【クアラルンプール=アジアインフォネット】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は3日、金融安定化報告書を公表。家計、金融機関の強靭さ、健全性についての調査を概説した。

今年第2、3四半期に世界の金融市場は大きな変動を見たが、国内金融市場は秩序を維持した。通貨リンギは9月30日の時点で今年、米ドルに対し11.4%上昇した。経済の先行き見通しが明るいことから、リンギは強さを維持する見込み。

輸出の回復、内需の増加で上半期の事業活動は拡大した。事業向けローンの減損処理率は2.6%と低水準を維持した。

経済活動の拡大が見込めるため、下半期の事業活動の強靭さは下半期にさらに改善が期待できる。一次産品の値下がりで投入原価は下落が予想される。

家計は、経済、雇用状況が良好なため強靭さを維持する見通しだ。家計債務の対国内総生産(GDP)比は83.8%で、以前と同水準だった。債務不履行の恐れのある家計借り入れの割合は4.4%に低下した。

銀行、保険会社の資本バッファー(不測の事態に備えた、自己資本に上乗せする資本)は潤沢で、不測の事態に対する強靭さは引き続き維持される。