セカイマルシェ、増資などで合計2.5億円を調達

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 東南アジアにおける生鮮食品のサプライチェーンを展開するセカイ・マルシェ(本社・東京都江東区、 グローバル拠点・クアラルンプール、シンガポール)は19日、増資などを通じて合計2億5,000万円を調達したと発表した。

三井住友海上キャピタルから新たに5,000万円の第三者割当増資を実施、さらに静岡銀行及び北國銀行より総額2億円のデットファイナンスを受けた。

ECが急成長する東南アジアで、日本クオリティの生鮮物流網拡大を加速化する。セカイ・マルシェは声明の中で、東南アジアにおける外食産業の急速な成長、顧客ニーズ拡大に伴い、フルフィルメントセンターの拡充、AIを活用した需要予測のさらなる精度向上、ラストワンマイルの自動化・最適化に調達資金を使用するとし、体制構築費及びマーケティング活動にも充当する予定だとしている

データセンター建設、ジョホール州が審査を厳格化

【シンガポール】 データセンター建設地として成長著しいジョホール州は過去5カ月間に、14件あったデータセンター建設申請のうち、外国企業からの申請4件に認可を与えなかった。州は審査機関としてデータセンター開発調整員会を設けている。

安易な建設許可が地域社会の水、電力供給をひっ迫させる恐れがあるためで、リー・ティンハン副委員長によると、適切な公益基盤がない場所での建設申請を却下した。地域への水供給に影響する恐れがあるためだという。

ジョホール州には13のデータセンターがある。シンガポールはアジア太平洋地域のデータセンターハブだったが、電力、土地不足からデータセンター建設を2019年から停止し、22年に解除していた。ジョホール州のデータセンターの一部はこの間に建設された。

6月以前、データセンター運営業者は開発案の許可申請のみジョホール州当局に提出すればよかった。しかし現在、州当局は▽水・電力消費を抑制するための持続可能性努力▽技能労働者向け高賃金職の創出▽データセンターの潜在的顧客の存在――が提案に含まれているかを審査している。

アンワル・イブラヒム首相は新年度予算案の上程に際し、高賃金職の創出・知識共有につながらないデータセンター建設に消極姿勢を示していた。
(シンガポール・ストレーツ・タイムズ電子版、11月19日)

ジェトロ京都、マレーシア展開支援プログラムを実施へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)京都は、京都知恵産業創造の森と共同で、マレーシアでビジネス展開を目指す京都府周辺のスタートアップ企業を対象に支援プログラムを実施する。

政府・支援機関などのマレーシアの有力プレーヤーとのネットワークを構築しながら、将来的なビジネス展開を促進させるのが狙い。実施日時は2024年12月中旬―2025年2月下旬で、参加申し込みの締め切りは12月2日。対象は京都府・大阪府・兵庫県に拠点を有する、シード期・アーリー期のスタートアップ企業で、対象分野は主にディープテック、環境・クリーンテック、ヘルスケア、フードテック、ロボティクス関連技術関連製品・技術、サービスを展開する企業となっている。

2025年1月前半まで行われるプレプログラムでは、オンライン方式でワークショップ(プログラム概要説明、マレーシア概況ブリーフィング)、個別メンタリング(メインプログラムのゴール設定、ピッチのブラッシュアップ)を実施する。

2025年1月20日―23日のメインプログラムでは、実際にクアラルンプール(KL)を訪問し、現地機関訪問・面談・ピッチを実施。続く2月に行われるフォローアッププログラムでは、オンライン形式で参加企業が連携を希望する現地機関との個別セッションを行う。

ECサイトのJD.com、マレーシアのハラルパビリオン開設

【北京】 HYTクロス・ボーダーは、中国の京東商城が運営する電子商取引サイトのJD.comにマレーシア・ハラル(イスラム法に準拠した)パビリオンを開設した。中国市場向けハラル商品のオンラインパビリオンは初めて。導入式に出席したノルマン・ムハマド在中国マレーシア大使は、マレーシアの中小零細企業はJD.comを通じ中国の消費者と直接つながることができ、増大するハラル商品需要を満たすことになるとあいさつした。

