中電工とサマイデンの合弁会社、太陽光発電設備に投資

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)のサマイデン・グループと中電工(本店・広島市)は、22年に設けた合弁会社サマイデン・チュウデンコウ・リニューアブルズを通じ、太陽光発電施設・同関連サービスに共同で投資する合意書を交わした。

合意はREにおけるプロジェクト投資を実施する際の双方の権利・義務を規定したもの。合弁会社への出資比率は、サマイデン子会社のサマイデン・キャピタルが51%、中電工が49%。中電工は2022年にサマイデンの7.27%株を取得し大株主になった。その後買い増しし、現在の持ち株比率は15.15%。日本の顧客向け屋上ソーラーシステム設置、REプロジェクトの運用・保守技術の紹介など、共同での投資や合弁を推進することで合意している。

中電工は電気・空調・給排水・情報通信関連工事を手掛ける総合設備エンジニアリング企業。東岡孝和常務執行役員は、サマイデンとの提携はマレーシア業務の拡大につながり、RE採用が急拡大している東南アジアへの参入機会も生じるとしていた。
(ザ・スター、10月22日、報道資料、10月21日)

新たな投資優遇政策は来年初頭発表、租税免除以外の措置に

【クアラルンプール】 投資貿易産業省は、アンワル・イブラヒム首相が2025年度予算案で明らかにした新たな投資優遇措置の枠組みを、2025年第1四半期に発表する。2025年からグローバル・ミニマム課税を導入することに備えるもので、テンク・ザフルル投資貿易産業相は「租税免除のような税制面の優遇措置での投資誘致はもはやできない」と語った。

GMTは企業が最低限負担すべき法人税の割合を15%に定める仕組みで、多国籍企業の最低税率がマレーシアで満たされない場合、マレーシア当局はトップアップ税を課し不足分を補う。付加価値の高い投資に的を絞って優遇措置を提供する。二酸化炭素排出の少ない分野への投資のみ認める。

ザフルル氏は、外国からの投資は地元企業を潤し、高度な職の機会を提供するものでなければならないと強調。人材育成、環境配慮にかかわる投資を優遇すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月22日、エッジ、ビジネス・トゥデー、10月21日)

第13次マレーシア計画、来年第3四半期に発表予定

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相は、同省がすでに次期5カ年計画「第13次マレーシア計画」(13MP、対象期間2026ー30年)の起草に着手しており、2025年第3四半期に議会に提出予定だと明らかにした。

ラフィジ氏は、アンワル・イブラヒム現政権が掲げる「マダニ経済」(持続可能性、繁栄、革新、尊敬、信頼、思いやりという6つのコアバリューに基づく枠組みに沿った経済政策)の目的である経済再構築によりマレーシアをアジアの経済リーダーにし、国民の生活の質を向上させるには、13MP をより総合的、戦略的、包括的に起草する必要があると強調。経済省が13MPの枠組みを策定するための意見や提案を募るために、積極的にディスカッション、対話、省庁間計画グループ会議を開催していると述べた。

9月5日と6日に開催された「13MPキックオフ会議」は、国連と世界銀行と共同開催し、国内外の専門家が社会経済のメガトレンド、問題、課題に関する情報や経験を共有した。12月までは一般国民が参加する「マダニ・メンデンガー(聴取)」聴聞会を開催し、13MPに求める希望について社会のあらゆる階層から意見や意見を収集する。
(エッジ、10月21日)

RON95ガソリン価格は2段階システムで=経済相

【プトラジャヤ=アジアインフォネット】 ラフィジ・ラムリ経済相は、2025年半ばをメドに導入されるレギュラーガソリン「RON95」の補助金合理化策について、所得上位15%及び外国人向けの補助金なし価格と所得下位85%向けの補助金付き価格の2段階システムを導入する予定であることを明らかにした。2025年度予算案発表の中で、アンワル・イブラヒム首相は収入の下位85%は合理化の影響を受けないと述べていた。

