イオンクレジット、第2四半期は減損処理で41%の減益

【クアラルンプール】 イオンクレジットサービス(マレーシア)は、第2四半期(6-8月)決算で収入が5億4,143万リンギと前年同期比14.8%増加したものの、純利益は40.8%減の7,116万リンギにとどまったと発表した。同期の配当は1株14.25セン。

大幅減益は受取勘定の減損処理が増えたためで、8月末時点の受取勘定は132億リンギだったが、減損処理のための引当金を差し引いた額は124億8,000万リンギになった。

不良債権比率は同2.98%から2.37%へ改善した。似たような事案を再発させないための是正措置をとった結果だという。

収入に対する営業経費の割合は68.1%で、前年同期の58.3%を上回った。減損処理が1億9,358万リンギと前年同期(1億2,057万リンギ)より増加したためだ。

上半期(3―8月)決算では、収入が前年同期比15.1%増の10億6,370万リンギ、純利益が19.1%減の1億7,757万リンギだった。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月27日、ベルナマ通信、9月26日)

格安航空エアアジア、2025年1月から炭素税を強制徴収

【セパン】 格安航空会社エアアジアは、2025年1月からすべてのエアアジア機の乗客にいわゆる「炭素税」を課すことを計画している。親会社であるキャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEOが明らかにした。

フェルナンデス氏は、同グループが乗り入れているタイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアなどすべての当局から承認を求めている段階だと言明。足並みを揃えるために来年1月に実施すると述べた。

マレーシア航空委員会(MAVCOM)が「炭素税」徴収を航空会社の任意としていることについては、フェルナンデス氏は「任意にしたら誰も支払わない。自主性に任せる選択肢もあるが任意にはしない」と述べた。なおマレーシア航空は「炭素税」について乗客の任意にするとしている。

フェルナンデス氏は、「炭素税」徴収を成功させるには、その背後にある理論的根拠について国民の認識と理解を高める必要があると指摘。「我々ができる最大のことは国民を教育することだ。国民を教育し、我々が集めた資金が東南アジア諸国連合(ASEAN)の炭素削減プロジェクトに投資されるようにしたい」と述べた。
(エッジ、9月26日)

政府、27年までに初の国産ハラルワクチン2種を生産

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、科学技術革新省の主導と資金提供の下、2027年までに初の国産ハラル(イスラムの戒律に則った)ワクチン2種を生産する予定だ。マレー語紙「ウトゥサン・マレーシア」が同省のアミヌディン・ハシム事務次官の話として報じた。

初の国産化を予定しているワクチンの一つは、無細胞百日ぜきと不活化ポリオ抗原を含む六価ワクチン。もう1つはマレーシア初の肺炎球菌結合型ワクチンで、肺炎の主な原因である肺炎球菌の13の血清型(タイプ)から人体を保護する。これら2種のワクチンで▽ジフテリア▽破傷風▽百日ぜき▽ポリオ▽ヘモフィルスインフルエンザb型(Hib)▽B型肝炎――の6種類の病気を防ぐことが可能になるという。2種のワクチンは、技術移転を通じた国際的パートナーの協力のもとで地元企業によって開発される。

アミヌディン氏は、マレーシアにおけるハラルワクチン開発研究はもっと注目される必要があると指摘。取り組みを強化するために同省では研究開発助成金を出し、産学の戦略的協力を促進を図っていると述べた。

(マレーシアン・リザーブ、9月30日)

ジェトロのEC活用に関する実証事業、ソフトバンク子会社に委託

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレーシアにおける日本企業の電子商取引(EC)活用に関するデジタルマーケティング実証事業について、ソフトバンクのマレーシア子会社、STデジタルソリューションズ・マレーシアに業務を委託すると発表した。

同事業は、ECプラットフォーム「ショッピー・マレーシア」(Shopee.com.my)に出品している日本企業を対象に、2024年10月から2025年3月にかけてターゲティング広告などを通じたデジタルマーケティングの実証事業を行うというもの日本企業の出展可能性が高い同プラットフォームを効果的に活用するためのヒントを得ること、これからマレーシアのEC活用に取り組む日本企業にとって参考となる情報を得ることを目的としている。

キャンペーン広告の実施では、STデジタルが提供する、スマートフォンなどのアプリデータや位置情報データを活用したサービスをもとに、対象セグメントを絞り込んだターゲティング広告を打つ。個別フィードバックでは、キャンペーン広告から得た情報に基づき、参加企業のEC活用ノウハウの蓄積を支援する。

ジェトロでは、9月30日まで参加企業を募集していた。

メニコン、マレーシアなど東南アジア3カ国の販社を買収

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 メニコン(本社・愛知県名古屋市)は1日、マレーシアを含む東南アジア諸国連合(ASEAN)3カ国のコンタクトレンズ販売会社3社を、シンガポールの製造・販売会社、オキュラスから9月30日付けで買収し、完全子会社化したと発表した。

メニコンが買収したのは▽オキュラス(マレーシア)▽オキュラス・ビジョンケア(シンガポール)▽PTオキュラス・インドネシア――。これまで東南アジアでは輸出または代理店での販売を展開してきたが、若年層人口や所得の増加などによりコンタクトレンズ市場の伸長が見込まれることから販売拠点が必要と判断した。

メニコンは、東南アジアにおける1日使い捨てコンタクトレンズの製造拠点として、シンガポール工場のほか同社最大規模となるマレーシア工場を2026年3月期下期に稼働予定しており、今回の販社買収により、東南アジアにおける販売と製造の両輪が確立されるとしている。