ホンダマレーシア、「シビック」など3万6千台をリコール

【クアラルンプール】 ホンダ・マレーシアは6日、電動パワーステアリング (EPS) のギアボックスに不具合があったとして、Cセグメントセダン「シビック」と「シビック・タイプR」、コンパクトSUV「CR-V」の計約3万6,000台をリコールすると発表した。

対象となる車種(年式)は、シビック(2022ー2024年)▽シビック・タイプR(2023ー2024年)▽CR-V(2024年)。EPSギアボックスに関し、歯車(ウオームホイール)の潤滑剤の膜厚が減少し、ステアリングの異音や固着を引き起こす可能性があるという。

同社の全額負担で、部品を交換して対応する。交換部品は2024年12月から段階的に利用可能で、同社は各車両の所有者に対し、お詫びとともに、早期の点検の予約を呼びかけている。また、ほかの車種のギアボックスには影響ないとしている。
(ポールタン、ビジネス・トゥデー、11月6日)

一等地オフィス入居率が上昇、多国籍企業の本部設置で

【クアラルンプール】 不動産サービスのナイト・フランク・マレーシアは、多国籍企業によるクアラルンプールでの地域本部開設需要が極めて多く、一等地オフィスの入居率、資産価値が高まっているとの分析を示した。オフィス市場の先行きは引き続き明るいという。

ナイト・フランクによると、多国籍企業はマレーシア、特にクアラルンプールでの拠点開設に意欲的で、賃貸費の低さ、ビジネスを歓迎する環境が誘因になっている。

アジア太平洋地域の第3四半期のオフィス賃貸料は前期比0.1ポイント下落した。中国本土にある都市の賃貸料が前年同期比11%下落したのが主因。域内全体の入居率は14.8%で、前期比0.2ポイントの低下だった。世界的な経済の先行き不透明で入居者は出費に慎重になっており、賃借契約更新やオフィス統合を好む傾向が強くなっているという。

バンク・ムアマラット・マレーシアは、クアラルンプールのオフィス需要増は賃貸料の上昇を招くが、フレキシブル勤務を利用すれば必要なオフィス面積を減らせるため経費を抑制できるとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月6日、ビジネス・トゥデー、11月5日)

アンワル首相がトランプ氏に祝辞、地域への再関与を要請

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は米国の大統領選挙で勝利し、第47代大統領に就任するドナルド・トランプ前大統領に対する祝辞をフェイスブックとX(旧ツイッター)上に投稿した。

トランプ氏の大統領返り咲きは「新たな章であり、機会の一新をもたらす。マレーシアは楽観、協力心、目的の共有をもって前進する用意がある。両国人民の利益のため次期大統領と緊密に行動することを楽しみにしている」と表明。米国がマレーシアへの外国投資で最大国であることを取り上げた。

また、2025年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国として、マレーシアは米国が東南アジアへの関与を再び強めることを期待すると表明。さらに「パレスチナ、ウクライナにおける破壊的行為、人命損失を終わらせる助けとなるよう米国がその多大な影響力を行使するよう求める」とした。

テンク・ザフルル投資貿易産業相もXに、トランプ氏勝利の祝辞を投稿。米国とマレーシアとの経済、貿易上の協力関係は長期にわたっているし、今後の関係強化に期待を表明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月7日、ビジネス・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、11月6日)

核エネルギーを導入、発電所建設・運営は民間が主導

【クアラルンプール】 ラフィジ・ラムリ経済相は5日、原子力エネルギーをエネルギー源の一つとして採用する政府方針を明らかにした。第13次マレーシア計画(13MP、対象期間2026―30年)のエネルギー政策に含めるという。

ラフィジ氏は、50年にネットゼロ(二酸化炭素排出実質ゼロ)の国家目標達成は原子力エネルギーの利用なしでは極めて困難と説明。原子力がよりクリーンなエネルギー源であり、燃料使用量が少ないため、石炭火力のように燃料価格の変動にあまり左右されない利点があるとし、従来の原子炉よりも小型の核分裂炉である小型モジュール炉(SMR)が開発されており、安全度は従来型より高いと述べた。

エネルギー移行・水利転換省と科学技術革新省が原子力エネルギーの利用に関する法的・規制の枠組みの策定を開始した。

政府が実行資金を負担するのかとの記者の質問に対し、ラフィジ氏は「現在の発電モデルでは、プロジェクト実施は民間セクターがけん引する」と民間に開発・運営を委ねる意向を示唆した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月6日、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、11月5日)

合理化でRON95補助金が年80億リンギ節約=第2財務相

【クアラルンプール】 アミル・ハムザ第2財務相は、来年半ばに実施を予定している対象を絞ったレギュラーガソリン「RON95」の補助金制度を通じた漏洩防止策により、年間80億リンギの補助金支出が節約できると述べた。

アミル・ハムザ氏は5日の下院議会質疑の中で、支給対象を所得上位15%(T15)以外に絞った新制度は、本来恩恵を受けるべきでない人物を通じた補助金漏洩を軽減するために不可欠だと指摘。データによると外国人や富裕層、商業セクター、密輸活動による補助金付きガソリン消費が総ガソリン使用量の約40%を占めると推定されるとし、「現在のRON95補助金が年間約200億リンギであることを考慮すると、新制度により年間最大80億リンギを節約できる可能性がある」と述べた。

