スポーツカーのロータス、旗艦店をシャアラムに開設

【クアラルンプール】 スポーツカーのロータス・カーズ・マレーシアは、セランゴール州シャアラムのグレンマリーに旗艦店「ロータス・クアラルンプール」を開設した。

床面積は1,765平方フィートで、そのうち987平方フィートをショールームが占める。2基の納車ベイ、顧客ラウンジ、専用商品エリア、ロータス車をカスタマイズできるコンフィギュレーター・ルームも備えている。営業時間は月―土曜が午前8時30分―午後5時30分、日・祝日は午前10時―午後4時。同社は今年3月、クアラルンプールのショッピングモール「パビリオン・ダマンサラ・ハイツ・モール」内に初の「ロータス・ストア」をオープンしており、今回開設した店舗は国内2店舗目となる。

開所式では同ブランドで初となる完全電気自動車(EV)の「エメヤ ハイパーGT」の公式発表も行われた。マレーシアには中国で製造された3バリアントが輸入され、保険なし価格は55万5,000―77万7,000リンギ。本体には5年間または走行距離15万キロメートル(km)までの保証、バッテリーには8年間または20万kmの保証が付属する。

(ポールタン、モタオート、8月16日)

UMWトヨタ、新型ハイラックスなど3車種の予約受付を開始

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーターは、ピックアップトラック「ハイラックス」、スポーツ多目的車(SUV)「フォーチュナー」、スポーツ車「GR86」の最新モデルの予約受付を開始した。全国のトヨタ正規ディーラーで予約可能だが、「GR86」のみ「GRガレージ」9店舗限定での予約受付となる。

新型「ハイラックス」の価格は10万4,880リンギから。リモートエンジンスタート、ワイヤレス充電器、パノラマビューモニターなどの先進的機能が追加され、運転の安全性と利便性が強化された。

新型「フォーチュナー」の価格は19万5,800リンギからとなり、新しいGRボディキットとリモートエンジンスタートが搭載された。

新型「GR86」の価格は29万5,000リンギからとなり、スロットルレスポンスやサスペンションの改善、電動パワーステアリングの再調整、シフトダウン後のエンジン回転数向上などの改良が施され、フロントとリアにデジタルビデオレコーダーも搭載されている。

ラビンドラン・クルサミー社長は、ラインナップを継続的に改善することで、顧客の期待を超える最高の運転体験を提供していくと述べた。

(モタオート、8月17日、ジグホイールズ、8月16日)

新型公共バスをネグリセンビラン州で導入、今後全国にも展開へ

【ジェレブ】 アンソニー・ローク運輸相は16日、ネグリ・センビラン州で全国初となる新型バスを導入すると発表した。公共バスサービス変革(SBST)プログラムによるもので、ピンク色の新型バスおよびキャッシュレス決済システムを導入する。

ローク運輸相によると、連邦政府はネグリ・センビラン州に7,900万リンギを割り当て、44台のミニバスと2台のワゴン車を導入。地元バス運営企業ゴピ・トラベル・ツアーズにクアラ・クラワン、クアラ・ピラ/バハウ、ポート・ディクソンの3路線の運行を委託した。契約期間は5年間。新型バスでは運行間隔は30分から1時間の間で一定に保たれており、GPS(全地球測位システム)および監視カメラにより監視されるという。高齢者、障害者、学生は事前登録の上、無料で利用できるようにする。

ローク運輸相は、今後、ジョホールバル(ジョホール州)、マラッカ(マラッカ州)、カンガー(ペルリス州)、イポー(ペラ州)、クアラ・トレンガヌ(トレンガヌ州)、クアンタン(パハン州)、コタ・セタル(ケダ州)、コタ・バル(クランタン州)などの都市や、東マレーシア(サバ、サラワクの両州)での新型バスの段階的導入を目指すとし、マラッカではすでに新しい運行業者が決定しており、間もなく新型バスが導入される予定だとした。一方、他州では現行契約が満了するまで待つ必要があるとしている。

ローク運輸相はまた、新型バスの色としてピンク色を選んだのは、明るい印象を与え、より多くの人々に公共交通機関を利用してもらうためだと説明。セレンバンではバス第1ターミナルの改修も進行中で来年完工する予定だとし、同地では透析センターや病院に定期的に通う必要がある市民を対象にした、予約制のバスも運行する予定だと述べた。

(エッジ、ベルナマ通信、8月16日)

マレーシア、個人認証およびデジタルIDにワールドコインを採用

【クアラルンプール】 デジタル省傘下の研究開発組織マレーシア・マイクロエレクトロニクス・システム研究所(MIMOS)は16日、仮想通貨(暗号通貨)のワールドコイン財団、その開発組織であるツールズ・フォー・ヒューマニティ(TFH)、電子政府サービスの現地企業MyEGサービシズとの間で覚書(MoU)を締結した。仮想通貨「ワールドコイン」の虹彩スキャン技術を個人認証やデジタルIDに活用する。

