【クアラルンプール】 MIDFリサーチは、国内消費の伸びを背景にマレーシアの2025年の国内総生産(GDP)成長が今年の予想値であるプラス5%には及ばないものの、プラス4.6%になるとの予測を示した。

MIDFリサーチのリサーチ責任者、イムラン・ヤシン・モハメド・ユソフ氏は、2025年はマレーシアにとって着実な回復とさらなる安定の年になると予想されるとし、国内と海外の両面で成長の機会が生まれていると指摘。「国内消費は2025年もマレーシアの成長の重要な原動力であり、雇用市場は雇用の増加、賃金上昇、観光部門の成長が消費者支出の増加を支え、前向きな傾向を示している。これらの要因は公務員の給与引き上げや現金支援プログラムなどの政府の取り組みと相まって、経済成長の強固な基盤を提供するだろう」と述べた。

一方でイムラン氏は、国内需要に加えて対外貿易の継続的な成長を予測しているが、米国が課す可能性のあるより厳しい貿易規則については引き続き注視していく必要があると言明。投資家の米国経済データに対する敏感さの高まり、米国の貿易、関税、税金に関する新たな政策、地政学的紛争によるマイナスの影響により、2025年も不確実性と変動性が続くと予想されるとし、2025年が経済と市場にとって波乱の年になると考えていると述べた。

中央銀行バンク・ネガラの金融政策に関しては、イムラン氏は翌日物政策金利(OPR)が2025年も3.00%で据え置かれると予想。通貨リンギの為替レートについては、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融引き締めサイクルを一時停止する可能性が高いことから、2025年にリンギが上昇する可能性について楽観視しているとし、今年の推定平均1米ドル=4.56リンギを上回る4.23リンギを予想していると述べた。
(ベルナマ通信、12月10日)