【人生の知恵・仕事の知恵】Quality of word

Quality of word

★管理者の悩み

最近、新しい研修のテーマをクライアントと打ち合わせをしていると、特にローカルスタッフの担当者からは、「難しい部下との接した方を教えて欲しい」という内容が増えました。いわく、「若い世代は、はっきりと物をいうので対応に困る」というものが一般的です。

筆者が具体例をヒアリングすると、必ずしも部下に責任があるとは思えない事例が大半で意地の悪いような表現をすれば、「部下に責任をねじ込ませようとして」しまうあまりに信頼関係が損なわれてしまうという傾向が伺えました。

 

★希薄化する上下関係

もう一つの原因は、上司も部下も、最近の人との付き合い方は、リアルは限られた気の合う人たちで、SNSなどでは匿名での接点であるため、「リアルの上下関係」における耐性が薄いということも挙げられます。

従って、ネガティブな言葉を平気で投げかける、あるいはそれを受けて傷つきやすい傾向があるとも言えるでしょう。

言ってみれば、組織に入ってはじめて上下関係を学ぶ「上下関係初心者」が多いため、強い言い回しを避ける、あるいは耐えられないケースが多いのだと観察しています。

 

★言葉の重みを知る

上下関係が希薄化することで、言葉の重みも薄まります。自分の投げかける言葉で相手が傷つくことを想像することや、逆に、多少の厳しい表現も、その真意を理解することは、リアルの人間関係を円滑に行うために大切です。

言葉には質感があることを学ばなければいけない時代です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

 

【イスラム金融の基礎知識】第555回「マレーシアのイスラム金融の父」が死去

「マレーシアのイスラム金融の父」が死去

Q: アブドゥル・ハリム・イスマイル氏の業績は?

A: マレーシアの主要メディアが報じたところによると10月26日にバンク・イスラム・マレーシアの元社長(MD)のアブドゥル・ハリム・イスマイル氏が亡くなった。85歳だった。一部のメディアでは「マレーシアのイスラム金融の父・開拓者」と呼んでその業績を称え、その死を悼んである。

バンク・イスラムやゆかりの財団によると、アブドゥル・ハリム氏は1939年にケダ州で生まれた。1965年にマラヤ大学で経済学の学士号を取得、イギリスのオックスフォード大学では博士号を取得した。マレーシア国民大学(UKM)で教鞭をとった後、ブミプトラ銀行(後のCIMB銀行)チーフ・エコノミストに転身した。そして1983年、新設されたマレーシア最初のイスラム銀行であるバンク・イスラムの初代社長に就任した。イスラム銀行業の実務経験はなかったものの、彼がマラヤ大学で学んでいた時期は、タブン・ハッジの理論提唱者であるウンク・アブドゥル・アジズ氏が副学長に就く前(1968年就任)であり、在学時に彼からイスラム金融の薫陶を受けていただろうと推察される。

バンク・イスラムの社長に就任すると、同銀行を通じてイスラム銀行業だけでなく、イスラム式の保険会社や証券会社なども創業した。彼は、グループを通じてイスラム銀行産業からイスラム金融産業へと業務を拡大し、国内に根付かせることに尽力した。創業から市場開放までの10年間、バンク・イスラムが市場の先鞭をつける役割を果たし、1992年に社長職を辞した。

こうした業績が認められ、アブドゥル・ハリム氏は、マレーシアにおける金融やイスラムに関する様々な賞を受賞した。彼の死去に伴いバンク・イスラムの現CEOは「晩年まで、私たちへのアドバイスをとても熱心に語ってくれた」との思い出をメディアに語った。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

日清オイリオ子会社、ガスマレーシアからバイオメタン購入

【クアラルンプール】 日清オイリオのマレーシア子会社、インターコンチネンタルスペシャリティファット(ISF)は、ガス・マレーシア子会社のガス・マレーシア・エナジー・アンド・サービシズ(GMES)からバイオメタンの供給を受ける契約を締結した。