ラフィジ氏は、「RON95」の場合には6月に開始されたディーゼル燃料補助金合理化の場合とは違ったアプローチが取られると言明。フリートカード(補助金付き価格で購入できるカード)を補助金対象となる3千万人もの国民に発行することはできないと述べた。ただガソリン販売業者など関係者と協議中であるため、具体的な仕組みは後日発表される予定だという。

これに関連してアンソニー・ロ―ク運輸相は、補助金付き価格で購入する際に多機能スマート身分証カード「MyKad」を提示して有資格かどうかを証明する方式を提案していることを明らかにした。

またラフィジ氏は、補助金対象とならない所得上位15%を決める基準について言及。総世帯収入のみに基づくものではなく、純世帯収入、地域、妥当な生活の質のための基本的な世帯支出などの変数を考慮に入れると指摘。「ソーシャルメディアで噂されているように、給与額がこれだけなら補助金を受け取れないというものではなく、他の多くの要素も考慮される」と述べた。

長谷川香料、子会社増資と新工場建設を発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 長谷川香料(本社・東京都中央区)は18日、マレーシアの連結子会社、T.ハセガワ・フレーバーズ(クアラルンプール)への増資、及び新工場建設計画を明らかにした。

同日の取締役会で決定した。中長期的に安定した市場拡大が期待できるアジア市場・ハラル市場において、現地需要拡大に対応した生産能力の拡大に対応するのが狙い。

T.ハセガワ・フレーバーズは2014年10月に買収した各種食品香料の製造販売を手掛ける全額出資子会社で、増資額は1億7,100万リンギ。これにより同社の資本金は1億9,600万リンギとなる。長谷川香料から社員が出向しているほか、香料などの原材料を購入している。

新工場の所在地はネグリ・センビラン州エンステック工業団地。敷地面積は4万8,300平方メートルで、用地は2017年に取得済み。投資予定額は1億8,500万リンギで、自己資金及び今回の増資で充てる。稼働開始は2026年12月を予定している。

グローバルミニマム課税を25年1月から施行、財務省方針

【クアラルンプール】 財務省は18日に公表した財政見通し・連邦政府歳入見込み報告で、グローバル・ミニマム課税(GMT)を2025年1月から施行すると明らかにした。東南アジアではベトナムも施行する。

GMTとは企業が最低限負担すべき法人税の割合を15%に定める仕組みで、経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心に約140カ国・地域が合意した。国家間の税率引き下げ競争に歯止めをかけ、多国籍企業による課税逃れを防ぐ狙いがある。

売上高が年7億5,000万ユーロ以上の企業が、拠点を世界のどこに置いても法人税率が15%以上になるよう調整する仕組みで、▽所得合算ルール▽軽課税所得ルール▽国内ミニマム課税の3ルールがある。

最低法人税率がマレーシアで満たされていない場合、企業はミニマム(トップアップ税)を納入することで不足分を補わなければならない。

課税対象は、2025年1月1日かそれ以降に会計年度が開始される多国籍企業で、企業は27年6月までにミニマム課税納税申告書を当局に提出しなければならない。
(ザ・スター、10月19日、エッジ、ベルナマ通信、10月18日)

経常黒字は今年と来年は増加、財務省経済見通し

【クアラルンプール】  財務省は18日に発表した「経済アウトルック2025」の中で、経常収支の黒字が2023年に282億リンギと26年ぶりの低水準に落ち込んだが、今年と来年は増加が見込めるとの予想を示した。

経常収支の今年の黒字は434億リンギ、来年は491億リンギが見込めるという。国民総所得(GNI1)比でそれぞれ、2.3%、2.4%になる。

サービス収支はインバウンド需要で赤字の縮小が見込める。所得収支は直接投資の増加で赤字継続が予想される。上半期の経常黒字は192億リンギで、下半期は242億リンギが見込めるという。

今年通年の貿易黒字は1,151億リンギの予想。工業品や農産物、天然ガスなど鉱業品の輸出増以上に、輸入が増加する見通しのためだ。来年は1,256億リンギが見込める。

旅客運賃の受け取り・支払い、外国人旅行者・海外旅行者の宿泊費の受け取り・支払いなどサービス収支の赤字は今年、204億リンギ、来年は168億リンギに改善するという。旅行収支が改善するためだ。

