ZUSコーヒー、海外展開に向け2.5億リンギを調達

【クアラルンプール】 地元コーヒー・チェーンのZUSコーヒーは10日、公務員年金基金(KWAP)、投資企業のKVアジアキャピタル、インドネシアのカパル・アピ・グループから総額2億5,000万リンギの出資を受けたと発表した。カパル・アピは、インドネシアのコーヒー・チェーン「エクセルソ」の所有企業。

ZUSコーヒーの声明によると、資金調達は海外展開に向けてのもので、年内にシンガポールとブルネイで店舗を開設する。来年以降、別の国・地域に展開する計画も進行しているという。

ZUSコーヒーは2019年、クアラルンプールで1号店を開設。他店に先駆けて専用アプリを導入するなど、テクノロジー主導の事業展開を行っている。また、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区侵攻の影響で、競合となる「スターバックス」が不買運動の対象となった中、売り上げを伸ばしている。2023年にはフィリピンに進出し、同国で50店舗を展開。域内全体の店舗数は約600店舗に達している。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、9月10日)

ITのデータプレップ、「デスクネッツネオ」をマレーシアで販売へ

【クアラルンプール】 IT製品のデータプレップ・ホールディングスは、ネオジャパン(本社・神奈川県横浜市)のマレーシア子会社ネオレカ・アジアと提携し、ネオジャパン製品をマレーシアで販売すると発表した。

データプレップが10日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、同社は、ネオジャパンが提供するグループウェア「デスクネッツネオ」のマレーシアにおける認定販売業者となる。契約期間は3年間。

「デスクネッツネオ」は、プログラミング不要で社内情報の集約や業務改善が可能となるツールで、直感的な操作性や使いやすさが特徴。日本では企業の業種や規模を問わず、また政府機関や自治体などにも導入されている。

(エッジ、9月10日)

田中貴金属工業、貴金属回収技術でMEPエンバイロを支援

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 産業用貴金属の田中貴金属工業(本社・東京都中央区)は11日、マレーシアの大手資源回収企業MEPエンバイロ・テクノロジー(MEPSB)との間で、貴金属回収技術援助契約を締結したと発表した。

MEPSBは、ペナン州のブキ・ミニャック工業団地に新たな回収工場を建設し、8月8日に落成式を開催。そこで、田中貴金属工業とMEPSBの貴金属回収技術援助契約の調印式も行われた。

MEPSBの回収工場において田中貴金属工業は、電気・電子製品の廃棄物からの貴金属リサイクル技術支援を行う。MEPSBが、廃棄物の集荷および、貴金属を濃縮するための前処理を行った後、その濃縮された貴金属を田中貴金属の日本拠点で高純度精製を行い、再利用可能とする。田中貴金属工業が培った貴金属リサイクルプロセスを導入することで、貴金属回収における高いリサイクル率に貢献できるという。

田中貴金属工業は、貴金属リサイクルのグローバル展開を推進しており、マレーシア国内において、新たな貴金属リサイクルスキームを構築したことをきっかけに、東南アジアをはじめとする世界各国において、さらなる貴金属リサイクル事業の展開を行う方針だ。

DICエポキシ(M)、「ISCC PLUS認証」を取得

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 DIC(本社・東京都中央区)は10日、エポキシ樹脂の製造・販売を手掛けるマレーシア子会社DICエポキシ(マレーシア)が持続可能な製品の国際的な認証制度の一つである「ISCC PLUS認証」を取得したと発表した。

同認証は、リサイクル原料やバイオマス由来の原料などが製品製造を含むサプライチェーン上で適切に管理されていることを担保するもの。認証取得により、マスバランス方式を採用した製品の取り扱いが可能になった。

マスバランス方式は原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法。DICは、マスバランスバイオ割当原料を使用することにより、従来品(すべて化石由来原料を使用)よりも二酸化炭素(CO2)排出量が最大19.4%削減できる見込みだとしている。

産業廃棄物のアミタ、バイオマス資源活用でシナジーSEAと提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 産業廃棄物リサイクルのアミタホールディングス(本社・京都府京都市)は10日、同社の海外事業統括会社であるアミタ・サーキュラー・デザイン(ACD)が、マレーシア政府系企業UEMレストラ の子会社であり、再生可能エネルギー関連の事業を行うシナジーSEAとの間で、戦略的業務提携に関する基本合意書を締結したと発表した。

本合意に基づき、両社は共同で、マレーシア国内における未利用バイオマス資源の利活用事業に関する事業性調査および事業モデル開発を行っていく。

具体的には、パーム油の製造工程で排出されるパームヤシ空果房(EFB)等を代替燃料として、マレーシア現地企業や日本国内に供給する事業モデルを検討する。これにより、ACDとナザグループの合弁会社アミタ・ベルジャヤがマレーシアにおいて展開する100%再資源化事業の拡大に寄与するとともに、石炭などの天然資源からバイオマス資源へとエネルギー転換を促し、顧客企業における脱炭素化支援を目指す。

2―3年以内を目途に、マレーシアでの未利用バイオマス資源の包括的な利活用事業の確立、インドネシアへの水平展開に向けた調査・検討、社会デザイン事業の海外展開の加速などを行っていくという。