サイバーセキュリティーのLGMS、アンタレックスと提携

【クアラルンプール】 三井物産が出資するサイバーセキュリティー事業者のLGMSは、同業のアンタレックス・ホールディングスと戦略的提携で合意した。LGMSはアンタレックスへの資本参加も視野に入れている。両社は共同開発の可能性も探る。

LGMSはアンタレックスの域内業務を利用し、ブルネイ、カンボジア、タイ、インドネシア、フィリピンへの参入を図る。目玉商品のスターセントリーを売り込む。アンタレックスはスターセントリーの技術を自社のサービスに組み込み、サイバーセキュリティー能力を高める。

アンタレックスは、拡張ネットワークインテリジェンス、ダークシールドなどのプラットフォームを通じ、リアルタイムの脅威検出、自動応答サービスを提供している。
(ビジネス・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、4月9日)

ジャパンエキスポマレーシア2025、7月にKLCCで開催

【クアラルンプール】 今年で6回目を迎える「ジャパン・エキスポ・マレーシア2025」が7月18―20日、クアラルンプール・コンベンションセンター(KLCC)で開催される。日本、マレーシア、東南アジアから80社以上の出展と、7万人以上の来場者が見込まれている。

主催は、コンサルティングなどを行う「サイアム・コネクション」と、タイ・バンコクを拠点に日本関連イベントなどを手掛ける「ジーユークリエイティヴ」。2017年に始まり、今回は2023年以来2年ぶりの開催になる。グルメ、ファッション、旅行、アニメ&コスプレなどのテーマ別に出展される。

また、今回から「マレーシア・ジャパン・エキスポ・アワード」を導入。マレーシアにおける日本文化やビジネスの促進に大きく貢献した個人、組織、グループを表彰する。

公式ホームページは、http://www.japanexpomalaysia.com/
(シチズンズ・ジャーナル、4月9日)

米関税措置、マレーシアなどは有利に=ムーディーズ

【クアラルンプール】 格付け会社のムーディーズ・レーティングスは、米国の相互関税はアジア太平洋諸国の信用格付けにマイナスだが、マレーシア、インド、フィリピンなど関税率がそれほど高くない国は米市場でのシェアを拡大する可能性があるとの分析を示した。

マレーシア、インド、フィリピンに対する相互関税率は10-30%で、対米輸出で貿易転換効果が見込める。インドなど巨大な国内市場を持つ国に対し企業は参入を図り、これらの国に生産拠点を移すことで経費の抑制を図ると予想されるという。

ムーディーズは、10%の「一律関税」の対象であるニュージーランド、豪州、シンガポールも関税措置の影響を免れないと指摘する。関税措置から直接受ける影響は少なくても、シンガポールの場合、世界貿易の減速にさらされる。豪州、ニュージーランド、インドネシアは中国が最大の貿易相手国で、中国の需要減で同国への一次産品輸出が減少するという。
(ザ・サン電子版、ザ・スター電子版、4月9日)

プロトン、3月の販売台数が前年同期比9.6%増

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、先ごろ発売した電気自動車(EV)「e.MAS7」と輸出の伸びに支えられ、3月の販売台数が1万3,918台となり、前年同月比9.6%、前月比23.9%増となったと明らかにした。

車種別では、Aセグメント「サガ」が6,154台でトップ。「e.MAS7」は797台、Cセグメントセダン「S70」は2,125台、スポーツ車(SUV)の「X50」、「X70」、「X90」はそれぞれ1,858台、835台、302台。Bセグメントセダン「ペルソナ」は1,482台、Bセグメント・小型ハッチバック車「アイリス」が337台だった。

輸出台数は417台で、前年同月比211%増となった。

1ー3月の販売台数は3万5,068台となった。同期の市場総需要量(TIV)は推定18万4,652台で、シェアは推定18.9%。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ジグホイールズ、マレー・メイル、ボルネオポスト、4月11日)

マレーシア人によるカンボジアでのQRコード決済が可能に

【クアラルンプール】 マレーシア中央銀行(BNM)とカンボジア国立銀行(NBC)は8日、QRコードによる相互決済協定の第2期を開始した。これにより、マレーシア国民はカンボジアにおける買い物で、カンボジアの標準QRコードをマレーシアのアプリで読み取る決済が可能になる。

昨年9月に開始された第1期では、カンボジア人旅行者はマレーシアで、カンボジアのアプリを利用し、マレーシアのドゥイットナウQRコードをスキャンする支払いが可能になった。

第2期の開始により、両国で700万余りの商店がQRコード決済の恩恵を受けることになる。開始式はクアラルンプールで開催の東南アジア諸国連合(ASEAN)財務相・中央銀行総裁会議に合わせ行われた。

BNMのアブドル・ラシード総裁は「さらに多くの商店で相互決済が利用できるようにする」とした。

NBCのチア・セレイ総裁は「第2期の開始は、国境を越えた取引を簡単にするだけでなく、観光、金融包摂、域内統合の可能性を解き放つもの」と述べた。

昨年のASEANにおける国境を越えたQRコード決済は520万件で、前年の4倍。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ビジネス・トゥデー、BNM報道資料、4月8日)

パイプライン火災の被災地、ガス1日3.3億立方フィート不足

【クアラルンプール】 セランゴール州プトラハイツで起きたパイプラインの大規模火災の影響で、被災地では1日あたり3億3,000万立方フィートのガスが不足している。セランゴール州インフラ農業委員会のイザム・ハシム議長(国政の閣僚に相当)が8日、記者会見で明らかにした。

