格安航空エアアジア、KL―ラブハンバジョ線を開設

【クアラルンプール】 格安航空エアアジアは3日、クアラルンプール(KL)とラブハンバジョ(インドネシア東部フローレス島)を結ぶ新たな直行便運航を開始した。

火・木・土曜の週3往復の運航で、スケジュールは往路の「AK336」便がKL発11時10分、ラブハンバジョ着14時25分。復路の「AK337」便がラブハンバジョ発14時55分、KL着18時35分となっている。エアアジアは現在、マレーシアからインドネシアの15都市に乗り入れている。

KLとラブハンバジョを結ぶ国際直行便運航はこれが初めて。ラブハンバジョは世界最大のトカゲ「コモドドラゴン」の生息地で知られるコモド島観光の玄関口。インドネシアの重要観光地トップ5のひとつであり、同国政府は2024年に50万人以上の観光客を誘致することを目指している。

エアアジア直行便の就航により、KLを経由するアジア各国や豪州からの旅行客の利便性向上に寄与すると期待される。

(ビジネス・トゥデー、9月3日、エアアジア発表資料)

ビントゥル港でのLNG積み込みに遅れ、液化施設で問題

【シンガポール】 サラワク州ビントゥル港の液化天然ガス(LNG)施設で問題が起こり、LNG運搬船への積み込みに遅れが出ている。消息筋の情報としてロイター通信が伝えた。同ターミナルからは複数の日本企業がLNGを輸入している。

同ターミナルを運営しているのは、国営石油会社のペトロナスや新日本石油などが出資するマレーシアLNGティガで、LNG年産能力は約3,000万トン。4社が9つの液化施設を運営しており、第7施設は予定していた保守を8月に終えた。しかし第4施設で問題が生じ、予定外の保守が必要になった。第8、9施設でも予定外の保守があったという。問題のあった4施設とも現在は復旧している。

エネルギー関連のコンサルタント、ライスタッドエネルギーは8月30日、上流部門や熱交換機に問題があり、第7、8施設で生産が落ち、第4四半期の積み出しに影響する可能性があるとしていた。

9月4日の時点で少なくとも7隻のLNG輸送船が積み込みを待っている。通常、積み込みを待っているのは2-3隻。マレーシアLNGティガは東北電力、東京ガス、東邦ガス、大阪ガス、東京電力などとLNG売買契約を交わしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月4日、エッジ、9月3日)

富士リアルティ、マレーシア不動産の販売でホールフィールドと提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 不動産の富士リアルティ(本社・神奈川県藤沢市)は3日、東南アジア不動産の販路拡大に向け、マレーシアの日系不動産企業ホールフィールドとの間で業務提携契約を締結したと発表した。

富士リアルティは、世界最大級の不動産ネットワーク、センチュリー21の加盟店であり、日本、タイ、カンボジアの三拠点で不動産・建築事業を展開している。ホールフィールドは、マレーシア不動産物件の売買や賃貸仲介などを行っている。

今回の提携により、富士リアルティはホールフィールドが取り扱うマレーシア不動産を販売代理店として顧客に紹介し、ホールフィールドは富士リアルティが取り扱うカンボジア不動産を販売代理店として顧客に紹介できるようになった。これにより双方の販路拡大と東南アジア市場における業務拡大を推進する。具体的には、共同マーケティング活動、現地視察ツアーの企画、金融機関との連携強化などを行っていく計画だ。

シャアラムのエルミナレイクサイドモール、開設週に18万人を集客

【クアラルンプール】 不動産開発大手のサイム・ダービー・プロパティは8月22日、セランゴール州シャアラムのエルミナ地区にショッピングモール「エルミナ・レイクサイド・モール」をソフトオープンし、22日―29日の週に18万人以上を集客したと発表した。