「ワールドコイン」は、生成人工知能(AI)開発に携わる米オープンAIの創設者であるサム・アルトマン氏らが立ち上げたもの。MIMOSは、TFHの最先端虹彩認証デバイス「オーブ」を活用することで、国内のデジタル認証を改善できるとしている。また、「オーブ」の共同製造、ワールドチェーンとマレーシアの国家ブロックチェーン・インフラの接続、ワールドコイン技術のオープンソース利用などについても検討する。

TFHはオーブやアプリに関する技術知識とサポートを提供し、MyEGは技術統合とハードウェア展開に取り組む。

ワールドコインは欧州やラテンアメリカなどでサービス拡大を行っているが、一部の国では生体認証データの収集に関する懸念も高まっており、香港やスペインなどでプライバシー条例違反の疑いでサービス停止に至っている。一方、ワールドコインは5月、生体認証データシステムを一般公開することで、ユーザーが古い虹彩コードを安全に削除できると発表し、一時サービスを停止していたケニアでは利用が再開されている。

(コインテレグラフ、クリプトステート、8月16日)

【イスラム金融の基礎知識】第550回:イギリスの三タイプのイスラム式住宅ローン

第550回:イギリスの三タイプのイスラム式住宅ローン

Q: イギリスのイスラム式住宅ローンで人気のタイプは?

A: イギリスでは、マレーシアと同様に銀行やノン・バンクからイスラム式で住宅ローンを組める。同国の情報サイトが、住宅購入プラン(HPP)と呼ばれる三つの主要な住宅ローンの特徴と違いを解説している。

イスラム金融機関は、銀行利子に代わり独自の方法を用いる。その際、伝統的な契約形態の名称がそのまま融資の呼び名に採用されている。HPPではムシャーラカ、イジャーラ、ムラーバハの三つの融資が主に用いている。

もっとも多く利用されている手法が、ムシャーラカ契約に基づくHPPだ。これは、まず初めに金融機関と利用者が住宅を共同購入し、その後利用者が金融機関の持分を分割で買い取ることにより、完済後に住宅は利用者のものになる。共同購入時に住宅価格の一部を利用者が負担することで、結果的に頭金として機能するが、住宅価格の5%から20%を利用者が最初に支払うのが標準的とされる。

次に利用されるのがイジャーラ契約に基づくHPPだ。これは、イスラム金融機関が購入した住宅を利用者にリースするもので、利用者からみれば賃貸に相当する。この方法では、利用者は対象住宅を所有できない。ただし、賃貸期間後に中古住宅として利用者が買い取ることも可能である。この方法は、マレーシアではAITABと呼ばれている。

3番目の方法がムラーバハ契約に基づくHPPだ。これは、イスラム金融機関が住宅を購入し、購入原価に金融機関の利益を上乗せした価格で、利用者に割賦販売を行う方法である。イギリスでは、この方式は商業用地・不動産開発に用いられる一方、個人向け住宅で用いられることは多くないという。

イギリスではムシャーラカ融資が主流だが、マレーシアではムラーバハ融資が中心だ。同じ東南アジアでも、インドネシアではどちらかといえばイギリスに近い。国や地域によって、考え方や特性に差があるようだ。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

シンガポール大手行のUOB、一部業務をマレーシアに移管

【クアラルンプール】 シンガポール大手銀行の大華銀行(UOB)は、利益率維持を目的として、バックオフィス、ミドルオフィス業務の一部をマレーシアに移管する。

リー・ワイファイ最高財務責任者(CFO)の発表によると、2026年まで費用対収益比率の40%維持を図る。主にクアラルンプールに業務を移管する。シンガポールの経費が高いための決断だ。バックオフィス業務は顧客に直接、接する機会が特にない事務管理部門を、ミドルオフィスは経営企画や広報、マーケティングなど、直接部門がより高い成果を生むためにサポートする部門を指す。

東南アジア諸国連合(ASEAN)業務の拡大、金利収入以外の業務の拡大と合わせ、株主資本利益率(ROE)も同年まで14%前後の維持を図る。

UOBはASEANではインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムに注力しており、2026年には連結決算に占める利益の割合が30%に達すると予想している。また資産管理、トレードファイナンス、財務管理サービス部門の収益増を計画している。

(シンガポール・ビジネス・タイムズ、フィンテック・ニュース、8月15日)

「すし金」がインドネシアに進出、10年内に150店を計画

【ジョージタウン】 日系テクスケム・リソーシズは、先ごろ回転寿司チェーン「すし金」のインドネシア進出を果たした。ジャカルタ郊外に「すし金」2店舗をオープンした。開店費用は約100万リンギ。10年内にインドネシア国内に150店舗を設立する。

