マレーシア政府職員、ソフトバンク最先端技術を視察

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ソフトバンク(本社・東京都港区)は21日、マレーシアの通信省の事務次官を含む政府職員13名が7日に同社の竹芝本社を訪問したと発表した。

国際協力機構(JICA)主催のマレーシア国別研修「LEP2.0 コミュニケ―ション・マルチメディア産業」の一環。一行は約1週間の日本滞在中、第5世代移動通信(5G)関連政策や導入に伴うセキュリティ対策などについて理解を深めるため、さまざまな分野の視察を行った。

ソフトバンクでは職員に対し、成層圏通信プラットフォーム「HAPS」や5G網などの最先端技術に関するプレゼンテーションを行った。赤道直下に位置し日照時間の長いマレーシアでは、太陽光で飛ぶHAPSの導入に好条件が揃っているため、参加者からの関心を集めたという。一行は最先端テクノロジーの体験施設「EBC」も見学。遠隔操縦技術のシミュレーションやスマートビル技術などを体験した。

インド公式訪問で貿易80億リンギ、投資45億リンギを確保=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は、インドのナレンドラ・モディ首相の招きにより19日から3日間の日程でインドを公式訪問した。首相就任後初めての訪問となる。

公式訪問により、覚書8件を締結し、潜在的貿易80億リンギ、投資45億リンギを確保した。企業間でも7件の覚書が締結されている。

アンワル首相によると、8件の覚書は、労働者採用、伝統医療、デジタル技術、文化、観光、公共行政など幅広い分野にわたるもので、両国の協力関係の促進が期待できるという。

アンワル首相はまた、パーム油・パーム油製品、化学製品、石油・ガス、航空機部品の分野において、80億リンギの潜在的貿易を確保したと言明。IT企業大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)およびHCLテクノロジーズ 、食用油のエマミ・アグロテックの代表との会談や他企業との懇親会により、総額45億リンギの投資も確保したとした。

(マレー・メイル、エッジ、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、8月21日)

今年上半期のペナンへの投資は313.8億リンギ=NCER

【ジョージタウン】 北部回廊経済圏(NCER)の推進母体であるマレーシア北部回廊実行庁(NCIA)は20日、2024年上半期のペナンへの投資額が313.8億リンギに達したと発表した。

NCIAのモハマド・ハリス最高責任者は声明で、上半期の投資は「NCER戦略開発計画」の対象セクターである、高付加価値製造、先進サービス、近代農業などを網羅しており、6,600人以上の雇用機会が創出されたとし、下半期の電気・電子(E&E)・半導体分野のビジネス強化にもつながると述べた。

モハマド・ハリス氏はまた、ペナン州バヤンレパスで建設が進められていたNCERテクノロジー・イノベーション・センター(NTIC)について、建物は完成しており、まもなく業務を開始する予定だとし、NTICは研究、製品開発、専門設計を目的としたセンターで、地元の大企業、多国籍企業、新興企業、技術者、若手起業家が高付加価値な技術活動を行い、独自の知的財産を生み出すためのプラットフォームとして機能すると述べた。テクノロジーやイノベーションのハブとしてのペナンの地位をさらに強化することを目指すとしている。具体的には、州内中小企業16社がNTICからの助成金を受けており、NTICの先進技術マイスター・プログラム(ATMP)では、地元労働者144人が技術研修を受けるという。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレーシアン・リザーブ、8月20日)

セランゴール州開発公社、キャリー島を湾岸都市として開発へ

【クアラルンプール】 セランゴール州開発公社(PKNS)は、同州キャリー島を湾岸都市として開発する計画を進めている。マフムド・アッバス最高責任者が明らかにした。

マフムド・アッバス氏は、経済紙「エッジ」の取材に対し、PKNSは現在、キャリー島での新港建設に必要な面積について調査しているとし、州政府から開発用地として水面下の土地の所有を認められたと述べた。

新港の岸壁の総延長は約16キロメートル(km)で、クラン港のコンテナヤードを上回る。コンテナ処理能力も、拡張工事が進められているクラン港以上の年間3,000万TEU(20フィート標準コンテナ換算)になると想定されている。開発は4期に分けて行われ、第1期は2030年、全体としては2060年までに完成する予定。開発費用は約280億リンギとなる見込み。アンソニー・ローク運輸相が昨年9月に同港の実現可能性調査の完了を発表し、同10月にはセランゴール州のアミルディン・シャリ首相が開発に向けた提案依頼を行う準備ができていると述べていた。