バイオメタンには国際持続可能性カーボン認証(ISCC)プラスの証明書が付いている。ISCCプラス認証は、再生可能な材料やリサイクル材料を使用した製品を認証する国際的な認証制度で、食品、飼料など、持続可能な原料や中間材、最終製品、関連するサプライチェーン上の事業者が対象。

締結式に立ち会ったガス・マレーシアのアハマド・ハシミ最高経営責任者(CEO)は「これまで化石燃料に依存してきた産業における再生可能エネルギー(RE)の採用を前進させる一歩となる契約だ」と語った。

パーム油工場の廃液を原料にバイオメタンを生産するもので、循環経済のモデルになり得る。二酸化炭素排出が削減されることで、ISFの環境・社会・統治(ESG)目標の達成にも貢献するという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月2日、マレーシアン・リザーブ、11月1日)

HKS、「東京オートサロンKL2024」にコンセプトカー出展

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 チューニングメーカーのエッチ・ケー・エス(HKS、本社・静岡県富士宮市)は、マレーシアで11月8日―10日の日程で開催される「東京オートサロン・クアラルンプール(KL)2024」にてコンセプトカーの展示を行うと発表した。

東京で開催された「東京オートサロン2024」で展示した車両を刷新したコンセプトカー「THE HKS GT-R R35 MY24 NISMO DimensionZ」を展示する。ベース車両は2024年式日産「GT-R NISMO」で、新たに立ち上げた車両販売事業「THE HKS」の象徴的存在として製作した。

日本での車両販売価格は1億1,000万円で、発売開始は2025年冬を予定している。

サラワク州長期滞在ビザ、承認要件を来年1月付で改定

【クチン】 サラワク州は、同州に居住するための長期滞在ビザ(査証)、サラワク州マレーシア・マイ・セカンド・ホームプログラム(S-MM2H)の承認条件を2025年1月1日付で改定する。監督権限が7月、連邦政府から州政府に移管されたことに伴う措置で、ビザ承認後、申請者が州の銀行に預ける定期預金の額が引き上げられる。S-MM2H代理店も営業免許の再申請を求められる。

アブドル・カリム州観光・創造産業・舞台芸術相の発表によると、承認要件は、マレーシアが外交関係を持つ国の30歳以上の国民。定期預金の預入額は1人につき50万リンギ(以前は15万リンギ)。滞在可能期間はこれまで同様5年プラス5年で、年間滞在日数30日以上が更新の条件。申請手続き費用は5,000リンギ。

S-MM2Hの利用者は2022年が441人、23年が542人。今年は8月時点で386人がビザを認められており、定期預金の合計は7,755万リンギ。

出身国・地域別内訳は、中国が391人、英国350人、台湾262人、香港255人、米国210人、シンガポール207人、韓国178人、日本138人、豪州121人、インドネシア117人。
(ザ・スター、11月1日、ベルナマ通信、マレー・メイル、10月31日)

マレーシア国鉄、1月から都市部中心に完全キャッシュレス化

【クアラルンプール】 マレーシア国鉄(KTMB)は、首都圏クランバレーや地方の都市部を中心に2025年1月1日より完全キャッシュレスのチケット購入システムを導入すると発表した。

年末までの移行段階では、公式ソーシャルメディ、駅での宣伝資料の配布、電車内でのアナウンスなど、さまざまなチャンネルを通じて、特に高齢者や障害者にキャッシュレス決済への移行について周知徹底を求めていく。

地元の銀行と協力して、デビットカードを持っていない人を支援する。駅職員は、KTMBモバイル (KITS) アプリまたは「コミューターリンク」カードへの登録を奨励し、アプリまたはカードでチケットを購入するよう案内していく。また自販機でのチケットを購入するサポートも行う。

キャッシュレス決済の普及をさらに促進するため、KTMBはKITS登録者先着1,000人に500のポイントを付与するほか、1,000枚の「コミューターリンク」 カードを無料配布している。

統計によると、現在、乗客の約82%がKITS経由で高速電車鉄道(ETS)と「シャトル・テブラウ」のオンライン決済方法を利用しており、首都圏および北部のKTMコミューター・サービスに対するキャッシュレス決済システムの利用率も71%に上っている。
(ザ・スター電子版、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月1日)