ノルマン・ムハマド氏によれば、マレーシアの商品はJD.comのプラットフォームで販売上位5位以内に入っており、マレーシア産ハラル商品の潜在性を示すものだという。マレーシア政府としてマレーシア展示館ではハラル商品だけでなく、包装材、製造原料、電気製品なども商品リストに加える意向だ。

HYTのダニー・タン代表によれば、食品、化粧品、スキンケア商品を中心に380-400種のハラル商品を掲載する計画で、初年度の商品販売額は500万リンギを見込んでいる。

JD.comは中国2位の電子商取引サイトで、ユーザーは10億人を超える。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月20日、エッジ、マレーシアン・リザーブ、11月19日)

 

スターバックスマレーシア、ボイコットで50店が閉店

【クアラルンプール】 ベルジャヤ・フードが運営しているスターバックス・マレーシアが、パレスチナ支持派・反イスラエル派によるボイコット運動の影響で売上減が続いており、これまで50店舗が閉鎖に追い込まれた。

スターバックスはマレーシアにおいて公式ブラックリストに載っていないにもかかわらず、イスラエルや米国と関係があるとの誤解によって引き起こされているという。ベルジャヤ・フードはフランチャイズ権を有するものの純然たるマレーシア企業であり、国内で5,000人以上を雇用している。

状況は悪化を続けており、他のカフェ・チェーンとの熾烈な競争も重なって全国408店舗のうち50店舗が一時閉店した。閉店率は12%に上り、前四半期の閉店率6%の2倍となっている。

ベルジャヤ・フードの今年度第1四半期(2024年7―9月期)は売上が55.4%減の1億2,419万リンギにとどまり、税引き前損失が3,182万リンギとなり、赤字は4四半期連続となった。前年通年(2023年7月―2024年6月)の売上は52.0%減の1億3,057万リンギで、税引き前損失は4,269万リンギに上った。

ベルジャヤ・フードはパリ・バゲットなどの他のブランドを拡大することで多様化を図ろうとしているが、メイバンク・インベストメント・バンクは、ベルジャヤ・フードの損失が年末までに6,500万リンギに達する可能性があり、向こう2年間の利益予想は最大15%下方修正される可能性があると予測している。
(ビジネス・トゥデー、ラクヤットポスト、11月18日)

MRT3号線着工は2027年になる見込み

【クアラルンプール】 首都圏大量高速輸送(MRT)環状線(3号線)の建設プロジェクトは用地買収手続きに時間がかかるため、着工は2027年になる可能性が出てきた。開発の推進母体であるMRTコープのザリフ・ハシム最高経営責任者(CEO)の話として国営ベルナマ通信が伝えた。

現在進められている公共検査が12月2日まで行われる予定で、その後、路線を確定し土地取得プロセスを開始する流れとなるという。用地買収手続きには最長で24カ月かかる見通しで、予定期間は2026年まで延長されるとみられる。

計画案によると、MRT環状線の全長は51キロメートル(km)で、地上部分が39km、地下部分が12km 、合計32の駅が設置される。うち10駅で既存のMRT、軽便鉄道(LRT)、マレーシア国鉄(KTMB)、KLモノレール駅と接続する。32駅のうち25駅が高架駅で、7駅が地下駅となる。

輸送能力は内回りと外回りでそれぞれ1時間当たり2万5,000人。各列車の乗車定員は750人で、73分で一周する。ピーク時には4分間隔、オフピーク時には7分間隔で運行される。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月18日)

ハラル認証取得、57%が非マレー企業=首相府相

【クアラルンプール】 イスラム開発局(JAKIM)が発行するハラル(イスラムの戒律に則った)認証(SPHM)について、11月10日時点で認証取得企業の57%をブミプトラ(マレー人と先住民の総称)以外の企業が占めている。

モハメド・ナイム・モクタル首相府相(宗教担当)によると、認証取得企業は9,520社で、うち5,449社、率にして57.2%は非ブミプトラ企業だった。ブミプトラ企業は3,803社で39.9%にとどまり、残りの3%(268社)は外資系企業だった。

