サラワク州、2025年までの完全電化に向け農村部でも前進

【クアラルンプール】 サラワク州営電力会社のサラワク・エナジー(SEB)によるコンテナ型太陽光水素プロジェクトの実証実験が成功し、州政府が掲げる2025年までに完全電化という目標に向け大きく前進した。アブドル・ラーマン・ジュナイディ公益事業・電気通信副相が11日、地元であったグリーン水素展示会で語った。

完全電化という目標において、大きな課題となるのが農村部の電化で、州政府はサラワク代替農村電化計画(SARES)を策定して取り組んできた。

コンテナ型太陽光水素プロジェクトは、送電網につながっていないオフグリッド・ソーラーシステムと、水素貯蔵技術を統合したもの。エネルギーが余っている場合は水素ガスが生成・貯蔵され、より多くの電力を必要とする場合は、水素ガスが電気に戻され、地元のオフグリッドシステムに送られるという。2021年からソン郡の農村で実証実験を行っていた。

ラーマン氏は「ミリなどのまだ電力が供給されていない村でも適合性を調査し、グリーン水素の取り組みを強化していきたい」としている。
(サラワク・トリビューン、12月11日)

MIDFリサーチ、来年のGDP成長を4.6%と予測

【クアラルンプール】 MIDFリサーチは、国内消費の伸びを背景にマレーシアの2025年の国内総生産(GDP)成長が今年の予想値であるプラス5%には及ばないものの、プラス4.6%になるとの予測を示した。

MIDFリサーチのリサーチ責任者、イムラン・ヤシン・モハメド・ユソフ氏は、2025年はマレーシアにとって着実な回復とさらなる安定の年になると予想されるとし、国内と海外の両面で成長の機会が生まれていると指摘。「国内消費は2025年もマレーシアの成長の重要な原動力であり、雇用市場は雇用の増加、賃金上昇、観光部門の成長が消費者支出の増加を支え、前向きな傾向を示している。これらの要因は公務員の給与引き上げや現金支援プログラムなどの政府の取り組みと相まって、経済成長の強固な基盤を提供するだろう」と述べた。

一方でイムラン氏は、国内需要に加えて対外貿易の継続的な成長を予測しているが、米国が課す可能性のあるより厳しい貿易規則については引き続き注視していく必要があると言明。投資家の米国経済データに対する敏感さの高まり、米国の貿易、関税、税金に関する新たな政策、地政学的紛争によるマイナスの影響により、2025年も不確実性と変動性が続くと予想されるとし、2025年が経済と市場にとって波乱の年になると考えていると述べた。

中央銀行バンク・ネガラの金融政策に関しては、イムラン氏は翌日物政策金利(OPR)が2025年も3.00%で据え置かれると予想。通貨リンギの為替レートについては、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めサイクルを一時停止する可能性が高いことから、2025年にリンギが上昇する可能性について楽観視しているとし、今年の推定平均1米ドル=4.56リンギを上回る4.23リンギを予想していると述べた。
(ベルナマ通信、12月10日)

現地組立バス、26年から速度制限装置設置を義務付け

【ペタリンジャヤ】 アハマド・ザヒド副首相は、2026年1月1日付けですべての現地組立(CKD)バスに速度制限装置を装備しなければならないと発表した。ザヒド副首相は道路安全と交通渋滞に関する内閣委員会の議長を務める。

バス運転手に速度制限を遵守させ、交通事故のリスクを減らすことが目的。道路交通局(JPJ)から車両型式の承認を得るためには、2026年から速度制限装置の設置が必要となる。

ザヒド氏によると、今年11月時点で交通事故の死者は5,939人(1日平均約18人)で、死亡事故の主な原因は運転過失(1,667人)、進入路における不注意な進入(690人)、不注意な追い越しや車線変更(525人)、居眠り運転(419人)となっている。ザヒド氏は、薬物の影響下にある運転手による事故が増加傾向にあると述べた。

11日に開催された第3回内閣委員会会議では、公共交通サービスの改善に4億6,300万リンギの予算割り当てが承認された。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、ザ・サン電子版、12月11日)

80万人にAI スキル、マイクロソフトが取り組み開始

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 マイクロソフトは10日、「マイクロソフト・クラウド・アンドAIサミット」 で、2025年末までに80万人のマレーシア人に人工知能(AI)スキルを身につけさせる取り組み、「マレーシアの将来に向けたAI(AIForMYFuture)」を開始すると発表した。

「AIForMYFuture」は▽AIを推進するための多様な関係者の協力▽産業界のAI準備と導入のサポート▽教育を通じて将来に備えた人材を育成▽包括的なAI 経済の開発▽将来の労働力の強化――の5つの方法を通して実施する。マレーシア・デジタル省が主導し近く発足するマレーシアの国家AI事務所(NAIO)と緊密に連携し、セクター間の協力関係を通じてAIアジェンダを推進する。

デジタル省のゴビンド・シン・デオ大臣は、「官民がAI変革に協力すれば、半島北部の農業からペナンの半導体産業、都市部の企業、全国の起業家に至るまでマレーシアでAIを拡大することができる。その結果、スマートな経済ハブとAIエコシステムが生まれ、地域のイノベーションを促進し、ビジネス機会や雇用を創出し、最終的には企業と国民に利益をもたらすものとなる」と述べた。