テクスケム・グループの創始者である小西史彦会長が明らかにした。向こう5―10年の間に2億2,000万リンギを投じ、マレーシアとインドネシアに合計220店舗を新設する計画だという。

インドネシアでは今年11、12月にジャカルタでさらに2店舗、来年はさらに10店舗の開設を予定している。その後はジャカルタと他の大都市に10店舗を設立し、5年から10年をかけてインドネシア国内に150店舗を設立する。最終的にインドネシアで1,000店舗まで増やす予定。またマレーシア国内では、店舗数を現在の130店から200店に増やす計画だ。

ペナンに本社を置くテクスケム・グループは、工業、高分子材料科学、食品、外食、ベンチャービジネスの5つの中核事業を有している。工業や高分子材料科学部門に比べて食品、および「すし金」を擁する外食部門は厳しい経営環境に置かれているが、経営改善に向けた継続的な取り組みが成果を上げ始めているという。

(ザ・スター、8月19日)

日本はグリーン水素投資への関心を継続=ファディラ副首相

【リマ】 ファディラ・ユソフ副首相兼エネルギー移行・水利転換相は16日、日本がマレーシアのエネルギー部門、特にグリーン水素部門への投資に関心を示し続けているという見解を明らかにした。

15―16日にペルーで開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)会議に参加したファディラ副首相は、シンガポール、ベトナム、ブルネイ、日本の4カ国との協議後の記者会見で、昨年12月に住友商事、エネオスの2社がサラワク経済開発公社(SEDC)との間で、日本市場を対象としたグリーン水素の大規模生産に向けた共同開発契約を締結するなど、日本はすでにグリーン水素分野でサラワク州に投資を行っていると強調。今回の協議でも両国の協力関係について議論が行われたが、詳細については持ち帰って政府レベルで検討するとした。

ファディラ副首相はまた、エネルギー移行に関する各国の戦略や、エネルギー安全保障、ベトナムのハラル(イスラムの戒律に則った)認証の開発、シンガポールによる中小企業能力開発および投資、2025年にマレーシアで開催予定の「第3回アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」閣僚会議への協力などについても協議を行ったと説明。エネルギー担当大臣会合では、国家送電網を第三者企業が利用できる「第三者利用制度(TPA)」についての議論もあったとし、マレーシアでは22日に業界関係者との対話を行い、フィードバックを得た上で、9月にTPAの詳細を発表する予定だとした。

(ザ・サン電子版、ベルナマ通信、8月16日)

マレーシアのEVシェアは年内に2%に達する可能性=EON

【ベントン】 DRBハイコム子会社の自動車販売会社エダラン・オトモビル・ナショナル(EON)は、電気自動車(EV)の新型モデルの投入を受け、マレーシアの新車市場におけるEVのシェアが年末までに2%に達する可能性があるとの見通しを示した。

EONのアクバル・ダニエル最高経営責任者(CEO)は、2024年6月時点で国内の自動車市場におけるEVのシェアがすでに約1.5%に達していると指摘。今年は新たなブランドの登場やプロトンのEVブランド「e.MAS」の初モデル発表など国産モデルの投入により、シェアが2%に上昇すると予想していると述べた。

アクバルCEOは、「国内EV市場の成長は、顧客の認知度の向上とEVへの移行意欲によるもの」と指摘。長距離ドライブ用充電施設が整備されていることも成長要因になっているとし、「EVに乗るためにわざわざ首都圏に移住する必要がなくなっている」と述べた。

マレーシア自動車連盟(MAA)によると、会員企業の上半期のEV販売台数は前年同期比112%増の6,617台で、新車販売台数(39万269台)に占めるEVシェアは16.95%だった。

(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、8月15日)

香港エクスプレス航空、11月に香港―ペナン線を就航へ

【香港】 格安航空会社の香港エクスプレス航空は、香港―ペナン線を新規開設すると発表した。11月21日にデイリー運航を開始する。

香港エクスプレス航空にとり初のマレーシア路線となる。往路の「UO748」便は香港発午後8時10分、ペナン着深夜0時10分。復路の「UO749」便はペナン発深夜0時45分、香港着午前4時40分。

同社は積極的に路線を拡大しており、今年はクラーク(フィリピン)、北京、バンコク(ドンムアン国際空港)などにも就航している。

香港エクスプレス航空のジャネット・マオ最高経営責任者(CEO)は、香港からペナンへの新規路線の開設は、マレーシア市場への参入のみでなく、同社の「香港とアジア各地域を結ぶ」戦略展開の節目ともなると述べた。今後もアジア全域で路線を拡大していくとしている。
(トラベル・デイリー・ニュース、8月15日、LARA、8月14日)