プロドゥア初のEV発売計画、投資貿易産業省が支援

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル投資貿易産業相は、第2国民車メーカーのダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)が掲げる、2025年末までにマレーシア初の電気自動車(EV)を10万リンギ以下の廉価で発売する計画を支援すると述べた。

ザフルル氏は同省によるプロドゥア支援の理由について、同社の初EVを手頃な価格にしたいためだと説明。「プロドゥアと協議を続けており、2025年末までに目標を達成するという同社の計画を楽観視している」と述べた。

プロドゥアの同社初EV「EMO-1」は、今年5月に開催された「マレーシア・オート・ショー2024」で試作車が展示された。プロドゥアのBセグメント・ハッチバック「マイヴィ」をベースにしたもので、バッテリー容量は55.7キロワット時(kWh)。最高出力68PS(50kW)、最大トルク220ニュートンメートル(Nm)、航続距離350キロメートル(km)を発揮するとされる。ただその後の変更については明らかにされておらず、開発の進捗状況も不明だ。

ザフルル氏はまた、バッテリー式EV(BEV)の新車登録台数が9月時点で約1万6,000台に達し、2023年通年の約1万3,000台を上回ったと公表。「2030年までに新車販売全体の20%をEVにするという目標に近づいた」と述べた。

充電インフラについては、わずか3カ月間で565基の充電チャージャーが新たに設置され、9月末時点で公共充電ステーションの総数は約3,200カ所に達した。政府は2025年末までに公共チャージャーを1万基設置し、充電器とEVの比率を1対9にすることを目指しているという。
(ザ・スター電子版、ポールタン、マレー・メイル、エッジ、10月21日)

中電工とサマイデンの合弁会社、太陽光発電設備に投資

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)のサマイデン・グループと中電工(本店・広島市)は、22年に設けた合弁会社サマイデン・チュウデンコウ・リニューアブルズを通じ、太陽光発電施設・同関連サービスに共同で投資する合意書を交わした。

合意はREにおけるプロジェクト投資を実施する際の双方の権利・義務を規定したもの。合弁会社への出資比率は、サマイデン子会社のサマイデン・キャピタルが51%、中電工が49%。中電工は2022年にサマイデンの7.27%株を取得し大株主になった。その後買い増しし、現在の持ち株比率は15.15%。日本の顧客向け屋上ソーラーシステム設置、REプロジェクトの運用・保守技術の紹介など、共同での投資や合弁を推進することで合意している。

中電工は電気・空調・給排水・情報通信関連工事を手掛ける総合設備エンジニアリング企業。東岡孝和常務執行役員は、サマイデンとの提携はマレーシア業務の拡大につながり、RE採用が急拡大している東南アジアへの参入機会も生じるとしていた。
(ザ・スター、10月22日、報道資料、10月21日)

新たな投資優遇政策は来年初頭発表、租税免除以外の措置に

【クアラルンプール】 投資貿易産業省は、アンワル・イブラヒム首相が2025年度予算案で明らかにした新たな投資優遇措置の枠組みを、2025年第1四半期に発表する。2025年からグローバル・ミニマム課税を導入することに備えるもので、テンク・ザフルル投資貿易産業相は「租税免除のような税制面の優遇措置での投資誘致はもはやできない」と語った。

GMTは企業が最低限負担すべき法人税の割合を15%に定める仕組みで、多国籍企業の最低税率がマレーシアで満たされない場合、マレーシア当局はトップアップ税を課し不足分を補う。付加価値の高い投資に的を絞って優遇措置を提供する。二酸化炭素排出の少ない分野への投資のみ認める。

ザフルル氏は、外国からの投資は地元企業を潤し、高度な職の機会を提供するものでなければならないと強調。人材育成、環境配慮にかかわる投資を優遇すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月22日、エッジ、ビジネス・トゥデー、10月21日)

第13次マレーシア計画、来年第3四半期に発表予定

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相は、同省がすでに次期5カ年計画「第13次マレーシア計画」(13MP、対象期間2026ー30年)の起草に着手しており、2025年第3四半期に議会に提出予定だと明らかにした。

ラフィジ氏は、アンワル・イブラヒム現政権が掲げる「マダニ経済」(持続可能性、繁栄、革新、尊敬、信頼、思いやりという6つのコアバリューに基づく枠組みに沿った経済政策)の目的である経済再構築によりマレーシアをアジアの経済リーダーにし、国民の生活の質を向上させるには、13MP をより総合的、戦略的、包括的に起草する必要があると強調。経済省が13MPの枠組みを策定するための意見や提案を募るために、積極的にディスカッション、対話、省庁間計画グループ会議を開催していると述べた。

9月5日と6日に開催された「13MPキックオフ会議」は、国連と世界銀行と共同開催し、国内外の専門家が社会経済のメガトレンド、問題、課題に関する情報や経験を共有した。12月までは一般国民が参加する「マダニ・メンデンガー(聴取)」聴聞会を開催し、13MPに求める希望について社会のあらゆる階層から意見や意見を収集する。
(エッジ、10月21日)