【クアラルンプール=アジアインフォネット】 国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)子会社のペトロナスCCSソリューションと日系6社は30日、東京湾域の複数産業から排出されるCO2を対象とした二酸化炭素回収・貯留(CCS)バリューチェーン構築の実現可能性調査に採択されたと明らかにした。
同調査はエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が2024年度の事業として公募していたもので、採択されたのはペトロナスCCSのほか、▽三菱商事▽ENEOS▽JX石油開発▽JFEスチール▽コスモ石油▽日本触媒――の6社。
東京湾(京浜地区・京葉地区)周辺の複数産業から排出されるCO2の分離・回収、液化、海上輸送、貯留の各セグメントにおいて最適な各種設備設計について検討すると共に、CCS社会実装の実現に向けたコスト試算及び課題の抽出、実現可能性検証などを実施する予定。域内で回収するCO2の規模は年間3百万トン程度を想定しており、将来的には年間6百万トン程度のCO2回収を目指し検証を進める。
東京湾域を排出源とするCO2を対象とする海外CCSバリューチェーン構築に関する覚書は今年3月に4社で締結しているが、このほどJFEスチール、コスモ石油、日本触媒の3社が参加した。
7社は、2026年度までの最終投資決定、2030年度までの事業開始を目指し、それぞれの専門性を活かして事業化に必要なバリューチェーンの構築や関連技術検証などを検討する。