アンワル首相訪中、中国と「一帯一路」協力計画を締結

【上海】 中国を4日から4日間の日程で訪問したアンワル・イブラヒム首相は5日、同国の李強首相と共に、中国が主導する「一帯一路」協力計画に関する文書の手交式に立ち会った。政策の調整、貿易・投資、金融協力の拡大、文化・教育面などでの関係強化を通じ、協力関係をさらに強める。文書交換にはテンク・ザフルル投資貿易産業相と劉蘇社・国家発展改革委員会副主任が当たった。

アンワル氏の訪中は第7回中国国際輸入博覧会出席が目的。李氏との会談でアンワル氏は、マレーシアのBRICs(ブリックス)への参加申請を中国が率先して支持したことに謝意を表明した。マレーシアは10月24日、パートナー国として認められた。

アンワル氏は6日、多数の有力中国企業の関係者と円卓式で、また個別に会談した。会談相手には、著名ベンチャーキャピタルの成為資本の幹部が含まれる。会談後の同行記者団との会見でアンワル氏は、中国企業のマレーシアへの関心は高まっていると語った。上海訪問後は北京に入り、習近平国家主席を表敬訪問する。
(エッジ、ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月6日、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、11月5日)

ホンダマレーシア、「シビック」など3万6千台をリコール

【クアラルンプール】 ホンダ・マレーシアは6日、電動パワーステアリング (EPS) のギアボックスに不具合があったとして、Cセグメントセダン「シビック」と「シビック・タイプR」、コンパクトSUV「CR-V」の計約3万6,000台をリコールすると発表した。

対象となる車種(年式)は、シビック(2022ー2024年)▽シビック・タイプR(2023ー2024年)▽CR-V(2024年)。EPSギアボックスに関し、歯車(ウオームホイール)の潤滑剤の膜厚が減少し、ステアリングの異音や固着を引き起こす可能性があるという。

同社の全額負担で、部品を交換して対応する。交換部品は2024年12月から段階的に利用可能で、同社は各車両の所有者に対し、お詫びとともに、早期の点検の予約を呼びかけている。また、ほかの車種のギアボックスには影響ないとしている。
(ポールタン、ビジネス・トゥデー、11月6日)

一等地オフィス入居率が上昇、多国籍企業の本部設置で

【クアラルンプール】 不動産サービスのナイト・フランク・マレーシアは、多国籍企業によるクアラルンプールでの地域本部開設需要が極めて多く、一等地オフィスの入居率、資産価値が高まっているとの分析を示した。オフィス市場の先行きは引き続き明るいという。

ナイト・フランクによると、多国籍企業はマレーシア、特にクアラルンプールでの拠点開設に意欲的で、賃貸費の低さ、ビジネスを歓迎する環境が誘因になっている。

アジア太平洋地域の第3四半期のオフィス賃貸料は前期比0.1ポイント下落した。中国本土にある都市の賃貸料が前年同期比11%下落したのが主因。域内全体の入居率は14.8%で、前期比0.2ポイントの低下だった。世界的な経済の先行き不透明で入居者は出費に慎重になっており、賃借契約更新やオフィス統合を好む傾向が強くなっているという。

バンク・ムアマラット・マレーシアは、クアラルンプールのオフィス需要増は賃貸料の上昇を招くが、フレキシブル勤務を利用すれば必要なオフィス面積を減らせるため経費を抑制できるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月6日、ビジネス・トゥデー、11月5日)

アンワル首相がトランプ氏に祝辞、地域への再関与を要請

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は米国の大統領選挙で勝利し、第47代大統領に就任するドナルド・トランプ前大統領に対する祝辞をフェイスブックとX(旧ツイッター)上に投稿した。

トランプ氏の大統領返り咲きは「新たな章であり、機会の一新をもたらす。マレーシアは楽観、協力心、目的の共有をもって前進する用意がある。両国人民の利益のため次期大統領と緊密に行動することを楽しみにしている」と表明。米国がマレーシアへの外国投資で最大国であることを取り上げた。

また、2025年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国として、マレーシアは米国が東南アジアへの関与を再び強めることを期待すると表明。さらに「パレスチナ、ウクライナにおける破壊的行為、人命損失を終わらせる助けとなるよう米国がその多大な影響力を行使するよう求める」とした。

テンク・ザフルル投資貿易産業相もXに、トランプ氏勝利の祝辞を投稿。米国とマレーシアとの経済、貿易上の協力関係は長期にわたっているし、今後の関係強化に期待を表明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月7日、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、11月6日)