【クアラルンプール=アジアインフォネット】 1980年代から2000年代初頭にかけてマハティール・モハマド元首相の片腕として活躍し、現在資産公開を拒否した罪で係争中のダイム・ザイヌディン元蔵相が13日早朝、入院中のセランゴール州ペタリンジャヤの病院で亡くなった。86歳だった。

ダイム氏は経済界から政界入り。下院議員初当選は1982年で、2004年まで5期務めた。1984年からマハティール政権下で蔵相を務め、財政建て直し、経済改革で手腕を発揮した。1991年に財政状況改善を理由にいったん辞任したが1999年に返り咲き、2001年までアジア通貨危機への対応などに取り組んだ。

政界を引退していたダイム氏だが、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が2021年10月から公表を開始した租税回避行為に関する機密文書(パンドラ文書)にダイム氏の名前が記載されており、マレーシア汚職摘発委員会(MACC)が捜査を開始。MACCは今年1月、ダイム氏と妻のナイマ・アブドル・カリド氏を資産申告を怠った罪で起訴した。これに対しダイム氏側は、政治的弾圧だと主張。次回公判は11月20日に予定されていた。