直接投資収益など対外金融債権・債務から生じる利子・配当金の収支を示す第一次所得収支の赤字は今年、488億リンギに改善し、2025年は565億リンギが予想されるという。
(エッジ、10月18日)

【人生の知恵・仕事の知恵】Rebuild relationship

Rebuild relationship

★現場指導のあり方

先日、ある会社で現場指導についての話題になりました。

第一線監督者が現場のオペレーターを強く怒るため萎縮するということから、どう指導したら良いかという議論です。

筆者がその場でヒアリングしたいくつかの事例に基づくと、監督者とオペレーターの信頼関係に問題があると伺えました。

そのためにいくつかの解決策の提案をしたのですが、結論からするとどうやらもっと手前に問題があると判明しました。

 

★劣化するヒューマンスキル

スマホを手放せない現代人は、リアルのコミュニケーションとのバランスを考えないといけません。それは工場における人材管理も同様です。

意識的な社員への声かけはどんな時代でも必要ですが、スマホをかたときでも離せない現代人には難題です。結局、お互い話せないまま、スマホの画面に目が映ります。

同じことは工場の現場でも起きています。もちろん、現場内で作業中はスマホ禁止ですが、リアルなチャットに馴れていないため、お互いの簡単な会話さえも脇に追いやられてしまいます。

そのため、問題が起きると、相手のリアルな感情を顧みず、怒鳴ったり傷つく言葉を投げかけたりするのです。

 

★挨拶から再スタート

そう考えますと、まずは挨拶からやり直すことが現場での人間関係でも大切だと思います。

スマホ脳を休止させ、直接会話脳を刺激するためには、挨拶の5原則(笑顔で相手の目を見て、大きな声で、相手の名前を呼んで、自分から声をかける)を励行し、会話のキャッチボールから慣れていくことが肝要です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

23年度犯罪統計、オンライン犯罪が増加

【クアラルンプール】 統計局は16日、2023年の犯罪件数が5万2,444件で、前年より3.2%増加したとする犯罪統計を公表した。暴力犯罪が1%増の1万453件、窃盗犯罪が3.8%増の4万1,991件だった。

暴力犯罪には、殺人、レイプ、強盗、傷害が含まれる。このうち最も増加したのはレイプで11.8%増の1,914件だった。地域・州別で犯罪件数が多かったのは順に、クアラルンプール(221件)、セランゴール州(196件)、ケダ州(193件)、ペナン州(193件)、ネグリ・センビラン州(159件)。最少はサバ州の95件で、次いでクランタン州が96件だった。

商事犯罪数は32.1%増の4万350件で、最も件数が多かったのは詐欺で3万6,936件。次いで背任が1,217件、貸金法違反が994件。

オンライン犯罪は35.5%増の3万4,532件。うち最多は電子商取引犯罪で33.2%を占めた。ほかは架空投資話、ロマンス詐欺など。児童ポルノ所有、チャイルドグルーミングなど子ども性犯罪被害は26.5%増の1,567件だった。
(マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、10月16日、統計局発表資料)

 

バティックエア、来年第1四半期までに東ティモールに就航

【プノンペン】 バティック・エアは、クアラルンプール(KL)と東ティモールの首都ディリを結ぶ路線を2025年第1四半期までに就航する計画だ。アマルジット・シン在マレーシア・東ティモール大使が明らかにした。ディリ乗り入れはマレーシアの航空会社では初めて。バティック・エアは、ディリに就航する航空会社としては5番目となる。

マレーシア・東ティモール両国は今年6月に航空サービス契約に署名。マレーシア運輸省とマレーシア航空委員会(MAVCOM)はバティック・エアの就航をすでに承認しており、フライトスケジュール、運輸権(トラフィックライト)、就航時期に関する協議が最終段階にある。現在、両国の当局者が就航に向けた最終手続きを行っている。

クアラルンプールとディリ間のフライト時間は約4時間となる見込み。アマルジット大使は旧正月(1月29日)前になると見込んでいると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、10月17日)