「有害コンテンツ」対策でメタをけん責、免許制導入協議で

【クアラルンプール】 政府が2025年からフェイスブック、TikTokなどのSNSサービス運営する企業に免許取得を義務付けることについて、フェイスブックなどを運営するメタ・プラットフォームズは、明確な指針がなく、制度に対応するための時間が少なすぎると不満を表明した。

免許制導入は8月に発表された。サイバー犯罪対策の一環で、国内の利用者が800万人以上のプラットフォームが対象だ。2025年1月1日までの免許申請を求めている。

メタの東南アジア地域幹部ラファエル・フランケル氏はロイター通信の取材に対し、免許申請までの期間が極めて短く、SNSが果たすべき責務も明確でないと指摘。「こうした規制は適切に組み立て、安全と技術革新、デジタル経済成長とのバランスをとる必要があるため、2-3年の協議が必要だ」と語った。

ファーミ・ファジル通信相は10月29日、メタ代表者と会い、小児性愛やチャイルドグルーミングの問題に対する対策が、特にフェイスブック上で不十分とメタをけん責。「そうした性犯罪に関与するグループアカウントに対しメタは積極的対策を講じるべき」と語った。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、マレー・メイル、10月30日)

ペラ州で建設の新高速道路、南北高速道の混雑を4割緩和

【クアラルンプール】 建設中の「ウエスト・イポー・スパン高速道路(WISE)」は南北高速道路の混雑を最大40%緩和する見通しだ。WISE開発・運営権益文書の授与式で、アレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相が語った。

WISEはペラ州のクアラカンサーとゴペンを結ぶ全長60.88キロメートルの高速道路。総工費は62億リンギで、2028年に完工の予定。クアラカンサー―ゴペン間は丘陵地で、大型車両の混雑が発生しやすい。

運営権を取得したのはイースト・コースト・ロード社で、権益期間は工事期間を含め55年。道路料金は1キロにつき23センで、固定制。固定制はマレーシア初で、ナンタ・リンギ氏は「利用者負担が最小限に抑えられる」と語った。6カ所にインターチェンジが整備される。

開発費用は全額、イースト・コースト・ロードが負担する。ナンタ・リンギ氏によれば、WISE事業が行われなければ、政府は南北高速道路を拡充しなければならず、歳出を余儀なくされるという。

こうした事情からナンタ・リンギ氏は「この事業が成功裏に運ぶよう、金融機関、認可当局の州政府など関係機関に協力、支持を求めたい」と語った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月1日、エッジ、マレー・メイル、10月30日)

 

KLIA1で日本人から窃盗、中国籍の男3人に禁固3カ月

【クアランプール】 セランゴール州セパン治安判事裁判所は10月30日、日本人男性のかばんからカードの入った財布を盗んだとして、中国籍の男3人にそれぞれ禁固3カ月を言い渡した。

判決を受けたのは、50代の中国籍の男3人。被害にあった日本人男性は10月21日、セランゴール州ペタリンジャヤのレストランで支払いをしようとした際、かばんから財布がなくなっているのに気づいた。クアラルンプール新国際空港第1ターミナル(KLIA1)で被害にあったとみられる。

また被害男性の知らない場所で、盗まれた財布にあったクレジットカードが使われ、3回に分けて不正使用され計7,622リンギが盗まれたという。男性は翌22日に警察に通報し、3人は25日にKLIA1で逮捕された。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、10月30日)

マレーシア人の死因トップは肺炎、心疾患上回る

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 統計局は、マレーシア人の死因に関する最新統計を発表。2023年の死因第1位は肺炎で、 虚血性心疾患をわずかに上回り、通年で1万8,181人が亡くなった。肺炎が死因トップになったのは20年ぶり。死因全体の15.2%を占めた。

肺炎がトップとなった理由について統計局のモハマド・ウジル首席統計官は、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響だと指摘。特に免疫力が弱く、健康状態が良くない人が肺炎にかかる可能性が高いとした。なお2019年は新型コロナが死因トップだった。

2番目に多かった虚血性心疾患は全体の15.1%を占めた。ウジル氏は不健康な生活習慣や食習慣に大きく関係していると指摘した。ただし男女別でみると男性の死因トップは虚血性心疾患だった。

民族別では、肺炎は中国系とその他のブミプトラ系民族の間で多い傾向で、虚血性心疾患はマレー系とインド系で多い傾向となった。

年齢別では、60歳以上の死因トップは肺炎で、41―59歳では虚血性心疾患がトップだった。

3位以下の死因とその割合は▽脳血管障害(7.2%)▽交通事故(3.5%)▽気管、気管支、肺の悪性腫瘍(2.0%)▽慢性下気道疾患(1.8%)▽結腸、直腸、肛門の悪性腫瘍(1.7%)▽糖尿病(1.7%)▽高血圧性疾患(1.5%)▽乳腺の悪性腫瘍(1.4%)――となった。

悪性腫瘍による死亡者数も増加傾向にあり、2001年の5,231人から2023年には1万6,545人に大幅増加している。悪性腫瘍による死亡者数が最も多かったのは消化器(5,054人)で、次いで呼吸器および胸郭内臓器(2,530人)、乳がん(1,681人)となった。