「エルミナ・レイクサイド・モール」は、クアラルンプール(KL)のKLイーストモールに次ぎ、サイム・ダービー・プロパティが完全所有する2番目のショッピングモール。5エーカー(14.16ヘクタール)のエルミナ都市公園と湖に近接し、豊かな緑と一体化したオープンコンセプトの設計で、自然採光を確保している。売り場面積は21万4,000平方フィート。アンカーテナントとしてスーパーのジャヤ・グローサーと豪州系家電量販店のハーベイ・ノーマンが入居している。100以上の店舗やサービスを取り揃え、テナント入居率は98%に達している。

新規オープンを記念して、9月16日まで、子ども向けアクティビティや限定プロモーション、ライブパフォーマンスなどのイベントを用意する。その後も継続的にイベントやプログラムが開催される予定だ。

(ザ・スター電子版、エッジ、9月2日)

KLIAエアロトレイン、2025年1月末までに再開へ

【クアラルンプール】 クアラルンプール国際空港(KLIA)のメイン・ターミナルビルとサテライトビルを結ぶ無人列車のKLIAエアロトレインが、2025年1月31日までに運行を再開する見通しだ。視察に訪れたアンソニー・ローク運輸相が明らかにした。KLIAエアロトレインは、故障が相次いだために一時運休となっている。

空港運営のマレーシア・エアポーツ(MAHB)は先ごろ、発注済みの3編成の列車のうち2編成を受領した。予備車両となる残り1編成は10月までに納入される見通し。受領した2編成は現在、試験が行われており、2025年1月中旬までに最終試験のために公共陸運局(APAD)に引き渡される予定。

エアロトレインは25年前に建設されたシステムで、2021年12月に刷新事業をペステック・インターナショナルが受注し、仏アルストムの車両が採用されていたが、刷新途上の2023年3月に114人の乗客を乗せたまま故障して動かなくなる事故が発生。改めてペステック、アルストムなどの企業連合が受注し、更新作業が進められている。

(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、エッジ、9月2日)

脱炭素のアスエネ、現地企業と協業でサラワクのESG推進へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 脱炭素ソリューションのアスエネ(本社・東京都港区)は2日、シンガポール現地法人のアスエネAPAC(アジア太平洋)が、マレーシア企業ダサル・コンサルティングとの間で、サラワク州での環境・社会・企業統治(ESG)推進に向けた協業覚書(MoU)を締結したと発表した。

アスエネは、企業・自治体に対し、二酸化炭素(CO2)排出量の見える化・削減・報告クラウドサービス「ASUENE(アスエネ)」やESG評価クラウド「ASUENE ESG」など、脱炭素のワンストップソリューションを提供している。

ダサル・コンサルティングは、サラワク州クチンに拠点を構え、ESGコンサルティング・グリーントランスフォーメーション(GX)ワークショップなどを行うことで、マレーシア企業の脱炭素・ESG経営を支援している。

両社は協業の上、サラワク州における「ASUENE」と「ASUENE ESG」の導入促進を行い、同州における企業活動の脱炭素化を促進し、APACを拠点にアジア全地域の脱炭素・ESG経営支援を拡大していく方針だ。

ベンチャーテックが東証と提携、日本市場への上場後押し

【クアラルンプール】 政府系投資会社のベンチャーテックは東京証券取引所との戦略的提携を発表した。有望なマレーシア企業の東証への上場を後押しする。

成長性のあるアジアの有力企業に新規株式公開(IPO)先として東証を選択してもらう「東証アジアスタートアップハブ」を東証が立ち上げたことに対応したもの。アジアスタートアップハブではアジアの有力企業に対し、日本での事業・資金調達支援、IPO準備支援など、それぞれの企業のニーズに応じた支援を通じ、東証でのIPOを後押しする。

世界の金融センターとしての地位強化もハブ立ち上げの狙い。東証は日本関連事業を手掛ける、あるいは成長の潜在性が大きいアジア企業に、ビジネスマッチング、知名度引き上げ、投資家紹介などのサービスを提供する。