一方、RON95補助金の対象となる世帯収入の決定に関しては、マレーシア統計局(DOSM)が実施する世帯収入調査(HIS)の世帯収入レベルだけに基づくものではないと言明。政府が現在、除外対象となるT15グループを定義するための方策を検討しており、HISの定義に直接拘束されることはないと述べた。

RON95の補助金支給の具体的な仕組みについては、ディーゼル燃料や電気料金の補助金で使用されているモデルに似た、段階的価格設定メカニズムを検討していると言明。スマート身分証「MyKad」と電子ウォレットの使用も検討していると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、マレー・メイル、エッジ、ベルナマ通信、11月5日)

プロドゥア偽造潤滑油の販売業者に51万リンギの損害賠償命令

【クアラルンプール】 高等裁判所はこのほど、ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)純正と偽った潤滑油を売ったとして、自動車部品・潤滑油販売業、エコ・オート・サプライの経営者リー・ラップキー被告に51万6,777リンギの損害賠償を支払うよう命じた。

訴えていたのは、プロドゥアとプロドゥア・セールスの2社。2019年5月、国内取引物価省による家宅捜索をきっかけに、キー被告の偽造潤滑油の販売が発覚。キー被告は有罪を認め、約5万3千リンギの罰金が科せられたが、それとは別に、2社が損害賠償などを求め民事裁判を起こしていた。

民事訴訟については2022年9月、キー被告によるプロドゥア商標の無断使用の禁止や、日刊紙3紙への謝罪掲載などで和解。損害賠償額については裁判所にゆだねられていたが、今回逸失利益について計1万6,777リンギ、信用と評判の毀損について50万リンギが確定した。
(エッジ、11月5日)

米国で破綻のTGIフライデーズ、マレーシア事業に影響なし

【クアラルンプール】 米レストランチェーンのTGIフライデーズが2日に破産申請を行ったが、TGIフライデーズ・マレーシアは、マレーシア事業は継続すると発表した。TGIフライデーズ・マレーシアのマスターフランチャイジーはテクナX子会社のクレイビアット・インターナショナル。

TGIフライデーズ・マレーシアは、TGIフライデーズ・フランチャイザーLLCとのフランチャイズ契約に基づいて運営されており、TGIフライデーズとは別で米国の再編の影響はないとしている。11月にはミッドバレー・メガモールに新店舗を開業する予定もあるという。

TGIフライデーズ・フランチャイザーは41カ国・56社のフランチャイジーとフランチャイズ契約を結んでいるが、米国外のこれらのフランチャイズはすべて独立所有であるため、米TGIフライデーズが申請した米連邦破産法11条の適用は受けないという。

米TGIフライデーズは、新型コロナ禍で休業を迫られたことや客足が遠のいたことが原因で経営が悪化していた。世界41カ国で460店舗以上を展開し、米国では39店舗を所有・運営している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレーシアン・リザーブ、ビジネス・トゥデー、11月5日)

北東モンスーン期に突入、3月まで大雨に警戒を=気象局

【クアランプール】 マレーシア気象局は、5日から北東モンスーン期が始まると発表。来年3月までの間に大雨が5―7回発生することが予想されるとしている。

大雨となる可能性が高い州として、11―12月にかけての北東モンスーンの初期段階では、クランタン、トレンガヌ、パハン、ジョホール、サラワク、サバの各州、2025年1―2月にかけては、パハン、ジョホール、サラワク、サバの各州を挙げた。

ただし、低気圧と重なる場合などは、他州でも大雨をもたらす可能性があるとして、警戒を呼びかけている。

一方、2025年1―3月の北東モンスーン期の終盤は、マレー半島北部の降雨量が減少し、暑く乾燥した天候につながりやすく、熱波が発生する可能性がある。しかし、低温傾向や降水量の増加などの影響を東南アジアにもたらす「ラニーニャ現象」が年末から2025年半ばまで続くと予想されるため、気象条件は2024年ほど厳しくない見込みだ。
(ベルナマ通信、11月1日)

道路交通局、プロドゥアとホンダ二輪車のリコールを公表

【クアランプール】 道路交通局(JPJ)は4日、ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の2車種5バリアントと、ホンダの二輪車1車種のリコール情報を発表した。

対象となるのはいずれも2024年式で、プロドゥアのコンパクトMPV「アルザ」の▽X▽H▽AV――の3バリアント計2,518台と、コンパクトSUV「アルス」の「X」及び「AV」の2バリアント計1,139 台、ホンダ二輪車「CB350RS」の65台。

プロドゥア車に関してはヘッドライトの照射高が仕様基準を満たしていないためで、ホンダ車はスピードセンサーの不具合によりスピードメーターの読み取りが不正確になるほか、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)やトラクションコントロールが誤作動する恐れがあるためだという

各メーカーが対象車両所有者の費用負担なしで点検と修正を行う。
(マレーシアン・リザーブ、11月4日)

マレーシア航空、機内無料Wifiサービスの機材を拡大

【クアランプール】 マレーシア航空は年内に、全乗客へのデータ通信量無制限の無料Wi-Fiサービスを、ボーイング737-8型機内でも提供する。

同社は昨年11月から、クアラルンプール―成田、クアラルンプール―大阪(関西国際空港)路線などに使われる、一部のワイドボディ機で同様のサービスを導入。好評だったことを受け、ナローボディである最新鋭のボーイング737-8型機内にも拡大する。

同社では現在、同型機4機を保有。2026年までにさらに25機の配備を予定している。
(ザ・スター、11月4日、ソヤチンチャウ、11月1日)