【クアラルンプール】 格安航空エアアジア・グループの創業者、トニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は、クアラルンプール(KL)とタイ・バンコクにドバイのような格安航空ハブを建設する構想を明らかにした。
フェルナンデス氏は、エアアジアにとって最適なのは所要時間1時間半から6時間のフライトだとした上で、様々な目的地に向かう乗り継ぎ客をKLやバンコクのハブに誘導することを目指すと言明。「私がやろうとしているのは、世界で初めてドバイやカタールのようなハブをクアラルンプールとバンコクに作ることだ。ハブのようなものはバンコクやシンガポールにもあるが、これらはプレミアム航空ハブだ。誰も低コストのハブを実現したことはない」と述べた。KLとバンコクの格安航空ハブを経由してネットワークを拡大するとともに、チェンマイ―中国線のような地方都市への路線を増やすことで成長を図るという。
フェルナンデス氏は、「我々は(新型コロナ禍の)5年間、地獄の日々を過ごした。しかし我々は復活しさらなる成長を目指している」と言明。コロナ禍で解雇した2,600人の従業員全員を再雇用し、現在は2万3,000人を雇用していると述べた。
エアアジアは新型コロナ禍で大きな打撃を受け、債務再編、従業員の解雇、一部機材のリース会社への返却を余儀なくされた。親会社であるキャピタルAは上場計画を断念し、代わりに姉妹会社のエアアジアXと合併して大幅原資を行い、財政難カテゴリーから脱却を図る方針だ。
(ブルームバーグ、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、11月22日)