)が6月24日から28日にかけて航空機整備を手掛けるMABエンジニアリングサービス(MABES)に対して行った調査で、1月以降、有資格整備スタッフ411人のうち63人が退職したことが明らかになったと指摘。「CAAMはMABESの整備スタッフの退職は他のメンテナンス会社からの高給オファーによる引き抜きである可能性があると結論づけた」と述べた。同調査結果は28日に行われた閣議でも発表されたという。

その上でローク氏は、調査を受けてMABは航空機の安全レベルの向上、積極的な熟練人材の採用実施、航空機エンジンのスペアパーツの相手先ブランド製造会社(OEM)からの十分な供給確保などのいくつかの対策を取り纏めたとし、「MABは実施状況に関する月次報告書をCAAMに提出するよう指示されている」と述べた。またCAAMがMABに対する監査を実施できるように、MABの航空運送事業許可(AOC)の更新期間が3年から1年に短縮され、AOCの有効期間は2025年8月31日までとなったと述べた。

今回の問題を受けてマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は24日、MABなど傘下3社で12月まで一時的に減便すると発表。クアラルンプール(KL)―東京(成田)線が週12便から10便に、同大阪(関西)線が9便から7便に減便となることが決まっている。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月28日)

遅延5時間以上のフライト、購入者への全額返金を義務化

【プトラジャヤ】 航空利用者保護法の改正で9月2日から、5時間以上遅延したフライトについて航空会社は、チケット購入者に全額返金しなければならない。アンソニー・ローク運輸相が発表した。

返金手段は購入の際の手段と同じでなければならない。存在しない便の航空券購入を防ぐため、欠航便は予約システムから削除することも義務づけられる。法改正は航空会社の責任を明確にするのが目的。違反の場合、航空会社には最大20万リンギの罰金が科せられる。

予測不能な事情によるフライト遅延、取り止めの場合、航空会社は現金による返金でなく、旅行券やクレジットシェル(次回の予約や購入に利用できるポイント)の提供を申し出ることもできる。どれを選択するかは利用者の自由。

航空会社はまた、燃料サーチャージ、空港税、炭素税なども利用者に弁償しなければならない。これは払い戻し可能な航空券と払い戻し不可の航空券の両方に適用される。

2025年1月施行の変更では、離陸予定に変更がある場合、航空会社は実際の離陸より少なくとも2週間前に乗客に知らせなければならない。機器故障など異常事態の場合を除く。このほか▽乗客が搭乗後の搭乗拒否はできない▽利用者による苦情申し立ての期間は2年(従来は1年)とする――などが盛り込まれている。

(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、8月28日)

KLのジャランマスジットインディアを通行止め、陥没事故を受け

【クアラルンプール】 ファディラ・ユソフ副首相は28日、陥没事故が発生したクアラルンプール(KL)のジャラン・マスジッド・インディアの事故現場を訪問。約50メートル先の地点で2カ所目の陥没が発生したため、周辺一帯を一時通行止めにすると明らかにした。

国営「ベルナマ通信」によると、ジャラン・マスジッド・インディアからジャラン・ブヌスのメイバンクまでの道路が、車両が出入りできないよう警察の黄色いテープで封鎖されているという。ただし歩行者は影響を受けていない道路の通行を許可されており、周辺の店舗も通常通り営業している。

ファディラ副首相は、23日に発生した陥没事故の被害者である48歳のインド人観光客の捜索救助活動はいまだ続行中だが、それが完了し次第、地下設備の完全性監査を開始すると述べた。陥没が2カ所発生したことで、同様の事故を繰り返さないためにも、全関係者が地域の地下設備や排水システムを調査する必要があるとしている。

クアラルンプール市政府(DBKL)は、陥没事故の被害者がまだ発見されていないことから、30日に予定されていた独立記念日前夜祭を中止にすると発表した。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、8月28日)

ユーグレナ、ペトロナスの研究開発部門とバイオ燃料原料を研究へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ユーグレナ(本社・東京都港区)は28日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の研究開発部門子会社のペトロナスリサーチとの間で、21日付けで包括的共同研究契約を締結したと発表した。

両社は、微細藻類の大規模生産技術を確立し、持続可能な航空燃料(SAF)や水素化植物油(HVO)などのバイオ燃料の原料として活用することを目指す。具体的にはユーグレナがペトロナス、イタリアの石油企業エニと共に建設・運営する予定のバイオ燃料製造プラントへのバイオ燃料用原料の供給を行うという。微細藻類の大規模生産に向けた培養、藻体回収、油脂抽出、脱脂藻体等の副産物利用などに関する技術開発などを共同で実施していく。

バイオ燃料製造プラントに関しては、今年7月に3社が最終投資決定を行っており、合弁会社を設立の上、ジョホール州でペトロナスが運営するペンゲラン総合石油コンプレックス(PIC)内で今年第4四半期にプラント建設を開始する予定となっている。