起業家開発省が大阪の食品展示会に出展、経済効果は2千万リンギ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 起業家開発協同組合省(MECD)は9月18―20日、インテックス大阪で開催された食品・飲料展示会「フーデックスジャパン・イン・関西」に大型パビリオンを出展し、潜在的売上効果2,000万リンギ(約6億5,000万円)を達成したと発表した。

MECDのカイルル・ザイミー事務次官が参加し、ベンダー開発プログラムの一環として15社、ハラル国際プログラムの一環として10社、合計25社の食品メーカーを率いて出展を行った。マレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)ブランドの世界的な認知度を高めるための戦略の一環として、特に食品・飲料のグローバルなマーケティングやサービス提供を目指したものだという。

カイルル事務次官は声明で、マレーシアの起業家にとって日本市場への理解を深めるだけでなく、グローバルマーケットへのアクセスを強化し、ビジネス連携を促進できる効果があったと述べた。

イベントでは、SDインペックス・ジャパン(食品小売・卸のマレーシア企業SDインペックスの日本現地企業)とトック・レコおよびアダクティブ・フードとの間の、日本におけるビスケットおよびスナック菓子の供給に関する基本合意書の締結式、食品メーカー3社による新商品の発表会も行われた。

ジェトロKL、レストラン向け日本産水産品の試食会を開催へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、レストランにおける日本産水産品のさらなる利用拡大を図るため、レストラン事業者向けの試食提供イベントをクアラルンプール(KL)市内で9月23、24日に開催すると発表した。

「ジャパン・シーフード・エキスポ2024」と題するレストラン向け試食会は、日本産水産品輸入業者センドイチ・シーフード(M)などと共同開催するもので、主に非日本食レストランのオーナーやシェフを対象に60種類以上の日本産水産品を提供する。

会場となる西洋料理レストラン「セージ・レストラン&ワインバー」のシェフによる日本産水産品を活用した非日本食メニューを提供することで、その活用方法を知ってもらい、さらなる利用拡大に繋げることが目的。また日本産水産品の理解促進を図るべく、日本からカキとウニそれぞれの養殖・加工から買い付けに至るまで豊富な経験を持つ専門家による水産品の説明が行われる予定だ。

EV登録台数は2.7万台、最多はKLの5271台=調査

【クアラルンプール】 独系BMWグループ・マレーシアは、非政府組織のマレーシア・ゼロエミッション車協会(MyZEVA)と共同で、マレーシアにおける電気自動車(EV)の現状に関する調査結果を発表した。

MyZEVAのデータによると、2021―2024年6月に国内で登録されたEVは2万7,382台。そのうち道路交通局(JPJ、RTD)を通じてオンライン登録されたのは1万7,244台となった。

半島部では、クアラルンプールが5,271台で最多となり、次いでセランゴール州(1,544台)、ペナン州(815台)、ジョホール州(657台)、ペラ州(351台)、ケダ州(181台)、マラッカ州(177台)、ネグリ・センビラン州(116台)と続いた。EV登録台数が100台未満の州は、パハン州(45台)、クランタン州(23台)、トレンガヌ州(12台)、ペルリス州(11台)で、プトラジャヤの登録台数は1台のみだった。東マレーシアでは、サラワク州が268台、サバ州が326台、ラブアンが22台だった。

2022年度予算案でEVに対するインセンティブが発表された後、EV登録台数が大幅に増加している。2023年の登録台数は1万3,266台となり、2022年の4倍以上となった。

充電施設数も年々増加しており、2024年6月時点で全国に2,606カ所となっている。最多はセランゴール州で876カ所、次いでクアラルンプール(674カ所)、ペナン(281カ所)、ジョホール(256カ所)、パハン(101カ所)と続いた。一方、プトラジャヤとサバ州は共に9カ所、ペルリス州とラブアンはゼロだった。EV所有者の80%は自宅で充電を行い、20%は公共の充電設備を利用しているという。

(ポールタン、9月18日)

パハン州政権奪取ならゲンティンのカジノ廃止=イスラム党

【テメルロー】 イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)パハン州支部は、2028年2月までの実施が予定されている次期総選挙で、同州政権を奪取した際には賭博ビジネスを禁止すると言明。同州屈指の観光地、ゲンティン・ハイランドのカジノを廃止する方針を明らかにした。

