多角経営のPPB、向こう5年で7.9億リンギの設備投資

【クアラルンプール】 穀物販売、映画興行、食品加工など多角経営のPPBグループは、向こう5年間で7億8,700万リンギを設備投資に割り当てる方針を明らかにした。

中国の製粉工場への投資とマレーシアのサイロおよびトウモロコシ工場の建設に3億9,200万リンギ、マレーシアでの7つの新映画館開設と既存の映画館の改修に2億9,600万リンギをそれぞれ投じる。また消費者向け食品加工部門のシステムアップグレードと自動化に6,700万リンギ、「チェラス・レジャーモール」の改修に3,200リンギをそれぞれ割り当てる。

メディア向け説明会に出席したリム・スーンフアット社長は、気候変動、地政学的紛争、経済および金融市場の不安定性によって引き起こされる混乱の影響を軽減するために、サプライチェーン管理と業務効率の向上に重点を置くと言明。「穀物市場の不安定性がPPBグループの課題のひとつだが、問題は価格変動をどれだけ上手に管理できるかだ」、「市場の不安定性はさらに高まる可能性がある。地政学的展開を予測することはできない」と述べた。

PPBグループは、農業ビジネスや加工食品販売を手掛けるFFM、シネコン経営のゴールデン・スクリーン・シネマ(GSC)を傘下に持つ。

(ベルナマ通信、9月5日)

民族間平等、都市と農村で意見が相違=ムルデカ青少年調査

【クアラルンプール】 世論調査機関のムルデカ・センターが青少年を対象に実施した調査によると、ブミプトラ(マレー系および先住民)優遇政策の支持について、マレー系の中でも都市部と農村部では意見が異なる傾向が明らかになった。

東マレーシアでは、回答者の65%が全民族の平等を支持、反対は33%だった。マレー半島の中部地域では52%が支持、47%が反対、南部では53%が支持、44%が反対だった。その一方、北部では、46%が支持、51%が反対、東海岸では22%が支持、75%が反対という結果となった。

他民族との交流機会が多い都市部では、平等を受け入れる傾向にあるが、農村部では、マレー系以外のコミュニティと接する機会が少ないため、特権を守りたいという傾向が強くなっているという。

民族間の差別意識は増加傾向にある。華人の57%、インド系の58%が「政府から不当な扱いを受けており、頻繁に差別を受けている」と回答した。マレー系は同じマレー系を信頼すると回答したのは75%だったが、他民族に対する信頼度は低く、華人を信頼しているのは57%、インド系を信頼しているのは53%にとどまった。華人では、同じ華人への信頼度は95%、マレー系は92%、インド系は83%。インド系では同じインド系で85%、マレー系で79%、華人で83%となった。

本調査は2024年4月3日―5月12日、18―30歳の1,605人を対象に、電話インタビューにより実施された。回答者の57%がマレー系、21%が華人、7%がインド系。20%が18―20歳、41%が21―24歳、39%が25―30歳だった。

(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、9月6日)

マレーシア航空、来年3月22日にKL―パリ線を再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空は6日、クアラルンプール(KL)と仏パリ(シャルル・ドゴール空港)を結ぶ直行便を2025年3月22日に再開すると発表した。同路線及び欧州大陸路線の運航は9年ぶり。

マレーシア航空のKL―パリ線は1981年に就航したが、ボーイング「B777」型機の段階的廃止に伴い、2016年1月にパリ線の運航を停止していた。

機材はエアバス「A350-900」型機を使用。マレーシア航空にとって68都市目の乗り入れ先となる。3月22日―28日は週4回運航を行うが、29日からデイリー運航を行う。運賃は往復3,699リンギから。9月6日から発売を開始した。

デイリー運航のスケジュールは往路の「MH21」便はKL発が23時40分、パリ着が翌日の6時40分。復路の「MH20」便はパリ発が11時25分、KL着が翌日の6時10分となっている。

マレーシア航空は2016年の再編以前、パリ線のほかドイツ線(フランクフルト、ミュンヘン)、イタリア線(ローマ)、スペイン線(マドリード)、スイス線(チューリッヒ)を運航していた。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、9月6日)

ジョホール港、8月にコンテナ取扱量10万TEUを突破

【クアラルンプール】 ジョホール港の運営を手がけるMMCグループ傘下のジョホール・ポートは、8月にコンテナ取扱量が10万2,324TEU(20フィート標準コンテナ換算)となり、2019年7月の9万9,039TEUを抜いて月間取扱量の最高記録を更新した。

今年年初8カ月(1―8月)の累計取扱量は69万8,914TEUとなり、前年同期比15.7%の大幅増となった。ジョホール・ポートは、ジョホールにおける貿易活動の増加とジョホール港のサービスレベルの向上を反映していると分析。向こう5年間で10億リンギ以上の設備投資を割り当て、インフラ改善と新機器購入により港湾業務の一部を自動化すると明らかにした。

デリック・バシル最高経営責任者(CEO)は、同港が毎日平均1,700人の外部運送業者を管理し、ヤード利用率が最大120%に達したとした上で、同港の貨物処理能力および地元の輸出入業者や産業を支援する能力を示したと述べた。

マレーシア運送業者協会のズルファリク・アブドル・マナップ副会長は、貨物量の急増によりジョホール港を利用する運送業者の数が増えたにもかかわらず、トラックターンアラウンドタイム(TTT=トラックが港に着いてから荷積み・荷下ろしを終えて港を出るまでの時間)は適切に管理され、ほぼすべてのトラックのTTTが45分未満だったと述べた。

(ザ・スター、9月6日)

来年度予算はインフレ抑制と生活費対策に重点=アンワル首相

【ポート・ディクソン】 アンワル・イブラヒム首相は8日、2025年度予算について、インフレ抑制や生活費の上昇に対処する戦略を優先する考えを明らかにした。

ロシアへの公式訪問を終えたアンワル首相は、ロシアのインフレ率は8%である一方、マレーシアのインフレ率は2%と、タイ、インドネシア、シンガポールなどの近隣諸国よりも低く、また安定していると強調。ただし一部の食品部門では3―3.5%となっているため、10月に発表する予算案では、生活費対策に重点を置くと述べた。政府運営でも無駄な出費の削減に向け取り組みを行っていくとしている。

統計局の発表によると、今年5―7月の消費者物価指数(CPI)は、前年同期比2.0%増にとどまっており、特にインフレ率を押し上げているのは、外食・宿泊(3.4%)、家賃・光熱費および雑品・サービス(3.2%)となっている。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、9月8日)