【プトラジャヤ】 技術的な問題による緊急着陸や引き返しが複数回発生しているマレーシア航空(MAB)について、アンソニー・ローク運輸相は、機械部品の不具合と熟練スタッフの不足が原因との見方を示した。

ローク氏は、マレーシア民間航空局(CAAM)が6月24日から28日にかけて航空機整備を手掛けるMABエンジニアリングサービス(MABES)に対して行った調査で、1月以降、有資格整備スタッフ411人のうち63人が退職したことが明らかになったと指摘。「CAAMはMABESの整備スタッフの退職は他のメンテナンス会社からの高給オファーによる引き抜きである可能性があると結論づけた」と述べた。同調査結果は28日に行われた閣議でも発表されたという。

その上でローク氏は、調査を受けてMABは航空機の安全レベルの向上、積極的な熟練人材の採用実施、航空機エンジンのスペアパーツの相手先ブランド製造会社(OEM)からの十分な供給確保などのいくつかの対策を取り纏めたとし、「MABは実施状況に関する月次報告書をCAAMに提出するよう指示されている」と述べた。またCAAMがMABに対する監査を実施できるように、MABの航空運送事業許可(AOC)の更新期間が3年から1年に短縮され、AOCの有効期間は2025年8月31日までとなったと述べた。

今回の問題を受けてマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は24日、MABなど傘下3社で12月まで一時的に減便すると発表。クアラルンプール(KL)―東京(成田)線が週12便から10便に、同大阪(関西)線が9便から7便に減便となることが決まっている。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、8月28日)