今年のGDP成長率は4.5-5.0%、製造業者連盟が予想

【クアラルンプール】 マレーシア製造業者連盟(FMM)は今年のマレーシア経済について、世界的不確実性が高まっているにもかかわらず、堅調な国内需要、活発な投資活動、輸出と観光業の成長に牽引され、着実に成長すると見込んでいる。

FMMのソー・ティエンライ会長は、2024年第2、第3四半期のマレーシアの国内総生産(GDP)はそれぞれ5.9%と5.3%堅調を維持したとし、今年通年の成長率は4.5%から5%の間になると予想されると言明。「中国の回復の鈍化、米国の政策の潜在的な変化、世界的な商品価格の変動、国内のインフレ圧力などのリスクは残っている」とした上で、輸出は今年も好調を維持すると予想されており、電気・電子、半導体、パーム油、機械、化学品などの主要セクターが牽引しているとした。また過去のデータに基づくと、懸念される米国の関税引き上げがマレーシアの輸出に与える影響は限定的になると予想されると述べた。

一方、インフレ率については、最低賃金の引き上げ、外国人労働者に対する従業員積立基金(EPF)の拠出金の見直し、売上・サービス税の適用範囲拡大、補助金合理化などの国内要因の影響を受けて、2025年には約3%に上昇するとみられるとした上で、それでも財務省の目標範囲である2%―3.5%にとどまると予想されると述べた。

通貨リンギについては、堅調な国内需要と観光部門の改善に支えられ、2025年も堅調に推移すると予想しているとした上で、「米連邦準備制度理事会の利下げ、労働力供給の変化、インフレなどの要因がリンギ・レートに影響を与えるだろう」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、1月8日)

四方大使「ルックイーストから”相互ルック”な関係に」

【クアラルンプール】 四方敬之 駐マレーシア日本大使はこのほど、英字メディア「フリー・マレーシア・トゥデー」の単独インタビューに応じ、今後の持続可能な社会のカギをにぎるグリーンテクノロジーや、データセンターなどを中心に、多くの日本企業がマレーシアに関心を示していると語った。

四方大使のインタビューは、9日からの石破茂首相の訪馬に先だって行われた。両首脳の会談が予定されており、政治・安全保障協力、ビジネスパートナーシップ、学術・文化交流など、さまざまな問題が協議される。四方大使は、アンワル・イブラヒム首相が掲げる「マダニ経済」に沿った2国間の貿易と投資の機会の拡大を強調。「将来に向け両国のパートナーシップがより緊密になることを楽しみにしている」と述べた。

また、四方大使は昨年11月の着任後、マレーシアの若者がアニメや音楽など日本文化に関心を持っていることに感銘したという。「マレーシアを訪れる日本の若者がもっと増えるなど、ルックイースト(東方政策)ではなく、”相互ルック”な関係になるよう努めていきたい」と付け加えた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、1月8日)

ホンダマレーシア、「シビック」のフェイスリフトを発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 ホンダ・マレーシアは9日、Cセグメントセダン「シビック」の2025年版フェイスリフトを発表した。月間1,000台の販売を見込んでいる。

バリエーションは4種で、ガソリン車の▽1.5L E▽1.5L V▽1.5L RS――とハイブリッド車の2.0L e:HEV RS。保険なし価格はそれぞれ▽13万3,900リンギ▽14万4,900リンギ▽14万9,900リンギ▽16万7,900リンギーーで、ベーシックの1.5L Eは2,000リンギの値上げになる一方、1.5L RSは2,000リンギの値下げとなった。

フロントバンパーのデザインが一新され、下部がより突き出したシャープな印象。フロントエンドがこれまでのモデルに比べ3ミリメートル長い4,681ミリメートルとなったが、幅(1,802ミリメートル)、高さ(1,415ミリメートル)、ホイールベース(2,735ミリメートル)をはじめ、基本性能は変わらないものの、運転をアシストする「Googleビルトイン」が搭載された。車体カラーは新たにブルーメタリック系を加えた5色展開となる。

吉村宏信 社長兼最高経営責任者(CEO)は昨年通年の総販売台数が8万1,600台超となり、2014年から11年連続で非国民車部門における1位を維持したと明らかにした。「シビック」は2024年12月の非国民車Cセグメント部門で81%のシェアを獲得したという。

石破首相が訪馬を前に抱負、「両国協力関係を重層化」

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 石破茂首相は9日、同日からのマレーシア訪問に先だって声明を発表し、アンワル・イブラヒム首相との首脳会談では、「包括的・戦略的パートナー」としての協力関係をアップデート・重層化していく考えを明らかにした。石破首相は10日まで滞在する。

石破首相は、今回の訪問でサプライチェーンの強靱化やレアアースといった新たな分野を念頭に、日・マレーシア経済関係の進展を確認する考えを表明。また東南アジアにおいて課題となっている脱炭素化・エネルギー移行に関連し、マレーシアとともに、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想を通じた脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障の同時実現を図っていく考えを示した上で、日本の優れた脱炭素技術を導入し、炭素クレジットの創出を通じて両国の排出削減に貢献する二国間クレジット制度(JCM)の協議を加速し、早期署名を目指す考えを示した。

さらにマレーシアで近年問題となっている洪水に関連し、治水に知見のある日本として防災分野でどういった貢献ができるかアンワル首相と議論したいと述べた。

また安全保障関連では、OSA(政府安全保障能力強化支援)、ODA(政府開発援助)及び自衛隊や海上保安庁による協力を通じたマレーシアとの連携強化を継続していく考えを表明。サイバーセキュリティ分野でも協力していきたいと述べた。

パレスチナ問題に関しては、2013年に立ち上げたパレスチナ支援の独自のイニシアティブ、「パレスチナ開発のための東アジア協力促進会合(CEAPAD)」の枠組みをマレーシアと共に最大限活用し、中東情勢の安定化に貢献したいとの考えを示した。