【クアラルンプール=アジアインフォネット】 パナソニック(本社・大阪府門真市)は10日、煙害(ヘイズ)に含まれる有害物質をナノイー(帯電微粒子水)技術が大部分抑制することを、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)との共同研究で確認したと発表した。
ヘイズのPM2.5に含まれる有害な多環芳香族炭化水素(PAHs)の成分に対して、ナノイー技術が最大95%抑制することを確認した。すでに検証済の5種類のPAHsに加えて、新たに3種のPAHsに対するナノイー技術による抑制効果が明らかになったという。
シェイク・アハマド・ザキ教授監修の下で行われた共同研究で、ヘイズに含まれている質量の割合が大きいPAHs3種(ナフタレン、フルオレン、アセナフテン)に対するナノイー照射試験を実施した結果、3種全てにおいて抑制効果が確認された。
ヘイズは、スマトラ島などで大規模な焼畑や森林火災により生じた大量の煙による煙害で、有害物質のPAHsが含まれている。PAHsは分解されにくいため風にのって拡散しやすく、農作物へ生体濃縮することが報告されているほか、PAHsの中には肺機能の低下、喘息の悪化、心血管疾患、がんの発生率を増加させるものがあるという。