【ペタリンジャヤ】 アンワル・イブラヒム首相は13日、「物品・サービス税(GST)は最も透明で効率的な税システムだと認識している」と再導入に前向きの姿勢を示した上で、現時点では時期尚早との考えを表明。「3-4年の時間が必要との考えを示した。

アンワル氏はマレーシア華人商工会議所(中華工商聯合会、ACCCIM)年次総会のあいさつで、「GSTを施行すれば税収は増える。しかし富裕層も貧しい人も課税対象になる。今は導入の時期でない」と指摘。「まず最低所得を3,000リンギ、4,000リンギにすることが先決で、その時点で段階的導入が可能になる」と述べた。現在の最低賃金は1,500リンギ。GSTを導入したほかの国を見ても、まず最低賃金を引き上げているという。なおマレーシアでは最低賃金は2年に1度見直されることになっているが、改定の年である今年はまだ発表されていない。

マレーシアではGSTは税率6%で2015年に当時のナジブ・ラザク政権が導入したが、3年後、希望同盟(PH)連立政権が廃止し、売上・サービス税を導入した。税収だけを比較すると、2021年の売上・サービス税収入は279億リンギで、2017年のGST収入440億リンギを大きく下回っている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月13日)