阪和興業、プレスメタルの金属シリコン精錬部門に出資

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 阪和興業(本社・東京都中央区)は9月30日、アルミニウム製錬・押出製品同国最大手であるプレス・メタル・アルミニウム・ホールディングスのグループ会社、PMBシリコンに出資すると発表した。

PMBシリコンはアジア最大の金属シリコン精錬業者。阪和興業は、PMBシリコンの親会社で、プレス・メタルの子会社であるPMBテクノロジーとの間で、PMBシリコン株2,400万株の売買で合意した。

これに合わせて阪和興業は、PMBシリコン製品の日本、韓国、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアにおける独占販売権及び在外日系資本企業への独占販売権を取得した。PMBシリコンは、阪和興業との提携を受けて、アルミニウム、有機シリコンおよび半導体産業向け金属シリコンの供給能力を強化する。

阪和興業はまた、鉱産物、合金鉄の粉砕加工事業を手掛ける啓和ファインマテリアル(本社・岡山県備前市)と、PMBシリコンから調達した金属シリコンを半導体産業および太陽電池産業向け主・副原料に加工する合弁会社、HKファイン・マテリアルをマレーシアに設立することで合意した。合弁会社の資本金は1,300万リンギで、阪和が80%、啓和が20%出資する。所在地はサラワク州ビントゥルのサマラジュ工業団地内。

日本ペイントと先住民信託評議会、熟練労働力育成に向け協力

【クアラルンプール】 日本ペイント・マレーシアは1日、技術職業教育訓練(TVET)での協力に向けた覚書(MoU)を先住民信託評議会(MARA)と締結した。

両者は覚書に基づき、日本ペイントの専門家の支援を受けて、MARAの学生240人と講師37人を対象にさまざまなトレーニングプログラムを実施する。自動車塗装業界に関連する技術が主な研修項目で、選ばれたMARAトレーニングセンター24カ所が日本ペイント認定トレーニングセンターとなり、業界の高い基準を満たす教育が行われることが保証される。

自動車セクターはマレーシア経済の要の産業であり、2023年の生産台数は過去最高の79万9,731台に達した。高度なスキルを持つTVET労働力と高品質の自動車部品はマレーシアの自動車産業に不可欠となっている。

日本ペイント・マレーシアのゼネラルマネジャー、タイ・ツェトゥック氏は、「覚書締結は、マレーシアの労働力と自動車業界の将来に投資を続ける日本ペイントにとって重要な節目となる。競争の激しい自動車補修分野において、日本ペイントの自動車補修部門は常に先頭を走り、マレーシアで新たな業界基準を確立している」と述べた。
(ビジネス・トゥデー、10月1日)

来年度予算案で「RON95」補助金見直し発表か=CIMB証券

【クアラルンプール】 CIMBセキュリティ・リサーチは、10月18日に国会提出される予定の2025年度予算案に、補助金負担削減に向けて懸案となっているレギュラーガソリン「RON95」補助金制度の見直しが盛り込まれるとの予想を示した。

CIMBリサーチは、燃料補助金合理化計画の発表があれば、インフレ圧力の高まりや消費者心理の悪化を招き、今年第4四半期の新車販売にマイナス影響が出ると予想した上で、この影響を従業員積立基金(EPF)第3口座の導入と公務員給与引き上げが緩和するとの見通しを示した。

マレーシア自動車協会(MAA)は、2024年通年の新車販売が好調だった前年からの反動から4.3%減の76万5,000台にとどまるとの控えめな予想を示しているが、CIMBリサーチはさらに慎重で、売上税免除がないこと、RON95価格が上昇する可能性などを主な要因として、前年比6%減の75万1,000台と予測している。

CIMBリサーチは一方で、来年度予算案に電気自動車(EV)拡大に向けた優遇策が盛り込まれる見通しだとし、「個人向け減税や還付を継続し、新たなEVインフラへの投資も行うと予想している」とした。

2024年度予算で政府は、EV充電設備に対する最大2,500リンギの個人所得税控除を2027年まで延長し、EVレンタルに対する税控除も実施した。
(ザ・スター、10月1日)

佐藤商事がマレーシア現法を設立、10月から営業開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 佐藤商事(本社・東京都千代田区)は、今年6月にマレーシアに現地法人、サトウ・ショウジ・マレーシアを設立し、10月1日より営業を開始すると発表した。

佐藤商事の全額出資で、資本金は100万リンギ。電子材料、電子部品および半導体関連部材などの販売、輸出入業務を行う。マレーシア地区の半導体関連および電子部品関連の取引先へのサービス向上や取引拡大が目的で、佐藤商事は取引先へのさらなるサービス強化、事業・販路の拡大に努めていくとしている。

佐藤商事は、電子事業部門の海外現地法人として、香港をはじめアジアを中心に7拠点を設け、東南アジアへの事業拡大を進めており、マレーシア地区での営業活動はこれまでシンガポールの現地法人(サトウ・ショウジ・アジア・パシフィック)が対応してきた。

クラウド政策発表、AIの倫理的利用を促す規則を策定へ

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は1日、米グーグルのデータセンターとクラウドリージョンの起工式に出席した際の会見で、クラウドに関する政策を立案し、人工知能(AI)の倫理的利用を奨励する規則を導入すると発表した。

アンワル氏によると、クラウド政策は、▽行政サービスの革新・効率向上▽経済成長と競争力▽利用者の信頼とデータセキュリティーの強化▽デジタル包括性を通じた市民の能力強化――を柱に据える。

行政を近代化し、行政サービスの提供をスムーズにする。信頼強化では、官民両セクターの重要データ、インフラを守るための枠組みを作る。またクラウド技術を利用し、市民が公共サービスを利用しやすくする。

アンワル氏は国家AI事務所を12カ月以内に設ける意向も表明した。事務所は、5カ年テクノロジー行動計画、AI利用の増大を図るための監督上の枠組みなどAIに関するプログラムを調整する。

アンワル氏は「マレーシアを生成AIのハブとしたい。テクノロジー企業の投資はデジタルインフラ構築に欠かせない」と述べた。
(ザ・スター、10月2日、エッジ、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月1日)