州支部のアンダンスラ・ラブ副支部長は、いかなる決定も関連する法的枠組みに従う必要があり、州政府の権限内に限定されると言明。「たとえばゲンティン・ハイランドのカジノは法律上、州政府で自由にできない可能性があり、連邦政府の介入が必要になる可能性がある。そのため我々の行動が制限される可能性がある」と速やかに実現できるかは定かでないとの見方を示した。

クランタン州とトレンガヌ州は、それぞれ1990年と2020年に、あらゆる形態のギャンブルを禁止した。ケダ州は2023年以降、認可ギャンブル活動を事実上すべて禁止し、ペルリス州も今年3月から、ギャンブル施設への営業許可の発行を停止し、事実上の廃業に追い込んだ。

パハン州は現在、国政与党連合を結成している国民戦線(BN)と希望同盟(PH)の連立政権が率いている。 2022年11月の前回総選挙(GE15)では、BNは17議席、PHは8議席を獲得し、PASが中心となった野党連合・国民同盟(PN)も17議席を獲得した。

(マレー・メイル、エッジ、9月15日)

ハラル認証取得は今後も任意=ザヒド副首相

【クアラルンプール】 アハマド・ザヒド副首相は、18日の閣議でハラル(イスラムの戒律に則った)認証取得を任意とする現行制度を今後も維持していくことを確認したと明らかにした。ザヒド氏は、マレーシア・ハラル委員会の委員長も務めている。

モハマド・ナイム・モクタル首相府相(宗教問題担当)が先ごろ、「マレーシア・イスラム開発局(JAKIM)がイスラムで禁忌とされる豚肉やアルコールを提供しない飲食店や食品会社に対し、ハラル認証取得を義務化することを検討している」と述べたことを受けたもの。

ザヒド氏は、JAKIMと州イスラム宗教評??議会(MAIN)あるいは州宗教局(JAIN)が監督するハラル認証は、1974年の導入以来任意であり、「2011年商品表示法」によって強固なものとなったと言明。「既存方針は変更されておらず、マレーシアのハラル認証はすべての要件、基準、規制に準拠する準備ができているすべての業界に開放されている」とした上で、「ハラル認証を取得することは事業者に付加価値をもたらす」と述べ、義務化はしないものの認証取得については奨励する考えを示した。

ナイム首相府相のハラル認証義務化発言を受けて、非イスラム事業者や認証取得費用を賄えない零細マレー事業者の負担を増すなどとして各方面から懸念の声が噴出。先頭を切って疑問の声を上げた与党連合・希望同盟(PH)所属のテレサ・コック下院議員(民主行動党=DAP)に対してはイスラム保守派に迎合したい保守派政治家などが厳しく批判。コック氏が複数の告発を受けて警察に事情聴取を受ける騒ぎにまで発展していた。

(ビジネス・トゥデー、エッジ、9月18日)

米インテル、ペナン新工場の操業を延期へ

【クアラルンプール】 半導体大手の米インテルは、売上減と赤字拡大に悩まされていることから、マレーシア・ペナンに現在建設中の新工場の操業を延期する方針だ。

インテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は従業員に送付したメモの中で、インテルはいまだペナンの新先端パッケージング工場の建設を完了させる予定であり、マレーシアが引き続き同社の設計・製造拠点であり続けると言明。「マレーシアの新先端パッケージング工場の建設を完了させる予定だが、立ち上げは市場状況や既存生産能力の活用度向上に合わせる」と述べ、操業開始時期を延期する意向を示した。

ペナン施設の拡張プロジェクトは、新型コロナ禍で世界中が半導体不足に直面していた2021年に発表されたが、その時点では70億ドル(300億リンギ)以上の投資が予定されていた。計画では2024年に生産を開始し、4,000人以上の雇用創出が見込まれていた。

インテルは2025年までに全世界で全従業員の15%に当たる1万5,000人を削減する計画を明らかにしており、9月16日には、ドイツとポーランドに2つの巨大半導体工場を建設する計画を延期すると発表していた。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、エッジ、9月18日)

ジェトロ、EC活用実証事業への参加日本企業を公募

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)は、マレーシアにおける日本企業の電子商取引(EC)活用に関するデジタルマーケティング実証事業を、2024年10月から2025年3月にかけて実施すると発表した。

ECプラットフォーム「ショッピー・マレーシア」(Shopee.com.my)に出品している日本企業(国内、在マレーシア問わず)を対象に、ターゲティング広告などを通じたデジタルマーケティングの実証事業を行う。