マフムド・アッバス氏はまた、埋め立て地に建設される新港は、総面積1万3,000ヘクタールのキャリー島の一部しか使用しないため、別途湾岸都市の開発も検討していると述べた。

(エッジ、8月20日)

タイ国鉄、バンコク―ペナン直通国際列車を再開へ

【クアラルンプール】 マレーシア・タイ両国は、タイ・バンコク(バンスー中央駅)とペナン・バタワース駅を結ぶ直通国際列車サービスを再開する方向で合意した。タイ国鉄(SRT)のエカラット・スリアラヤポン総裁室長が発表した。向こう2―3カ月内の運行開始を目指す。

直通国際列車サービス再開は、先ごろサバ州コタキナバルで開催された「第42回マレーシア国鉄(KTMB)―SRT合同会議」で合意された。プロジェクトの詳細を確定するための共同作業グループが設立され、6カ月の試験運用期間を経て本格的に直通国際列車サービスを開始する予定だ。

SRTは長らく運行されてきたバンコク―ペナン間の直通国際列車を2016年に廃止し、両国国境のパダンベサル止まりに変更していた。

エカラット氏は、観光と経済成長の促進を目指すタイ政府の政策の一環で、タイ・マレーシア間を行き来する旅行者にシームレスな接続を提供するのが狙いだとしている。

同合同会議では、クアラルンプール(KL)から運行されているKTMBの「マイサワディー」観光列車の行き先を休日だけハジャイからスラタニまで延長する計画についても議論された。

また国境を越えた貨物輸送の強化についても議論され、SRTはハジャイやパダンベサルを含む主要ルートでの貨物輸送を強化することを約束した。マレーシア、タイ、ラオス、中国を結ぶ「ASEAN(東南アジア諸国連合)エクスプレス」貨物列車サービスも運行頻度が増やされる見通しだ。

(フリー・マレーシア・トゥデー、ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、8月21日)

疑わしい金融取引を検出する「国家詐欺ポータル」運用開始

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラのアブドル・ラシード総裁は20日、人工知能(AI)を活用して疑わしい金融取引を検出する「国家詐欺ポータル(NFP)」の運用を開始したと発表した。

アブドル・ラシード総裁は、NFPはモジュール設計を採用することで継続的に機能を改善できるようにしていると説明。現在、16の金融機関が参加しているが、さらに多くの機関が近く参加する予定だとした。

同氏はマレーシアでは金融詐欺による損失は金融取引全体から見ると比較的小さいものの、国内の金融システムへの信頼性を確保するためにも、脅威を特定し克服することが必要だと指摘。サイバー犯罪は今後もテクノロジーを悪用することが予想されるため、金融詐欺との戦いは継続するとし、テクノロジーの最適化、官民協力体制の育成、消費者の権利強化という3方面から詐欺撲滅を図っていくとした。

NFPの運用開始により、盗まれた資金を複数の金融機関や決済システムにまたがり追跡する機能が自動化されるため、国家詐欺対策センター(NSRC)の機能が強化される。また、被害者がNSRCホットラインに連絡することで、盗まれた資金のシステム外への移動も防ぐことができるようになり、資金を取り戻せる可能性も高まったという。

(ザ・スター電子版、ベルナマ通信、8月20日)

先端技術のGodot、ジェトロの進出支援プログラムに採択

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ディープテック(高度先端技術)新興企業のゴドー(Godot、本社・兵庫県神戸市)は20日、日本貿易振興機構(ジェトロ)の「J-Bridgeエスコート・プログラム(マレーシア):グリーン・トランスフォーメーション・アクセラレーション・プログラム2024」の支援企業5社のひとつに選ばれたと発表した。