ベンチャーテックのアハマド・レズアン最高経営責任者(CEO)は「マレーシア企業は日本の資本市場に参入することで業務を急拡大し、投資を呼び込み、世界でのプレゼンスを高めることができる」と述べた。スタートアップハブは第3四半期に支援対象企業の募集を開始する。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月3日、ベルナマ通信、デジタル・ニュース・アジア、9月2日)

筑波大学、マレーシア校をマラヤ大学内に開校 

【クアラルンプール】 筑波大学は1日、海外で初めて日本の学位を授与する大学として、筑波大学マレーシア校(UTMy)をクアラルンプール(KL)で開校。2日にザンブリ・アブドル・カディル高等教育相や髙橋克彦駐マレーシア大使を招いて開校式および入学式を行った。

UTMyの設立は、マレーシア政府の要請に基づくもので、日本の大学の学位授与を通じて、日本文化や日本的勤労観・価値観の育成などを促すことが目的。所在地はマラヤ大学の研究開発(R&D)複合施設内で、「学際サイエンス・デザイン専門学群」と称する。

カリキュラムは多様で、データサイエンス、自然科学、人文科学、日本語・日本文化が含まれる。生命と環境、情報技術、比較文学、政治学、サブカルチャーなどさまざまな分野を専門とする14人の教員が配置される。

開校後初の学生オリエンテーションは3日に開始される。初年度はマレーシア人7人、日本人6人の合計13人の学生が入学する。

(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、9月2日、筑波大学発表資料)

西海岸高速道バンティン―SKVE間が開通、1カ月間通行料無料

【クアラルンプール】 西海岸高速道路(WCE)のセクション1・バンティン料金所から南クランバレー高速道路(SKVE)間(全長約12.5キロメートル)が8月31日深夜零時に開通した。アレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相が8月30日の開通式に立ち会った。

独立記念日と開通記念ということで9月29日まで1カ月間、区間通行料金は無料となる。WCEの建設は4つのセクションを残すだけとなっており、セクション1に続くセクション2は12月にも完成する見通し。全線開通すれば1日あたり約1万台の車両が通行すると見込まれている。

ナンタ氏は「新区画の開通は、セランゴール州南部、特にクアラ・ランガット地域の経済発展と進歩のきっかけとなる」と言明。バンティン周辺の住民がプトラジャヤ、バンギ、カジャンなど首都圏クランバレー南部の主要都市に行くための利便性が向上し、さらに物流ネットワーク、特にクラン港やクアラルンプール国際空港(KLIA)などの主要港からの輸送力向上に貢献すると述べた。

(ザ・サン電子版、ポールタン、エッジ、ベルナマ通信、8月30日)

ジョムチャージ、シンガポールSPとEV充電で提携

【ジョホールバル】 電気自動車(EV)充電スポット管理アプリ「ジョムチャージ」を提供するEVコネクションは8月29日、シンガポールの電力会社SPグループのEV充電部門SPモビリティとの提携を発表した。

EVコネクションの声明によると、両社のEV充電器をシームレスに利用可能にし、航続距離への不安を払拭するという。サービス統合は段階的に行われ、第1段階では、中国・広州汽車集団(GACモーター)傘下の広汽埃安新能源汽車(GACアイオン)のEVのみが利用可能となる。マレーシアでSPクレジットを購入する場合には、当初はGACアイオン店舗に赴く必要がある。最終的には、車種を問わず、両社の専用アプリのいずれかをダウンロードするだけで、マレーシアとシンガポールでEV充電を利用できるようにするという。

EVコネクションのリー・ユエンハウ社長は、ジョホール州とシンガポールを結ぶコーズウェイ(連絡道)が世界で最も通行量の多い国境のひとつであり、また両国でEV導入が急速に進んでいることから、SPモビリティとの提携は時宜を得ていると述べた。

マレーシアでは、2024年上半期のEV販売台数が前年同期比約150%と急増しており、シンガポールでも、今年1-5月に登録された新車の3台に1台がEVで、昨年のほぼ2倍に達している。

(ポールタン、8月29日、EVコネクション発表資料)