イザム・ハシム氏によると、不足している3億3,000万立方フィートのうち、2億立方フィートは州内の4発電所向けで、残り1億3,000万立方フィートは300の工場と、8,000の住宅・商業施設向けという。

影響を受けている発電所は、コンノートブリッジ、プラウ・インダ、スルタン・サラディン・アブドゥル・アジズ(KEV)、プトラジャヤの4つだが、うち2つは石炭や石油といった代替エネルギー源で対応可能という。現在、ガス・マレーシアやペトロナス・ガスと影響を抑えるための対応を協議中で、タンクでガスを運ぶなどの対策が見込まれるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、4月8日)

銀行系アナリスト、通年の経済成長予想を下方修正

【クアラルンプール】 米国政府がマレーシアからの輸入品に4月9日から24%の「相互関税」を課すと発表したことを受け、複数の銀行系アナリストがマレーシアの今年の国内総生産(GDP)成長率予想を下方修正している。

CIMBは、米国がマレーシアにとり第3位の貿易相手国であることから、両国間の貿易関係に混乱をもたらす恐れがあると指摘。2024年のマレーシアの対米貿易黒字が724億リンギだったとし、「相互関税」により対米輸出が大幅に減速するとみられることに加えて、輸出収入の減少が家計支出と民間投資を鈍化させ、経済減速にさらに拍車をかけるとの予測から、通年の経済成長予想を1.0ポイント下方修正し4.0%とした。

RHBインベストメント・バンクは、これまで対米貿易黒字が比較的小さいと考えられてきたマレーシアで「相互関税」が現実化したことが経済の下振れリスクを大幅に高めているとし、成長予想を5.0%から4.5%に下方修正。「マレーシアのGDPは0.4%引き下げられ、さらに米国による中国への関税引き上げにより、(中国による緩和政策がないと仮定した場合)さらに0.7%引き下げられる」とし、関税問題・貿易問題がさらに深刻化した場合には経済成長率が4.0%の方に引き下げられるリスクがあると述べた。
(ビジネス・トゥデー、ベルナマ通信、4月5日)

米関税引き上げ、パーム油業界への影響は最小限

【プトラジャヤ】 マレーシア・パーム油委員会(MPOB)のアハマド・パルヴィーズ委員長は、米国の「相互関税」実施によるパーム油業界への影響は最小限にとどまるとの見方を表明。マレーシアに対する24%の関税率は、それぞれ32%、36%の高税率に直面しているインドネシア、タイに対して若干有利だと指摘した。

パルヴィーズ氏は、米国ではパーム油は主に一般的な調理用ではなく特殊な油として使用されているとし、マレーシアの米国へのパーム油輸出は国内総生産量の1%以下にとどまっていると指摘。「関税引き上げは価格上昇などの間接的な影響があるかもしれないが、米国での需要に大きな影響はないだろう。影響は直接的ではないが、特に最終製品の価格上昇という形で連鎖的な影響があり、最終的には米国の消費者が負担することになるだろう」と述べた。

パルヴィーズ氏は、初期段階では貿易の混乱が生じる可能性があるとした上で、米国ではトランス脂肪酸政策などにより、製菓業など特定の分野でパーム油に依存している業界があると指摘。パーム油の需要が依然として強いと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、4月7日)

東南アジアは中国より米国を信頼、シンクタンク調査

【シンガポール=アジアインフォネット】 東南アジアの市民は中国より米国に信を置いていることが、シンガポールのシンクタンクISEASユソフ・イシャク研究所の調査で分かった。調査期間は米トランプ政権による関税引き上げ前の1月3日-2月15日であるため、現在同調査が行われれば逆の結果になる可能性もある。

調査対象は東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と東チモールで、東チモールの回答は集計結果には含まれていない。質問内容は「世界平和、安全保障、繁栄、統治のために米国・中国が正しいことをすると、どの程度確信しているか」で、学術者、民間セクター代表、一般市民、非政府組織代表、政府職員ら計2,023人に聞いた。

米国、中国のいずれかと緊密に協力せざるを得ない場合、米国を選ぶと回答したのは52.3%。カンボジア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ベトナムで、米国を選ぶとの回答が多数を占めた。前年調査ではシンガポール、タイ、ベトナム以外の国すべてで、中国と協力するとの回答が多数を占めた。

ASEAN10カ国の米国に対する信頼は47.2%(前年は42.4%)に上昇。不信は37.6%から33.0%へ縮小した。マレーシアの米国に対する信頼は23.3%(前年は23.1%)で、不信(56.3%)を大きく下回った。中国に対する不信が信頼を上回ったのは6カ国で、中国に対する信頼が不信を上回ったのは4カ国(ブルネイ、カンボジア、ラオス、タイ)にとどまった。マレーシアの中国に対する信頼は31.7%(前年は32.0%)で、不信(40.5%)を下回った。

トラブル時3カ国語による指差し「支援ボード」を公開=日本大使館

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 在マレーシア日本国大使館は7日、日本人がトラブルに遭遇した時用の「コミュニケーション支援ボード」をウェブで公開した。日本語、マレー語、英語の3カ国語で記載され、警察に届け出をする際、指を差しながら説明ができる。

支援ボードは、盗難被害、落とし物、交通事故のほか、最近増加している詐欺被害の4つのシチュエーションごとに対応できるようになっている。

マレーシアには現在、2万人を超える日本人が居住し、2024年は約30万人に上る日本人が訪れている。大使館は「万が一被害に遭った場合に備え、このボードを印刷や、携帯端末にダウンロードするなどして活用してほしい」としている。

URLは、https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/newinfo_07042025.html