実証事業を通じて、マレーシアのEC市場を開拓するにあたり有用な示唆を得ること、日本企業にとって効果的なロールモデルを見い出すことを目的としている。

事業内容は▽約2カ月にわたるキャンペーン広告の実施と情報収集、広告効果分析▽毎月のフィードバック▽対象商品ページの管理画面の毎月提出――で、9月30日まで参加企業を募集する。募集企業数は10社程度。

ERLとマレー国鉄が統合発券システム稼働、乗り継ぎが便利に

【クアラルンプール】 クアラルンプール市内とクアラルンプール新国際空港(KLIA)を結ぶ高速鉄道KLIA線を運営するエクスプレス・レール・リンク(ERL)とマレーシア国鉄(KTMB)は13日、両社の鉄道チケットを同時に購入できる、新しい統合発券システムを稼働したと正式に発表した。

KTMBのアプリやERLのウェブサイトから両社のチケットを購入できるようになった。乗り継ぐ場合にそれぞれのシステムから別々にチケットを購入する必要がなくなるため、利便性が向上した。

例えば、KLIAからペナン州に向かう場合、高速鉄道KLIA線の空港からKLセントラル駅までのチケットおよびKTMBのKLセントラル駅―バターワース駅間のチケットを事前にオンライン購入しておけば、当日は1枚のデジタルチケット(QRコード)を改札でスキャンするだけで移動できる。

統合発券システムはオンラインに加え、ケダ州ではアロー・スターとスンガイ・ペタニ、ペナン州ではバターワースとブキ・メルタジャム、ペラ州ではイポーの合計5駅で利用可能。今後はマラッカ州のプラウ・セバンやジョホール州セガマット、ゲマス、ジョホールバルの各駅にも導入する予定。

統合発券システムは7月19日より稼働を開始しており、乗り継ぎチケットの8月中の販売数は1,327枚だったが、9月にはその2倍に達すると予想されている。

(マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、9月13日)

スーパーマックス、来年1月までに米国で手袋生産開始

【クアラルンプール】 ゴム手袋製造大手のスーパーマックス・コーポレーションは17日、テキサス州ブラゾリア郡にある同社初の米国の製造施設で、2025年1月までに商業生産を開始すると発表した。

米国での生産は完全子会社のマックスター・ヘルスケアを通じて行うもので、2024年12月に最初の生産ラインの試運転を開始する。当初は第1期で予定している生産能力の半分に当たる年間最大24億枚のゴム手袋生産を見込んでいる。第1期の残りラインは2025年第4四半期に完成する予定で、米国の年産能力は2倍の年間48億枚に拡大する。

テキサス州の製造ビル(B2A)と倉庫兼配送センター(B5)の建設は、米国のスーパーマックス・ヘルスケアとマックスター・ヘルスケアのチームが共同で行い、2023年12月に完了。試運転にあたっては、マレーシアの技術チームが派遣された。

またスーパーマックスは向こう2年内に第2期開発を計画しており、それに向けて世界的な需要と消費市場の動向を注視している。

米国通商代表部(USTR)は最近、中国からの輸入医療用手袋に2025年に50%、2026年に100%の高関税率を課すことを決定しており、米医療機器製造業者協会の会員企業であるマックスター・ヘルスケアにとって有利に働くと見られている。

(ビジネス・トゥデー、エッジ、9月17日)

ハラル見本市「MIHAS2024」開幕、ドバイでも11月に開催

【クアラルンプール】 国内最大のハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2024」が17日、マレーシア国際貿易展示センター(MITEC)で開幕した。開催は20日までの4日間。

主催のマレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)によると、今年の成約額は昨年の32億リンギを上回る35億リンギとなる見込み。参加企業数も昨年より10%増となり、66カ国から2,000ブースが出展されている。

MATRADEはまた、初の海外版となる「MIHAS@ドバイ」を11月18―20日にドバイ・ワールド・トレード・センターで開催する。「中東オーガニック・ナチュラル製品エキスポ2024」との併催で、約230社が2,000平方メートルの会場で出展する。約120社のバイヤーの参加や成約額10億リンギを見込んでいる。

テンク・ザフルル投資貿易産業相は、ドバイの中継都市としての地位を活用し、中東および北アフリカ市場への輸出拡大を目指すと述べた。中国や欧州でもMIHASを開催する計画があるとし、日本に関しては、2025年4―10月に開催される、大阪・関西万博への参加を通じて貿易拡大を目指すとしている。

(マレー・メイル、ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、9月13日)