ERLとマレー国鉄が統合発券システム稼働、乗り継ぎが便利に

【クアラルンプール】 クアラルンプール市内とクアラルンプール新国際空港(KLIA)を結ぶ高速鉄道KLIA線を運営するエクスプレス・レール・リンク(ERL)とマレーシア国鉄(KTMB)は13日、両社の鉄道チケットを同時に購入できる、新しい統合発券システムを稼働したと正式に発表した。

KTMBのアプリやERLのウェブサイトから両社のチケットを購入できるようになった。乗り継ぐ場合にそれぞれのシステムから別々にチケットを購入する必要がなくなるため、利便性が向上した。

例えば、KLIAからペナン州に向かう場合、高速鉄道KLIA線の空港からKLセントラル駅までのチケットおよびKTMBのKLセントラル駅―バターワース駅間のチケットを事前にオンライン購入しておけば、当日は1枚のデジタルチケット(QRコード)を改札でスキャンするだけで移動できる。

統合発券システムはオンラインに加え、ケダ州ではアロー・スターとスンガイ・ペタニ、ペナン州ではバターワースとブキ・メルタジャム、ペラ州ではイポーの合計5駅で利用可能。今後はマラッカ州のプラウ・セバンやジョホール州セガマット、ゲマス、ジョホールバルの各駅にも導入する予定。

統合発券システムは7月19日より稼働を開始しており、乗り継ぎチケットの8月中の販売数は1,327枚だったが、9月にはその2倍に達すると予想されている。

(マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、9月13日)

スーパーマックス、来年1月までに米国で手袋生産開始

【クアラルンプール】 ゴム手袋製造大手のスーパーマックス・コーポレーションは17日、テキサス州ブラゾリア郡にある同社初の米国の製造施設で、2025年1月までに商業生産を開始すると発表した。

米国での生産は完全子会社のマックスター・ヘルスケアを通じて行うもので、2024年12月に最初の生産ラインの試運転を開始する。当初は第1期で予定している生産能力の半分に当たる年間最大24億枚のゴム手袋生産を見込んでいる。第1期の残りラインは2025年第4四半期に完成する予定で、米国の年産能力は2倍の年間48億枚に拡大する。

テキサス州の製造ビル(B2A)と倉庫兼配送センター(B5)の建設は、米国のスーパーマックス・ヘルスケアとマックスター・ヘルスケアのチームが共同で行い、2023年12月に完了。試運転にあたっては、マレーシアの技術チームが派遣された。

またスーパーマックスは向こう2年内に第2期開発を計画しており、それに向けて世界的な需要と消費市場の動向を注視している。

米国通商代表部(USTR)は最近、中国からの輸入医療用手袋に2025年に50%、2026年に100%の高関税率を課すことを決定しており、米医療機器製造業者協会の会員企業であるマックスター・ヘルスケアにとって有利に働くと見られている。

(ビジネス・トゥデー、エッジ、9月17日)

ハラル見本市「MIHAS2024」開幕、ドバイでも11月に開催

【クアラルンプール】 国内最大のハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2024」が17日、マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。開催は20日までの4日間。

主催のマレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によると、今年の成約額は昨年の32億リンギを上回る35億リンギとなる見込み。参加企業数も昨年より10%増となり、66カ国から2,000ブースが出展されている。

MATRADEはまた、初の海外版となる「MIHAS@ドバイ」を11月18―20日にドバイ・ワールド・トレード・センターで開催する。「中東オーガニック・ナチュラル製品エキスポ2024」との併催で、約230社が2,000平方メートルの会場で出展する。約120社のバイヤーの参加や成約額10億リンギを見込んでいる。

テンク・ザフルル投資貿易産業相は、ドバイの中継都市としての地位を活用し、中東および北アフリカ市場への輸出拡大を目指すと述べた。中国や欧州でもMIHASを開催する計画があるとし、日本に関しては、2025年4―10月に開催される、大阪・関西万博への参加を通じて貿易拡大を目指すとしている。

(マレー・メイル、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、9月13日)

三菱モーターズ、新型「エクスパンダー」の予約受付を開始

【クアラルンプール】 三菱モーターズ・マレーシア(MMM)は、7人乗りクロスオーバーMPV(多目的車)「エクスパンダー」のフェイスリフト版の予約受付を開始した。

「エクスパンダー」は2020年末にマレーシア市場に導入。現地生産を行い、4年間で4万台を販売している。MPVセグメントでは、トヨタ「ヴェロス」やプロドゥア「アルザ」の競合車となる。フェイスリフト版は9月末発売予定で、期間限定保険なし価格として11万5,000リンギで提供する。

今回のフェイスリフトでは、外装・内装ともに大幅な改良が施された。サイズは、全長4,475mm、全幅1,730mm、全高1,750mm、ホイールベース2,775mm、地上高はセグメント最大の220mm。車体カラーは全4色。内装ではダッシュボードがよりシンプルでモダンなデザインに一新された。タッチスクリーン式インフォテインメント・システムが9インチに大型化され、スマホを車載機器と接続する「アンドロイドオート」と「アップルカープレイ」を搭載した。新型ワイヤレス充電器や、従来のハンドブレーキに代わるオートホールド機能付きの電動パーキングブレーキも備えている。

(ポールタン、ジグホイールズ、カーリスト・ドット・マイ、9月12日)

日揮など日本8社、サラワク州のCCS設計作業を受託

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)は13日、日本企業7社とともに、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の令和6年(2024年)度「先進的二酸化炭素回収・貯留(CCS)事業に係る設計作業等」公募において、サラワク州におけるCCS事業に係る設計作業などを9月11日付けで受託したと発表した。

7社は、▽石油資源開発(本社・東京都千代田区)▽川崎汽船(本社・東京都千代田区)▽JFEスチール(本社・東京都千代田区)▽三菱ガス化学(東京都千代田区)▽三菱ケミカル(東京都千代田区)▽中国電力(本社・広島県広島市)▽日本ガスライン(本社・愛媛県松山市)――。

日揮を含む日本側8社は日本国内の製鉄所、発電所、化学工場等から排出される二酸化炭素(CO2)の分離・回収・液化に必要な設備やコストの検討作業を進める。また、プロジェクトの共同推進者である国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)子会社のペトロナスCCSベンチャーズ(PCCSV)と日本側8社は、サラワク州までの海上輸送(瀬戸内エリアにおける内航輸送を含む)、圧入・貯留までに必要な設備ならびにコストの検討を共同で進めていく。