ナイム氏によると、より多くのブミプトラ企業にハラル認証取得を促す取り組みとして、先住民信託評議会(MARA)、ブミプトラ・アジェンダ振興局(TERAJU)、マレーシア・マレー商工会議所(DPMM)などの関係者との戦略的協力が随時行われている。

2024年1ー9月のハラル製品の輸出額は450億4,000万リンギに達し、前年同期の393億6,000万リンギから大幅増加した。
(ワールド・オブ・バズ、11月16日)

ニッソウ、OSKホールディングスと不動産事業で業務提携

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 不動産リフォームのニッソウ(本社・東京都世田谷区)は18日、マレーシアのコングロマリット(複合企業)であるOSKホールディングスと不動産事業における包括的業務提携で基本合意し、覚書を締結したと発表した。

覚書締結により、OSKがマレーシアと豪州で開発を進めている不動産物件を日本で紹介することができるようになる。またニッソウは声明の中で、「OSKは不動産関連事業以外も活発であるため、アジアを中心とした国際ビジネスのさらなる拡大が期待できる」としている。

OSKは豪州メルボルンで大規模開発「メルボルン・スクエア」(総工費約2,800億円)を手掛けており、両国で大規模な不動産開発をおこなっており、従業員積立基金(EPF)も49%(OSKが51%)出資している。

南海電鉄幹部と観光バスの安全策を協議=観光芸術文化相

【クアラルンプール】 ティオン・キンシン観光芸術文化相は15日、10月にペラ州で発生した日本人観光客が死傷した観光バスの事故を受け、南海電鉄(本社・大阪市)の幹部と会談し、今後の対策について協議したことを明らかにした。ティオン大臣がフェイスブックに投稿した。

ティオン氏は仙台市で開催された「観光レジリエンスサミット」(9ー11日)に出席した際、南海電鉄の芦辺直人専務と会談した。南海電鉄は、JTBと共同で事故にあったツアーを募集し、現在はツアーを取り止めている。ベルナマ通信によると、ティオン氏は哀悼の意を表明したうえで、「マレーシア政府観光局が事故の損害賠償請求を今後支援することを確約した」という。

ティオン氏は、観光バスの規制は本来観光芸術文化省の管轄外だが、こうした事故が観光部門に悪影響を及ぼしているとし、今後、運輸省と協力し安全確保に向け対策を講じていく方針だと述べた。南海電鉄との会談では、運転時間の制限▽8時間超の場合は運転手複数制の義務化▽運転手のアルコールおよび薬物検査の実施▽長距離路線にビデオ監視の実施▽乗客のシートベルト着用の義務化▽ツアーバスの高さ制限導入ーーなどの対策を提案したという。

南海電鉄とは、来年開催される大阪・関西万博の期間中、2026年の「ビジット・マレーシア・イヤー」(マレーシア観光年)の宣伝を電車内で実施することが決まっている。
(ベルナマ通信、11月15日)

交通安全研究所がEVの安全指針発表、緊急時対応を説明

【クアラルンプール】 マレーシア交通安全研究所(MIROS)は15日、電気自動車(EV)の緊急事案に関する安全確保のための指針を発表した。

アンソニー・ローク運輸相によると、指針は▽EVインシデント管理のための道路利用者と公共の安全に関する指針▽高圧EV評価手続き▽EV衝突試験所の安全指針--の3つ。EVインシデントは、爆発、感電、火災などを招く恐れがあり、そうした緊急時の対処法を、一般人が理解しやすい簡明な表現で示しているという。

MIROSは東南アジア諸国連合(ASEAN)で際立った車両試験所と認識されており、指針はマレーシア国内だけを意図したものではなく、域内各国の交通安全当局による採用も期待している。

EVインシデント管理の指針では、車両火災などに際し、その場にいる最初の対応者がどう行動すべきかを説明している。衝突試験所の安全指針では、試験所がASEAN自動車安全評価プログラム(NCAP)の条件を満たすことを求めている。
(ザ・スター電子版、エッジ、ベルナマ通信、11月15日)