同プログラムはジェトロがオープンイノベーションの推進を目的に、サンウェイ・グループのイノベーション部門サンウェイiラボと連携し、日本企業と海外企業のグリーン技術(GX)などを活用した連携・協業を支援するもの。採択企業は、協業先候補の発掘から事業化に向けたメンタリングまで伴走する一貫支援を受けることができる。Godotは、同プログラムのワークショップや現地ミッション、ビジネスマッチング等を活用し、東南アジア地域での事業展開に向けた下地づくりを進めていく。

Godotは2022年7月に設立。創業以来、日本国内で特定健診やがん検診の受診率向上など、主にヘルスケア領域において実績を積んできた。同時に、国際組織や海外機関との連携、創業1年目でのウィーン拠点開設など、欧米中心に海外進出も進めてきたが、本プログラムを機に、東南アジア地域におけるGX推進や健康増進に取り組み、グローバル課題解決の可能性を拡げていく方針だ。

マレーシアはAI技術トップ20カ国入りを目指す=首相

【シャアラム】 アンワル・イブラヒム首相は19日、マレーシアは、人工知能(AI)技術でトップ20カ国入りを目指しているとし、目標達成に向け、AI関連技術の研究者、開発者、政策決定者が協力するよう呼びかけた。

アンワル首相は同日マレーシア工科大学(UTM)シャアラム校で開催された国際会議でのスピーチで、責任ある倫理的なAI開発促進には関係者間の協力が不可欠だと言明。政府は国家AIエコシステムの構築に向け取り組んでいるとし、AI研究教育センターや独自のAIクラウドシステムの開発を計画しているとした。

一方、ディープフェイク技術を用いた偽画像・動画など、AIの危険な側面にも注意が必要だとし、政府は政策や法律を通じて、AIが社会に及ぼす悪影響を最小限に抑え、強固なAIガバナンスを確保することを目指すと述べた。具体的には、ASEAN(東南アジア諸国連合)内でのデジタル経済協力、個人情報保護法の改正、サイバーセキュリティ法案やデータ共有法案の策定に取り組んでいるという。

(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、8月19日)

ペナン港で浮体式太陽光発電所の建設計画が浮上

【ジョージタウン】 ペナン港で、停泊中の国際クルーズ船に再生可能エネルギー(RE)を供給するための、浮体式太陽光発電所の建設計画が浮上している。英字紙「ザ・スター」が報じた。2030年以降、RE電力が供給できない港湾にはクルーズ船が寄港しなくなる可能性があるためだという。

ペナン港沖のサッカー場3個分に相当する4ヘクタールに及ぶエリアに浮体式太陽光発電所を設置するというもので、晴れた日には6,000世帯に電力を供給できる規模の30メガワットの発電量が見込まれるという。ペナン本土沖のノースバターワース・コンテナターミナル(NBCT)とデルマガ・ダラムの間の海域が候補地となっている。今後、事業化調査が行われるという。

スウェッテナム・ピアクルーズ・ターミナル(SPCT)に寄港するクルーズ船にRE電力を供給することが狙いで、RE電力の利用を希望する国際クルーズ会社にとってペナン港が魅力的なものとなると期待されている。

港湾におけるRE電力供給は、国際海事機関(IMO)が2030年を目標にしている温室効果ガス(GHG)40%削減の達成に向け、船舶に供給する電力の少なくとも5-10%削減を目標に掲げており、RE供給インフラがない港湾にはクルーズ船が寄港しなくなる可能性があるという。

(ザ・スター、マレー・メイル、8月20日)

KL中心部に5つ星ホテル「インペリアルレクシス」がオープン

【クアラルンプール】 ホテル運営のレクシスホテルグループは、クアラルンプール中心部に5つ星ホテル「インペリアル・レクシス・クアラルンプール」をオープンした。

53階建てで、客室数は275室。インフィニティ・プールを備えているが、全客室に小さなプライベートプールも付属している。51階には宿泊客専用のスカイデッキ展望台があり、ペトロナス・ツインタワーやKLタワーを間近に見ることができる。環境にも配慮しており、アメニティやパッケージに環境に優しい素材を使用し、エネルギー効率の高い技術を取り入れている。タブレットやモバイル端末によるモバイルチェックインも採用しており、紙の使用量を削減している。

公式ウェブサイト(https://www.imperiallexiskl.com/)からの直接予約で、限定特典が受けられるという。

(ベルナマ通信、8月17日)